昨晩、自宅に帰り夕刊の訃報記事を見るとモーリス・ジャールの名前が。
『アラビアのロレンス』を手掛けた映画ファンだったら誰もが知っている映画音楽の巨匠だ。
昨年の11月に、『アラビアのロレンス』のニュープリント版が上映される
第16回大阪ヨーロッパ映画祭の名誉委員長として来日したばかり。
長時間のフライトに耐えて来日し、記者会見など精力的にこなしていた人が、
半年経たずしてこの世を去ってしまう。
人間の命は不思議だ。
新聞の記事に死因は明記されていなかったけど、
寝ている間に亡くなったようだ。
老衰なのかな?
最近は映画音楽の仕事はしていなかったけど、
やはり偉大なる作曲家が亡くなるのはちょっと寂しい。
モールス・ジャールといえば、『アラビアのロレンス』が真っ先に浮かぶけど、
個人的には『ドクトル・ジバゴ』の「ララのテーマ」が強く印象に残っている。
壮大さと、暖かさと、悲しみと、喜び。
そんな様々な感情を呼び起こす名曲中の名曲だ。
『ドクトル・ジバゴ』を見たとき、普通に泣いた。
そして、鑑賞後、「ララのテーマ」をCDで聴いて、また泣いた。
『アラビアのロレンス』、『ドクトル・ジバゴ』となると1960年代の作品なので、
モールス・ジャールは古い人みたいな感じがするけど、
『ゴースト/ニューヨークの幻』、『雲の中で散歩』など90年代も活躍していた。
作品のジャンルも大河ドラマは勿論のこと、
イーストウッドの『ファイアーフォックス』、
ハリソン・フォード主演の『刑事ジョン・ブック/目撃者』、戦慄の『危険な情事』、
ルキノ・ヴィスコンティ監督作『地獄に堕ちた勇者ども』など多岐に渡る。
『首都消失』、NHKが出資したの大失敗作『クライシス2050』、『落陽』など、
日本映画でも音楽を担当している。
(正直、どの作品も・・・な感じですが・・・)
映画での遺作はキム・ベーシンガー、ヴァンサン・ペレーズ主演作『永遠のアフリカ』のようだ。
なんだっけ?この映画・・・
こんなのあったっけ?って思ったら日本ではビデオスルーだった。
まぁ、遺作といっても2000年の映画なんで、10年近く映画音楽に携わっていない。
何にしても、映画音楽の作曲家として偉大なる功績を残した人物だ。
ご冥福をお祈り申し上げます。