主演がジャニーズだから敵キャラがメイン写真なのだよ 3/7より丸の内ピカデリーほか全国にて 配給会社:日活 (C)2008 タツノコプロ/ ヤッターマン製作委員会 |
「ヤッターマン」実写映画化というニュースを聞き、
“なぜ、今?”そして、“出来るのか?”という疑問を抱いた。
更に監督が三池崇史と知り、“どうなるだ?”という期待と不安が入り交じった。
そして、出来上がった『ヤッターマン』は、
ハチャメチャだけどちゃんと映画として成立していて、
どこを切っても三池崇史監督印だった。
この映画は多分、三池崇史監督じゃないと完成しなかったに違いない。
度胸と冒険心があって、
過去に成功、不成功問わずキテレツな作品を世に送り出し続けた実績のある監督でなければ、
出資する側も、出る役者も、関わらる現場スタッフも任せられないでしょう。
アイドル映画、ヒーロー映画、アドベンチャー、SF、怪物、
特撮、コメディ、ミュージカル、
なんでもありのメチャクチャなノリと笑い、ドギツさと色気。
三池崇史監督が手掛けてきた様々な作品の要素が、
『ヤッターマン』にはしこたま入っていた。
そんな三池崇史監督も『ヤッターマン』のオファーを受けたとき、
ビビッたらしい。
三池崇史監督をビビらせるんだから、
『ヤッターマン』実写化は本当に仰天企画だったんだなぁーって。
そんなビックリ企画に出演した役者さんたちも大変だったでしょう。
『ヤッターマン』はCG多用の作品だから、完成図が見えない撮影現場となる。
そんな状況下で、普段だったら絶対に着ないような衣装を身にまとい、
既にビジュアルがあるキャラクターを演じなくてはならない。
それをやらせるのが、三池崇史監督の仕事でもある。
以前、遠藤憲一アニィが、三池崇史監督と出会って、
演じる怖さがなくなり、どんな役でもやれるようになったと言っていた。
恐らく、ヤッターマン1号役の櫻井翔とドロンジョ様を演じた深田恭子を筆頭として、
本作のキャストの多くが同じ思いを抱いたに違いない。
櫻井翔のセリフとかかなり酷い。
間違えないでね、櫻井翔じゃないよ。
セリフが酷いんだからね。
根拠のない自信だらけのアホらしい安いセリフがボンボン飛びだす。
隣りで見ていた男性は何度、何度も失笑していた。
こんなセリフをジャニーズの人気者に言わせる三池崇史監督が凄い。
深田恭子のドロンジョはどうだろう?
個人的にはドロンジョ様を演じるには爽やかで、色気不足な気もする。
声もなんとか小原乃梨子に似せようとしていてちょっと無理をしていると感じた。
それでも頑張っているのは伝わってくる。
無理でもなんでも頑張ってやらせて、
オリジナル・ドロンジョを作り出すのも三池崇史監督の役目・・・かな?
ボヤッキーとトンズラーをそれぞれ演じた生瀬勝久とケンドーコバヤシは、
ドンピシャだった。
ヤッターマン2号の福田沙紀もまぁ、良いでしょう。
しかし、これらレギュラーキャラを演じた役者の奮闘をものの見事に食い尽くす人たちがいた。
まず映画オリジナルキャラとなる考古学者を演じた阿部サダヲ。
やや芝居がかった演技をするのが持ち味だけど、今回はそれに拍車がかかっていた。
やったもん勝ちの怪演。
そして、もうひとりが「お仕置きだべぇ〜」で有名なドクロベエの声を担当している滝口順平大先生。
これでもか!ってぐらいの大熱演に感動した。
この阿部サダヲと滝口順平のコラボレーションが素晴らしい。
全てをかっさらう。
特にラストのパカッと○○○が割れるシーンとか大爆笑だった。
子供も見るであろう『ヤッターマン』で、この描写は良いのか?
“別に良いんじゃん?”という三池崇史監督の声が聞こえる・・・
ポチッとな!
豚もおだてりゃ木に登る
説明しよう
自転車コキコキ → お仕置きだべぇ → 爆発
今週のビックリドッキリメカ
テーマソング
などなど、「ヤッターマン」の基本は余すところなく完璧に網羅。
この“お決まり事”を結構忘れていて、“あ〜!そうだったぁ!”って思いながら見ていた。
でもね、物語はメチャクチャ。
まぁ、それも三池崇史監督らしいっちゃらしい。
そして、意外とCGがとても良く出来ていた。
日本映画に有りがちの、“CG頑張りました!でもそれが返って気になります!”
とはならなかった。
あと音響も良かった。
と、この文章を書くにあたり色々と思い出してはみたものの、
やはり阿部サダヲと滝口順平に尽きる。
しかし、公開直前だというのにこの『ヤッターマン』、
イマイチ盛り上がっていないような気がするのはオイラだけ?