週末に自宅でちょっとした宴会を催した際に、
お招きしたご家族に小学3年生の男の子K君がいた。
K君のお母さんの話によると、K君は映画が大好き。
特に「スター・ウォーズ」シリーズや「スパイダーマン」シリーズといった、
SF系、アメコミヒーロー系を熱心に見ているという。
それならば、ということで、
押入れと化したロフトに眠っていたR2-D2の小さいフィギュアをあげたところ、
「頂いて良いんですか?ありがとうございます」
と、超礼儀正しく御礼を言われた。
お母さんは「あんな言葉遣い、家では聞いたことがない。意外な一面を見た」って言っていたけど、
外できちんとした言葉遣いを使えるのは、素晴らしいことだ。
そんなK君ですが、宴会が長時間に及んだため、
時間を持て余している感じで、退屈そうだった。
不憫に思い再びロフトへ行き、何かないかと荷物を引っくり返していたら、
『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』のプレスが出てきた。
一瞬迷ったが、このままロフトの肥やしになるよりも、
K君にあげた方が、いろんな点で良いように思いプレゼントすることにした。
『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』のプレスを渡すと、
K君の瞳はR2-D2のフィギュアをあげた時よりも輝いた。
大人たちが酔っ払ってベラベラ喋っている横で、プレスに見入っているK君。
自分も映画が好きになった頃は、映画のパンフレットとか穴が開くほど読み返した。
亡父と知り合いだった東宝東和の故・飯田格さんのご好意によって頂いたプレスは、
非売品であり、より特別なものとして大切にしていた。
プレスを嬉しそうに1枚1枚めくっているK君に、
映画と純粋に接していた頃の自分の姿を重ね合わせてしまった。
若年層の洋画離れが叫ばれている昨今で、
K君のような映画好きの子供は、映画業界において本当に大切な存在に成り得ると思う。
小さい頃から映画(特に洋画)を見る習慣があるかないかって、
今後の映画業界の行方を左右すると思う。
特にこれからの時代は。
今は映画館に行くお金がないかもしれないけど、もうちょっと大きくなって、
お小遣いとかアルバイトをして稼いだお金を自由に使えるようになった時に、
そのお金を映画につぎ込んで欲しいな。
そして、K君自体が発信する立場となり、
友達たちに「この映画が面白いんだよ」って、ドンドン伝えていってくれたら尚良いな。
小さい頃に影響を受けた映画というのは、将来的に良き思い出となるし、
趣味だけでなく人脈や仕事面でも“キッカケ”になる可能性さえある。
かつて、伊藤Pが小学生だった頃、
東宝東和の飯田格さんに試写会に招待して頂いたり(しかも完成披露試写会)、
グッズをプレゼントしてもらったりした。
もしかしたら、飯田格さんも伊藤Pに対して、
伊藤PがK君に感じたのと同じ感情を抱いたのかもしれない。
飯田さんが伊藤Pにしてくださったことを継承するというと大げさだけど、
出来る限りのことをK君にしてあげたいな。
今まで使用済みになったプレスとかゴミ箱行きだったんだけど、
少年が心をときめかすような作品のプレスは、K君にあげようと思う。
何事も繋ぐことは大切だ。