4月18日より日劇2ほか全国東宝系にて 配給会社:東宝 (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2009 |
『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』('02)以来の傑作。
しんのすけが川原で拾ってきた謎のドリンクを飲んでしまったひろしとみさえは、
ニワトリとヒョウに変身してしまう。
過激なエコ組織「SKBE(スケッベ)」が秘密裏に進める「人類動物化計画」のため、
スケッベの基地に連れ去られたひろしとみさえを救うため、
しんのすけ、ひまわり、シロ、そしてカスカベ防衛隊のメンバーが立ち上がる!
果たして、ひろしとみさえを救い出し、「人類動物化計画」を阻止出来るのか!?
いやー、大いに笑った。
そして、ちょっと泣けたよ。
トータルのバランスがいいね。
劇場版「クレヨンしんちゃん」は、
・しんのすけが一人で奮闘するパターン:『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』など
・野原一家の活躍がメインとなるパターン:『嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』など
・カスカベ防衛隊が戦うパターン:『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』など
があるんだけど、
今回は野原一家とカスカベ防衛隊が共に大活躍していて偏りがあまりない。
更にそれぞれのキャラクターの特性を活かした適材適所の配置がなされ、
各々が素晴らしい活躍をする。
組織に例えるならば、素晴らしいマネージメントだ。
ギャグも冴え渡り、子供たちどころか、大人たちもドッカンドッカン笑っていた。
アクション・シーンのインサートも絶妙なタイミングで、
全く飽きることがない。
お決まりのチェイスシーンとかもヒネリがあって、笑わせてくれる。
そして、しんのすけとみさえの母と子の愛という本作最大のテーマも、
『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の“ひろしの回想シーン”と似てはいるが、
結構、泣けた。
特に子を持つ母親はグッと来るんじゃないだろうか?
そのシーンではしんのすけの体の一部が重要な役割を果たすんだけど、
ちゃんと布石があるんだよね。
このシーンに限らず、ちょっとした表現の多くが布石となっていて、
後から「あぁっ!だからか!」ってなる。
しんのすけのお決まりのセリフや行動までも布石としてしまう。
粋な演出が細かいところにまで行き届いている。
また、今までにない構図のカットがあったり、
ポイント・オブ・ビュー(一人称視点)を効果的に用いている。
しかもそのシーンはCGだ。
長年「クレヨンしんちゃん」の絵コンテを担当していたというしぎのあきら監督。
なかなかやりますねぇ。
エコロジー問題に対するスタンスも秀逸だった。
「世の中、エコ、エコって言っているけど、本当のエコってなに?」
というしぎのあきら監督の疑問が聞こえてくる。
でも、最終的にはちゃんと本来のエコ活動というか、
人間がすべきことを提示している。
本当に良く出来ています。
老若男女を問わず、楽しめること間違いなし。
「クレヨンしんちゃん」を人に薦めるときに、
見るべき作品として挙げるのが、未だに『オトナ帝国』、『戦国大合戦』であることに、
このところちょっと抵抗感を感じていた。
やっと「超面白いよ!」と言い切れる劇場版「クレヨンしんちゃん」が登場した。
「クレヨンしんちゃん」に興味がない人も、騙されたと思って見て下さい!
劇場で子供たちと一緒に鑑賞することを強く、強くオススメ致します!
(子供と一緒に見る意味は、前回の記事をご参照下さい)