先行きの見えない不況の真っ只中、
常に不安を抱えながら生活しているからか、なんだか神経がささくれ立っている様だ。
ちょっとしたことで、イライラが募る。
とある日の夜。
六本木にある某劇場(って、限られてるな・・・)で行われた完成披露試写会での出来事。
劇場に着くと指定席券を渡された。
券に明記された座席に着席していると左隣のお兄ちゃんがガムを噛み始めた。
クチャクチャクチャクチャ・・・
映画を見ている最中、ずっとクチャクチャやられるんじゃないかと嫌な予感がした。
そして、この完成披露試写会はキャスト&スタッフによる舞台挨拶付きだったのだが、
定時になっても中々始まらない。
舞台挨拶に限らず、記者会見、単独取材でも、押すのは当たり前だから、
慣れっこのはず。
でも横でクチャクチャやられているからか、段々とイライラしてきた。
押すこと10分ぐらいか、ようやく舞台挨拶が始まった。
最初は興味深く聞くことが出来たんだけど、途中で中だるみし始め、
「早く本編見せてよ」モードに。
イライライラ・・・
質問タイム、写真撮影タイム、テレビ用撮影タイムを経て、
ようやく本編開始。
心配したとおり、横のお兄ちゃんは相変わらずクチャクチャ。
たまにツバを飲み込むのか、ジュルルル、チュパッという音を立てる。
イライライライラ・・・・
そんなオイラの神経をさらに逆なでするような刺客が、左隣から現れた。
中年で恰幅の良いおじさん。
ジェルでツンツンと短い髪を固めた頭を、ボリボリボリボリ。
「勘弁してくれよ・・・」
と思ったら、またボリボリ、ボリボリ。
気になるからついついおじさんの手を注視しちゃったんだけど、
頭どころかズボンの上から股間もボリボリ・・・
「た、頼むよ・・・」
そのおじさんはとにかく落ち着きがない。
頭、額、耳、股間をボリボリするだけでなく、モゾモゾと動き、
頻繁に座り直す。
左からクチャクチャクチャクチャ、ジュルルルル、チュパッ。
右からボリボリ、ポリポリ、モゾモゾ、ドスーン。
これが映画を見る環境か!?
しかしながら、お二方とも無意識だろうし、
隣に座っている男が不愉快に感じているなんて、これっぽっちも思っちゃいないでしょう。
そんな人たちを注意する気力も勇気も持ち合わせていない。
ぶっちゃけ映画自体も大して面白くなく、
こんな映画のために注意してお互い嫌な思いをするのもどうかな・・・ってことで、
とりあえず耐えることにした。
がっ!
今度は右斜め前方の通路側の客席が、パッと明るくなった。
若いおねーちゃんが携帯をいじりだしたんよ。
「テメー!さっきMCの伊藤さとりが“携帯の電源を切って下さい”ってお願いしてただろ!」
ちゅうかさ、お願い以前に携帯の電源切るのはマナーでしょう。
しかも“マスコミ”試写会ですよ!
どこの媒体じゃい!
どうせクソ媒体だろう!!
なんでその女の隣の人とか、後ろの人とか注意しないのだよ!
そのバカ女は1分以上携帯をいじくっていた。
「あんたそんなに人から必要とされてんのか?
今じゃなきゃダメなのか?」
そして、非常識なクソ女が携帯を閉じた後も、
クチャクチャ、ジュルルルル、ボリボリ、モゾモゾは終わらない。
心を無にするのだ。
お前はそんなに心の狭い人間じゃないだろう。
我慢しろ。耐えるのだ。
しかし、気になるんだよ!!
そんな心の葛藤を繰り返しているうちに、
またさっきのバカ女が携帯をいじりだした。
あぁー、注意したい。
「携帯消せよ!この無神経女!
安心しろ、お前が思うほど世の中はお前を必要としていないよ」
って、言っていやりたい。
でもその女の席まで距離があり過ぎる。
携帯依存症女は、さっきよりも長時間に渡り携帯を操作。
携帯消して、お前も消えろ!
なんで映画見ながらこんなにイライラせなあかんのよ?
オマケに映画自体、いつまで経っても面白いと思えない。
終盤なんかスクリーンに映し出された俳優たちの口とセリフがまるであっていない。
(テレビ業界ではリップが合っていないという)
完全アフレコ丸分かりというか、リップを合わせようという努力すらないように見え、
イライラに拍車をかける。
あぁー、また横でジュルルル、チュパッ!
いつまでもAV男優がAV女優の乳を吸う様な音を立ててんじゃねぇーよ!
ボリボリボリボリボリボリ、モゾモゾモゾモゾ。
あんた幾つだよ!
大の大人がっ!もっと落ち着けよ。
大量のジェリで髪の毛固めているから痒くなるんだよ!
何よりも今日という日にこの映画を見に来た自分にイライラする。
結局、心に平穏は訪れないまま映画の上映が終了。
劇場を出るためエレベーターに向かうと、
前の男性が携帯見ながらタラタラ歩いている。
たまに自分も携帯見ながら歩くのを棚に上げて、
後ろから蹴飛ばしたくなった。
あぁー、イライラし疲れた。
その後もこの感情が収まることのないまま帰路につく。
そして、at地元のコンビ。
酒を手にしてレジに向かうと長蛇の列。
「チッ!どこまでもついていない」と思いながら列に並んでいると、
あろうことか横入りしてくる野郎が!
「おい!後ろ並んでんだろうが!」
さっき携帯がなくっちゃ生きていけないビョーキ女に注意できなかったウンプンをぶつけちまった。
そして、「もっと優しく注意すればいいの・・・」って自己嫌悪・・・。
こういう時はさっさと寝るに限る・・・
ということで、
丁度、戸梶圭太の『牛乳アンタッチャブル』を(今更)読んでいたんで、
少し戸梶節を真似てみようかと思い、ちょっと過激に書いちゃいました。
戸梶さんもいつもイライラしてんのかな?