5月8日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて 配給会社:ブロードメディア・スタジオ (C)2008 Talentaid International Ltd. All Rights Reserved. |
19世紀清朝末期の動乱の中国。
義兄弟の契りを交した将軍だったパン、山賊の頭アルフ、その弟分のウーヤンの三人は、
中国大陸の平安のため立ち上がるが、過酷な運命が立ちはだかる。
甲冑ものなので、『レッドクリフ』のヒットを受けて製作されたように見えるが、
製作年は2007年で、中国では『レッドクリフ』以上のヒットを記録し、香港電影金像奨8部門を独占。
台湾金馬賞でも3部門受賞している。
三兄弟を演じるのは、ジェット・ リー、アンディ・ラウ、金城武。
更にジャッキー・チェンの意欲作『新宿インシデント』で、
影のある女性を存在感たっぷりに演じていたシュウ・ジンレイも共演。
トニー・レオン、金城武という二枚看板の『レッドクリフ』よりも、
日本での知名度が高い役者が揃っている。
中でもジェット・リーの気迫に満ちた凄味のある演技が目を見張る。
ジャッキーの『新宿インシデント』同様、演技派ジェット・リーが堪能出来る。
ジェット・リー、良い役者です。
一方でちゃんとジェット・リーらしい美しいアクションも随所にある。
後半、やや引きのショットで捉えたカンフー・シーンとか流石の動きだ。
アンディ・ラウも『三国志』と被るけど、哀愁が漂っている。
絶対的なヒーローよりも、ちょっと弱い人間味のある人柄を演じるのが上手い。
そして、金城武は知性派故にあまり動かなかった『レッドクリフ』と比較すると、
かなりの運動量をこなしている。
本人曰く、「余りにきつくてもうアクションはやりたくない」と弱音を吐いたらしい。
この三人が演じる三兄弟は性格、考え方が違いうが、根底には絆がある。
しかし、時代と戦に翻弄され、それぞれが己れの信念を貫くことによって、
様々な思惑と確執を生む。
もっと言えば憎悪だ。
そうなってしまう三人が痛ましい。
前半から中盤にかけては戦のシーンが多分にあり、活劇として楽しませ、
中盤から後半はアクションを抑えたサスペンスフルな人間ドラマとなっている。
監督が『ラブソング』、『君さえいれば/金枝玉葉』のピーター・チャンなので、
逆にアクションの方に違和感があるかも!?
随分ドラマチックな話だけど、なんと実際にあった出来事をベースにしているそうで。
男3人の愛と絆と裏切りを描いているので、『男たちの晩歌』に似ているなぁーって思ったら、
それもそのはずだった。
同じ題材を扱った『ブラッド・ブラザース/刺馬』という作品が1973年に製作されていて、
ジョン・ウーはこの作品に助監督として参加し、多分に影響を受け、
後に『男たちの晩歌』を作ったと言われているんだそーな。
『男たちの晩歌』ファンだが、知らなかった。
勉強になりました。