5/29よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて 配給会社:アスミック・エース エンタテインメント (C) 2009, East Wing Holdings Corp. and SAJ. All Rights Reserved. |
世の中には役者の努力が報われない映画が存在する。
最近だと『少林少女』がその筆頭に挙げられる。
今回取り上げた『ラスト・ブラッド』もそんな一本。
主演のチョン・ジヒヨンは初のアクションなので、トレーニングと撮影はかなり過酷だったはず。
彼女の舞台挨拶付きの完成披露試写会で見たのだが、本人も大変だったと語っていた。
そんな彼女の努力は、かなり早い段階でどうでもよくなる意味不明な物語と、
CGによる不自然な動き満載のアクションによって、木っ端微塵に打ち砕かれてしまう。
チョン・ジヒヨン演じる16歳の少女サヤは、人間とオニのハーフで、
自分の父親を殺した全てのオニの起源であるオニゲンを葬り去るために、
日々オニ退治に励んでいる。
何故だか知らんが、サヤは半分オニなのに吸血鬼の様に血を欲する。
一方オニゲンは、登場の仕方も行動も良く分かりません。
そして、サヤがオニゲンに辿り着くまでの過程も段階を踏んでないから、
いくらサヤがザコキャラとの戦いに勝っても達成感はないし、次に繋がることもない。
最後の一騎討ちも、サヤに比べて、オニゲンの動きが少なく、
メインイベントの戦いとしては、かなり物足りない。
主人公が自分よりも強い最強の敵と戦って勝つための努力もないし、勝つ根拠もないから、
説得力もない。
このプロセスを踏んでいないために、失敗してしまうアクション映画は、結構多い。
『少林少女』や『ハイキック・ガール』もそうだ。
逆にしっかり描かれているのは、『ベスト・キッド』(古い?)、『カンフー・パンダ』だ。
とにかく脚本が酷い。
チョン・ジヒヨンのアクションはところどころ良い動きもあるんだけど、
明らかにCGというシーンが多くてげんなり。
そんな悲しいアクションの中で、倉田保昭だけは流石の動き。
この映画で唯一安心して見ていられるアクションシーンだ。
倉田さんクラスのアクションを見ちゃうと、可哀相だがチョン・ジヒヨンは霞んでしまう。
倉田さんの頑張りに敬意を表し、【裏部屋】行きは無しの方向性にしようと思った。
が、
サヤとオニゲンのラストの戦いが【裏部屋】行きを決定的にした。
先述の通り、アクションシーン自体もいけていないんだけど、
チョン・ジヒヨンとオニゲン役の小雪のリップのズレが酷すぎる。
こんなに酷いアフレコはここ最近見たことがない。
というか、はじめてかも。
日本語吹き替え版じゃないからね。
韓国人であるチョン・ジヒヨンはまだ理解出来るが、
小雪は・・・
合わせる気があるのか?ってぐらいずれている。
どこもかしこも締まらない。
締まらないと言えば、冒頭に丸の内線が出てきますが、
丸の内線は浅草駅には停まりません。