昨晩、『レッドクリフ PartII』の“舞台挨拶付き完成披露フェスティバル”なるものに行ってきた。
『レッドクリフ PartII』 4/10より日劇1、日劇3ほか全国にて 配給会社:東宝東和、エイベックス・エンタテインメント (C)Bai Xiaoyan |
普通だったら“舞台挨拶付き完成披露試写会”なんだが、
“フェスティバル”である。
そして、そのイベントタイトルの如く、
普通の舞台挨拶付き完成披露試写会とは違う、お祭り的な雰囲気が確かにあった。
会場はTOHOシネマズ 六本木ヒルズ。
どのスクリーンかというと全9スクリーンで上映。
キャパ2081人だ。
夜18:00スタートなので、当然の通常の興行は全部無し。
こういう場合、配給会社は劇場側に会場使用量プラス興行の補償金も支払う。
ある企画で一番キャパの広いスクリーン7の使用料金を調べたことがあるんだけど、
かなり金額。
全スクリーンとなると一体お幾ら?
更に、中でも一番大きいキャパのスクリーン7で現在上映されているのは『マンマ・ミーア!』。
『レッドクリフ PartII』と同じ東宝東和配給作品だ。
『マンマ・ミーア!』は1月30日に公開したばかりの作品なんで、
木曜日の夜ともなれば、そこそこお客さん入るでしょう。
その実入りを捨てて、『レッドクリフ PartII』フェス開催!
東宝東和ならびに共同配給のエイベックス・エンタテイメントの本気度が伝わってくる。
08年の映画興行で、『レッドクリフ PartI』は重要な作品だ。
公開前に様々な画期的な試みがなされた。
・分かりやすくするために、説明映像を日本独自で作って本編にくっ付けた。
・字幕に出てくる漢字にルビをふり、登場人物の名前と地位まで表示。
まだ、このような処置がなされていない完成披露試写で見たので、
後日、上記のような日本独自版が作られたと聞き、かなり驚いた。
本編そのものに手を加える。
洋画でだよ。
これは凄いことだ。
徹底して、分かりやすさを伝えようとしたわけだ。
あと、宣伝展開も周到だった。
映画離れが深刻な層である10代をどう呼ぶかという、
この手の映画では必ず出てくる難題を見事に解決してみせた。
宣伝側は、エイベックス・グループに所属するアーティストのファンと、
映画を見ない層がニアであると判断。
エイベックス所属のアーティストに『レッドクリフ PartI』を見せ、
ラジオや雑誌などで『レッドクリフ PartI』を語らせ、
若者たちに認知させ、さらに面白そうという興味を喚起させた。
まさに全社挙げての力技。
それから、周瑜演じるトニー・レオンの後姿が描かれたポスタービジュアル。
映画業界では、主人公が後ろを向いていたり、俯いていたりするキービジュアルは、
縁起が悪いと言われあまり好まれない。
でも、『レッドクリフ PartI』は後ろ向きだ。
(『レッドクリフ PartII』も後ろ向き)
なんでこうしたのかは分からないけど、
逆にインパクトがあると言えばある。
今までの固定観念を逆手に取ったのかも知れない。
そして、トニー・レオン、金城武という2大アジアスターが出ているのにも関わらず、
ジョン・ウー作品を前面に押し出している点にも注目したい。
確かにジョン・ウーは知名度があるけど、
日本では2000年に公開された『M:I-2』以降、ヒット作はない。
この目まぐるしく動く世の中で、8年間のブランクは大きい。
なのに、“John Woo's REDCLIFF”だ。
個人的にはジョン・ウーが大好きだから、嬉しい限りなんだけど、
何故?
この理由こそ定かではないんで、今度、機会があったら聞いてみたいんだけど、
10億円の私財を投じたジョン・ウーの“この映画に賭ける熱意”を汲んだのかなと勝手に思っている。
そして、『レッドクリフ PartI』は大ヒットを記録。
50.5億円をはじき出し、2008年度洋画興行成績第2位。
そして、アジア映画史上最大のヒット作となった(日本映画を除く)。
この大ヒットがあったからこそ、
今回のTOHOシネマズ 六本木ヒルズ全スクリーンで完成披露試写がある。
そんな訳で、会場は凄まじく混雑するだろうと予想はしたが、
まぁ、全スクリーン開けるから、座れないってことは無いだろうと踏んで、
開場20分後ぐらいに現地入り。
したら、劇場入り口前にある階段に長蛇の列が出来ていた。
TOHOシネマズ六本木ヒルズでこれ程の行列が出来たのは、
やはり全スクリーンで上映された『スパイダーマン3』以来か?
15分ぐらい列に並んで、やっとこさ開場入り。
招待状を渡すと、代わりに指定席券が手渡された。
し、指定席・・・
一抹の不安が過ぎる・・・
列の真ん中らへんだったらどうしよう・・・
伊藤Pはトイレが近いので、
いつも列の端か、一番前に座るようにしている。
これならば最悪トイレに行くことになったとしても、
あまり他の方々の迷惑にならない。
しかしながら、もしも列の真ん中だったとしたら、
通路に出るまで、多くの方々の前を通ることになる。
これは視界を塞ぐことになるので、多くの方々の鑑賞の妨げとなってしまう。
人に迷惑を掛ける行為。
これが嫌なのだ。
『レッドクリフ PartII』の上映時間は2時間24分。
舞台挨拶が30分ぐらいだとしたら、3時間だ。
しかも、今日は番組の音声収録をしたスタジオでコーヒーを3杯飲み、
更に昼食後にまたコーヒーを飲み、
午後の打ち合わせの際に出していただいたお茶まで飲んでいる。
その時は大丈夫だろうって思っていたんだが、
その後、頻繁に尿意を覚え、何度もトイレに行っている。
大丈夫だろうか・・・
頼む!見にくくてもいいから列の端っこにしてくれ!!
と祈ってみたもの、列のど真ん中でした・・・
「めざましテレビ」の“今日の占いカウントダウンハイパー”、
おひつじ座は何位だったっけ・・・
仕方が無いので、舞台挨拶と上映の間、
つまり取材に来ているカメラが掃けるまでの間を利用してトイレに行こうと決める。
しかしながら、舞台挨拶開始直前にそこそこの尿意が・・・
席を離れる → トイレ → 座席に戻る → 舞台挨拶 → 舞台挨拶終了 →
席を離れる → トイレ → 座席に戻る → 映画鑑賞
これをやると、伊藤Pの座席から通路までの間に座られている方々に、
4度も迷惑をかけることになってしまう。
そして、絶対に「またかよ?」って思われてしまう。
そういうのダメなんっすよ。
小心だから。
そこで、考えた。
舞台挨拶前にトイレに行く
↓
座席には戻らずに、入り口付近の通路に佇み舞台挨拶を見る
↓
舞台挨拶終了後、再びトイレに行き、完全に出し切る。
↓
座席に戻って映画を見る。
これなら最少2回の迷惑で済むではないか。
そして、実行した。
1回目のトイレに行き、入り口付近にあった照明の器具の前のスペースにしゃがみ込んだ。
これなら誰の邪魔にもならんだろう。
白いシャツを着ていたので、恐らく目立つだろう。
会場には知り合いがいて、「あっ、伊藤さんだ。でもなんであんなところに?」
と思われる可能性もあるが、それよりも尿意が勝るのだ。
というか、「自意識過剰過ぎるのだよ、誰も俺のことなんて気にしてねぇーよ」って、
思っているうちに舞台挨拶が始まった。
登壇者は、ジョン・ウー監督、金城武(諸葛孔明)、リン・チーリン(小喬)、alan(主題歌)の4名。
ジョン・ウー監督ははじめの挨拶こそ短めのコメントだったが、
その後の質問に対する回答は長い、長い・・・
通訳さん大変そう・・・
「黒澤明監督に多大なる影響を受けていて、本作に限らず映画を撮る前は『七人の侍』を見る。
そこから色々とアイディアを吸収している」
「特に『レッドクリフ』では、スタッフたちにも見せて、
イメージ作りに役立ててもらった」
といったコメントを述べていた。
続いて、金城武は全て日本語で対応。
結構ネタバレチックなコメントだったので、参りました・・・
そして、リン・チーリン。
『レッドクリフ PartI』で来日した際の写真を見て、
ちょっぴり好きになっちゃったんだよね・・・
まぁ〜、なんと脚の綺麗なこと・・・
流石、本職がモデルさんなだけありますわ。
顔も美しいけど、脚フェチなんで、ドレスから伸びた美しいラインの脚ばかり見ておりました。
(そこそこ変態かも・・・)
リン・チーリンも金城武と同じく、日本語で挨拶。
言葉数は少ないものの、金城武よりも発音が上手くて驚いた。
最後に、主題歌を歌ったalan。
彼女も日本語。
まだたどたどしくって、あやふやなんだけど、ヒヤリングは出来ている。
凄いね、みんな・・・
「前作でも主題歌を歌っていますが、今回はどんな気持ちで歌いましたか?」
という司会者の質問に対して、
「同じ」
とぶっきら棒に答えていたが、全く悪気がないことは会場のみんな全員が分かっていて、
ちょっと笑いが起きていた。
続いて、スチール撮影の時間となり、
再びトイレへ行き、搾り出すものの残尿感が・・・
膀胱炎か?
しかし、いつまでも尿意に振り回されるのは嫌なので、
考えないことにして座席に戻ると、まだ舞台挨拶は続いていた。
数名の兵士が出てきてドパーンと幸福の羽(?)を客席に撃ち込み、
これにて舞台挨拶終了。
登壇者たちは拍手に包まれながら、舞台袖へと消えていった。
ぶっちゃけ、普通の舞台挨拶付き試写会とやっている内容は大差ないんだけど、
やはり全スクリーン開けていること、ロビーを含め人が溢れ、客席も満席であること。
更に舞台挨拶の模様が、同時開催の大阪、名古屋、福岡の会場に生中継されていること
これだけでも、多分にお祭り感覚があった。
そして、何よりも『レッドクリフ PartII』自体がお祭りのような作品だった。
詳しい作品の感想は、また別途書きますが、
近年稀に見るスペクタクルだと思った。
そして、ジョン・ウー監督の情熱。
これが2時間24分間、ずぅーとスクリーンから滲み出ていた。
んでもって、映画が始まって30分ぐらいしてから、
軽く尿意が・・・
その後も断続的にやって来た。
しかし、なんとか2時間24分乗り切ることが出来ました。
上映終了後は、勿論、トイレへ直行です。
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