不思議なもんだ。
シーエスGyaOの前身である映画情報専門チャンネルカミングスーンTVに転職して以来、
ずっとジャッキー・チェンに取材したいと思い続けてきたものの、ことごとくダメだった。
で、やっと『ドラゴン・キングダム』で実現。
悲願成就まで8年もかかった。
なのに、その『ドラゴン・キングダム』の取材から1年足らずのたった8ヶ月で、
再びジャッキー・チェンにインタビューすることに。
今回の作品は『新宿インシデント』。
『新宿インシデント』 5/1より新宿オスカーほか全国にて 配給会社:ショウゲート (C)2009 Emperor Dragon Movies Limited All Rights Reserved |
タイトルからも分かるとおり、新宿を舞台にした作品で、
ジャッキーは歌舞伎町で頭角を現す中国からの密入国者を演じている。
詳しくは公開時の作品紹介記事に譲るけど、
コミカルなカンフーアクションを完全封印し、ハードでバイオレンスに満ちた作品で、
今までのジャッキー映画とは明らかに違う異色作だ。
2月に行われた完成披露試写会で見た時に、
ジャッキーが来日するとアナウンスされたんで、翌日、早速、取材のお願いをした。
しかしながら、ジャッキーは忙しいから、単独取材は半ば諦めていたんだけど、
幸い取材が出来る事になった。
取材時間はたったの5分。
ジャッキーは話が長いから聞けて2問かな。
どう考えても短いんだけど、取材出来るだけマシなのかな。
で、当日。
どうやらテレビ系のインタビュー、トップバッターのようだ。
(今回の模様はシーエスGyaOでも放送する)
午後の深い時間とかだと俳優さんや監督はインタビューに疲れ、
覇気がなくなっちゃうから、取材は早い時間にやった方が良い。
たまに、フランス人とか寝ぼけ眼で超不機嫌なケースがあるんだけど、、
部屋に入ってきたジャッキーはそんなバカ野郎とは大違いで超笑顔。
挨拶を交わしながらガッチリと握手。
自己紹介すると「よろしくぅ」と日本語で返してくれた。
さて、5分しかないから早速質問を!と思ったのも束の間、
ジャッキーは目の間に置かれているチェック用のモニターにご執心。
モニターを自分の方に引き寄せ、ジロジロと観察。
「このモニターは映画でも使えるのかな?」とオフィシャルクルーに質問。
クルー「ハイビジョン用なのでカメラによっては使えますが、
フィルムだとちょっと難しいかも知れません」
流石、自他共に認めるワーカホリックのジャッキー。
どんなことでも仕事に繋げようとする。
って、ジャッキー、5分しかないんっすよ・・・
伊藤Pの心配を察知してくれたのか、
我に返り「どうぞ!」と質問を促してくれた。
まず、ジャッキーの様々な思いが集約された『新宿インシデント』が、
無事完成したことについて聞いてみることに。
するとジャッキーは、ちょっと悲観的なことを言い出した。
「観客の人に受け入れられてもらえるか、心配」
「見た後、みんなワ〜という言うけど、良いワ〜なのか悪いワ〜なのか分からない」
「子供の観客を一部失ったと感じている」
ジャッキーは、話が長いんだけど、一回一回切って話す。
その都度、通訳さんが訳してくれる。
その度に、伊藤Pは心の中で思っていた。
「観客の人に受け入れられてもらえるか、心配」
→ 多くのファンは、あなたがどうしてこの映画を作ったのか理解しています!
「見た後、みんなワ〜という言うけど、良いワ〜なのか悪いワ〜なのか分からない」
→ 好意的なワ〜に決まっているじゃないですか!!!!
「子供の観客を一部失ったと感じている」
→ これは確かにそうかもしれないけど、大きくなったらきっとDVDで見てくれるはずです。
ってね。
でもさ、5分しかないからさ。
この際、伊藤Pの思いは封印するべきでしょ。
ジャッキーはずっと、ずっとアクション俳優としてではなく、
演技の面でも認められたいと言い続けてきた。
だからこその本作になるわけで、今度は自身の演技について聞いてみた。
そうしたら、日本語(しかも笑顔)で「わからない」って。
わ、わからない!?どうした!ジャッキー!不安なのか!?
「ベストを尽くしました。後は観客の方がどう見るかです」
何をおっしゃるんですか!良かったですよ!!
良かったに決まっているじゃないですか!!
あなたのことを大根という奴は、俺がしばきます!!!
と、心の中で叫んだところで、
「残り時間1分です」という指示が・・・
はやぁ〜
最後にファンの人にメッセージを貰って、インタビューは終わり。
その後、パッパッパッと写真撮影。
この間もジャッキーはご機嫌で、いろんなポーズをしてくれた。
ありがとう!ジャッキー!
次の媒体さんがスタンバっていたので、
挨拶もそこそこに退散。
そんな感じで2度目のジャッキーへの取材は終了しました。
やっぱり5分じゃ全然足りないよ。
残尿感タップリだったんだけど、まぁ、仕方ないね。
何度も言うけど、取材出来ただけでもラッキーだ。
ということで、今回、
このような機会をセッティングしてくださった宣伝スタッフの方々、
ありがとうございました。
引き続き、『新宿インシデント』を応援させて頂きます!
しかし、前回の取材時の舞い上がり方が嘘のよう。
まるで緊張しなかった。
やっぱり経験って凄いね。