1/31よりユーロスペースほかにて 配給会社:ファントム・フィルム (C)「愛のむきだし」フィルムパートナーズ |
メチャクチャ面白かった。
2009年ベスト3入り確実。
ひょっとしたらベスト1かも。
上映時間237分。
ちっとも長くない。
怒涛の4時間だった。
というか、もっとこの世界に浸っていたかった。
終わらないで欲しかった。
6時間バージョンが存在するらしく、
それが見たい。
見たよぉぉぉ!!
あらすじはあえて書きません。
物語は何も知らないで見た方がきっと面白いでしょう。
とにかく、こんなラブストーリーを未だかつて見たことがない。
荒唐無稽なんだけど、とてつもなく説得力がある。
馬鹿ばかしいんだけど、シリアス。
笑える。でも痛い。
スカッとする。でも切ない。
美しく、暴力的。
変態だけど、気品がある。
緊張感がありながらも、どこか脱力している。
ちょっと形容のしようがないモンスターのような映画だった。
ありとあらゆる感情が突き刺さり、頭をガツーンと殴られた様な衝撃に襲われた。
鑑賞後、あまりの凄さに絶句しながらも、激しい高揚感に包まれた。
役者も最高だった。
主人公のユウを演じたのは、AAA(トリプル・エー)のボーカルを務める西島隆弘。
鑑賞後、映画初出演と知り、したたか驚いた。
演技の方面にもガンガン進出して欲しい。
一番やられたのがヒロイン・ヨーコ役の満島ひかり。
まず可愛い。
そして、可愛いだけでなく、その繊細で大胆な演技が、かなり衝撃的だった。
見て貰えれば分かると思うんだけど、それなりの勇気と覚悟がないと出来ない役だと思う。
特に詩的で美しく厳かな海辺のシーンでの演技には、激しく心を揺さぶられた。
“すげぇ〜”、“すげぇ〜”って心の中で連呼していた。
未だに満島ひかりの演じたヨーコの姿が脳裏に蘇る。
素晴らしい。
渡辺真起子の怪演も強烈だった。
凄まじいばかりの存在感。
通好みの女優さんなんで、知らない人も多いとは思うんだけど、
本作を見れば一発でお気に入りの女優さんになるでしょう。
こんな恐れを知らない演技が出来る女優さんは、とても貴重です。
そんな渡辺真起子にほだされる主人公の父親を演じた渡部篤郎も良かった。
厳格と愛欲。
両極端に振れまくって、大いに笑わせてくれた。
あと、奥田瑛二の娘さんである安藤サクラもインパクト大。
不気味でふてぶてしい。
でも、心の奥底にある寂しさ。
かなり切ねぇ〜・・・泣けたよ・・・
癖のあるキャラクターを実力ある俳優たちに演じさせ、
今まで見たこともない様な世界観を作り上げた園子温監督。
園子温らしいやり過ぎでハチャメチャな部分と、
真面目さのバランス感覚が見事だった。
実はとても扱いが難しいテーマである宗教、信仰の必要性と矛盾を、
こういう形で描くのは斬新だった。
そして、根っこにある“愛”。
主人公が運命の女性と出会った瞬間に起こす反応。
愛は理屈じゃない、理性じゃない。
むきだしの本能だ。
どんな障害があろうとも、苦難を乗り越え成就する!
メイとアックンの運命の赤い糸はどうでもいいけど、
ユウとヨーコの運命の愛は応援するよ。
237分という上映時間に二の足を踏まないで見て欲しい。
究極の娯楽作品だった。
いやぁ〜、しびれた、打ちひしがれた、感動した、興奮した、震えた。
『愛のむきだし』
※満島ひかり インタビュー テキスト
コメント (2)
この本も、すごいです。
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31929097
弟の病気のせいでおかしな新興宗教にはまった親にふりまわされる少年の話を描いた漫画で、実話です。
投稿者: tomoka | 2009年03月29日 15:57
>tomokaさん
コメントありがとうございます。フランスの漫画ですか?珍しいですね。
各サイトの書評を読むと評判良いですね。
しかし、¥4,000ですか・・・漫画の割にはかなり値がはりますなぁ・・・
漫画喫茶とかに置いてないですかね・・・
あと、図書館とか。
(セコイこと書いているなぁ〜って自己嫌悪)
投稿者: 伊藤P | 2009年03月30日 19:16