5/23よりテアトル新宿ほか全国にて 配給会社:角川映画 (C)2009「インスタント沼」フィルムパートナーズ |
麻生久美子主演のコメディ映画。
監督は「時効警察」で麻生久美子と組んだ三木聡。
「時効警察」は見ていないけど、面白いという話は耳にしていたし、
麻生久美子のコメディエンヌぶりが高い評価を得ているのも知っていた。
『インシタント沼』の予告編をチラッと見ただけでも、
麻生久美子が今までにないキャラクターを演じていることが分かった。
必然的に見たくなる。
三木聡と言えば脱力系というイメージがあったんだけど、
冒頭、麻生久美子のモノローグに合わせて、テンポの速い細かいカットの積み重ねから始まる。
この三木聡の脱脱力宣言的な出だしに、良い意味でちょっと面食らった。
インサートされるカットにも細かいネタが仕込まれていて、中々センスの良い作りになっている。
しかも麻生久美子のセーラー服姿や、着物に刺青姿や、ヤンキー姿も見られるので、
ファンとしてはたまらない。
カット数が多い分、当然、ロケの回数や衣装も増える。
いろんな麻生久美子を見せてくれたスタッフ・キャストに対して、
「ありがとう!」という感謝の気持ちと、
「撮影大変だったろうなぁ〜」という労いの気持ちが芽生える。
怒涛のオープンニングが終わり展開が落ち着いたら、
今度はジリ貧OL・ハナメを演じる麻生久美子と母親役の松坂慶子の共演シーン。
麻生久美子と松坂慶子が親子。
「おぉ!スゲー、キャスティング!」と、根拠も良く分からないままひとりで興奮。
こいつは、なんだか幸先の良い始まりだ。
その後も小ネタがクスクスとおかしいし、
意外な役所で意外な役者がたくさん登場して楽しませてくれる。
そして、もしかしたら風間杜夫演じる骨董品屋の胡散臭いオッサンが、
ハナメの父親かも知れないというくだりでまた興奮。
ってこたぁ、なんですか?
ハナメは銀ちゃんと小夏の子供ってことかい?
『蒲田行進曲』を思い出さずにはいられない、
このツボを押さえた絶妙なキャスティングに関心しながら、
引き続き、麻生久美子の可愛いらしい演技と衣装の数々を楽しむ。
おれは銀四郎じゃねぇーよ、電球だよ。
が、しかし、始まって30分ぐらいして、
自分が楽しんでいるのは、物語の展開やテイストではなく、
麻生久美子の演技と容姿だけということに気がついてしまった。
そう、物語は遅々として進まなくなり、
ハナメの行動もあまり共感できなくなってきたのだ。
そもそも目的もなんだかハッキリしない。
元々テイストが濃いので、くどくなってきてしまった。
そんな感じだから見ているこちらは、
麻生久美子を含め役者さんたちのテンションについていけなってしまった。
まるで雛寿司食べ放題みたいな映画だな。
始めは美味しい!美味しい!
ウニ!イクラ!!大トロ!!!ってガツガツ行けるけど、
途中でお腹一杯、生モノうんざり・・・って。
『インスタント沼』も出足は快調。
しかしながら、途中でかなり食傷気味・・・
で、更にくどい展開は続き、
中盤から映画が終わるまで、おいらは完全に脱力状態。
でも麻生久美子は健気に頑張って笑顔を振り撒いている。
まさに熱演だ!
なのに・・・
うっー、なんだか切なくなってきた・・・
上映時間120分。
麻生久美子が出ずっぱりなので、
本来なら「2時間麻生久美子を堪能出来る!」と大喜びのはずなのに、
ただただ長く感じてしまいまして・・・
かなり期待大だったのがいけなかったのかなぁ・・・
やっぱり映画は期待しちゃダメなんだよねぇ・・・
「困った時は、蛇口をひねるのだぁ〜!」
「いや、水道代バカにならないからさ・・・」って、
後ろ向きが染み付いた、貧乏性な輩とはそりが合わなかったようで・・・
残念!!
撮影も明らかに大変そうだったし、
ラストなんて想像を絶するモノが出てくる。
役者も揃っていて、みんな上手い。
なによりも麻生久美子が出ている!!!!
もう少しタイトに出来なかったのかなぁ。
そうしたら乗り切れたんだろうなぁー。
PS:そうは言っても“シオシオミロ”は試したい。
“シオシオミロ”がなんなのかは、映画で確認してください。
※『ハーフェズ ペルシャの詩』麻生久美子 取材記<前編>
※『ハーフェズ ペルシャの詩』 麻生久美子取材記<後編>