2009年03月20日更新

#357 『フィッシュストーリー』


フィッシュ・ストーリー

『フィッシュストーリー』

3/20よりシネクイント、シネ・リーブル池袋ほか全国にて
配給会社:ショウゲート
(C)2009「フィッシュストーリー」製作委員会




1975年にパンクバンド“逆鱗”が放った一曲「FISH STORY」。
この一曲を通して、全く接点の無い時代・登場人物たちが繋がり、
2012年の人類滅亡の危機が回避される!?


って書いたけど、全く理解不能ですよね?


この映画、かなり面白いです。


でも、ストーリー展開とか知らないで見た方が、絶対に良いと思う。
なので、あえて物語についてはこれ以上詳しくは触れませんが、
バラバラの物語がストンと最後に着地する構成が素晴らしい。


鮮やか。


『アヒルと鴨とコインロッカー』『チーム・バチスタの栄光』
そして、先日公開したばかりの『ジェネラル・ルージュの凱旋』と、
中村義洋監督の演出は毎度毎度手堅い。


そして、役者が良い。


■パンクバンド“逆鱗”のリーダー・繁樹を演じた伊藤淳史
元チビノリダーが、パンクバンドで大暴れ!!!
良い人ぶった役よりも、ちょっと荒くれた感じの方がはまるような気がする。


■パンクバンド“逆鱗”のボーカル・五郎を演じた高良健吾
THE BLUE HEARTSの甲本ヒロトみたいでカッコ良かった。


■パンクバンド“逆鱗”のギタリスト・亮二を演じた大川内利充
役者というよりも本物のミュージシャンなだけあって、ギター上手し!
ソロとかメッサカッコ良かったっさ。


■“逆鱗”のドラマー・鉄矢を演じた渋川清彦
ドラムの叩き方がパンクというよりは、クリームのジンジャー・ベイカーみたいだった


■繁樹の恋人・波子を演じた江口のりこ
いつもいつも出てくるだけで強烈なインパクトです。


■頼りない大学生・雅史を演じた濱田岳
相変わらずな役柄で、最高です。脚本はあて書きだったらしい。


■雅史を小バカにする大学生・健太郎を演じた山中崇
どっかで見たことが・・・と思ったら『松ヶ根乱射事件』の人でした。


■雅史をパシリ、アッシー扱いする大学生・悟を演じた波岡一喜
『少年メリケンサック』『ドロップ』にも顔を見せていた。売れっ子だね。
いつも通り曲者役です。


■大学生・晴子を演じた高橋真唯
登場シーンは少ないのにも関わらず、妙にエロッペー印象を残してくれる。


■女子高生・麻美を演じた多部未華子
今までにない抜けキャラを見事に演じてくれました。
中村義洋監督とは『ルート225』に続き2度目。
多部ちゃんの登場シーンはソフトフォーカス。中村監督は多部部部員だな。


フィッシュストーリー


■正義の味方(なんだそれ・・・)を演じた森山未來
アクションを演じるのだが、そのしなやかな動きが素晴らしい。
本作で一番記憶に残る役所だった。『20世紀少年』の漫画家とは偉い違いだ。


フィッシュストーリー


■レコード店・店長を演じた大森南朋
いつも良い味出してます。


■車椅子の男・谷口を演じた石丸謙二郎
名脇役。胡散臭い役がとってもよく似合う。


と、ダラダラと挙げましたが、この役者さんたちが、時代を超え、微妙にリンクし、
集約される出来すぎ君な物語でありました。


さて、この“逆鱗”の「フィッシュストーリー」という曲ですが、
途中の間奏部分が1分間無音の状態で収録されているという設定。


波岡一喜が演じた悟は、
「その無音のところで、女性の悲鳴が聞こえる」という噂話をするんだけど、
他にもかぐや姫のライブ盤に入っている「わたしにも聞かせて」という女性の恨めしい声や、
有名な岩崎宏美の「万華鏡」で聞こえるウメキ声とかを例に挙げる。


間違いなく、伊藤Pは悟と話が合うね。


ちょっと前に映画に纏わる幽霊話について書いたけど、
同じ様に楽曲に変な声が!というのも結構好きなんだよね。


まだ学生の頃だったけど、
故池田貴族氏やミュージシャンのイクラが出演していた深夜番組で、
これ系の特集をたまにやっていて、やれば必ず見ていた。


先述のかぐや姫のライブ盤もこの番組で紹介していて、
先の「わたしにも聞かせて」という声を逆回転すると、
「わたしもそこに行きたかった」という凄まじいダミ声が聞こえ、
これにはしこたまビビッタ記憶がある。
(番組ではコンサートに行けなかったファンの生き霊と解説していた)


他にもいないはずのハモる女性の声が入っていたという、
出演者のイクラの楽曲も紹介していた。


この番組で紹介された楽曲以外にもある。


我々の世代で最も有名なのはREBECCAの「ムーン」だろう。
“戻らなくなぁった〜”という歌詞の後に、
「せんぱーい」って声がかなり明瞭に聞こえる。
ボーカルのNOKKOの事故死した後輩の声と言われている。


あとはチェッカーズの「クレイジー・パラダイスへようこそ」。
「コンサート見せて」という女性とおぼしき声が・・・。


最近だと、絢香の「三日月」に変な声が入っていると話題になった。


他にも一杯あるんだけど、紹介しきれないので、
もっと知りたい方はこちらのサイトをご覧下さい。


何にしてもゾクゾクワクワクしますなぁ〜、この手の話。
果たして、“逆鱗”の「フィッシュストーリー」無音の謎は?
幽霊話なのか?


映画でご確認を!


って、大分、映画の主旨と違う話をしてしまいました・・・


余談ですが、“逆鱗”たちが「FISH STORY」を収録するスタジオは、
伊藤Pの家の近所にあるスタジオです。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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