7月4日よりシネマート新宿にて 配給会社:スローラーナー (C)2009 浅生ハルミン/『私は猫ストーカー』製作委員会 |
猫アレルギーなんですよ。
まじで。
食べ物や薬とか全くアレルギー反応ないのに、
唯一猫がダメ。
一度、猫を飼っている友人の家に泊まりに行って、
鼻水と涙が止まらず、全身に湿疹が出てえらい目にあったこともある。
先日も猫を飼っているナレーターの佐藤朝問の服に猫の毛がたくさん付着しているのを見ただけで、
くしゃみが出そうになった。
元々犬派なんで、ちょっと前に猫が鍋の中に入っている写真とか流行ったけど、
これっぽっちも可愛いと思わんかった。
小学生の頃大ブームだった“なめ猫”も子供心に微妙だったなぁ・・・
そんな猫をストーカーする若い女性の話。
入り口からして無理な気配が・・・
でも、星野真里、江口のりこ、坂井真紀共演だ。
これは見てみたい。
で、見た訳ですが、玉砕!
冒頭。
星野真里演じる主人公ハルが、近所の猫をストーカーするシーン。
長回しと手持ちカメラによるブレブレの映像、
そして、セリフ無しというスタイルに触れた瞬間、
猫アレルギーの如く、“肌に合わない!”って。
その後もこれと言った物語の展開もなく、
まったり、ダラダラ、グダグダと・・・
やっと物語が動き出すのは上映開始から1時間ぐらいして。
ハルのアルバイト先である古本屋の主人夫婦に飼っている猫が行方不明になるという展開。
随分前だけど、見た時に死ぬほどつまらないと思ったフランス映画『猫が行方不明』を思い出した。
タイトル通り行方不明になった猫を探す女の子の話で、
散々探した結果、結局部屋から猫が出てくるという作品。
まぁ、『私は猫ストーカー』の方が、日本が舞台だし、
知った役者さんたちが出ているから、
『猫が行方不明』よりは全然マシだったけどね。
それでもやっぱり辛いのは辛いなぁ。
生き急いでいるからか、テンポがまずだめ。
“このシーン要らなくねぇ?”って。
上映時間103分なんだけど、かなり長く感じた。
それから、主人公ハルの行動が正直“?”だったな。
資料には「やがて人も猫もみんないつかはいなくなる。
どんなに愛おしくても、ふれあえる時間はほんのわずか。
だから、ハルは時間の許すかぎり猫のあとをつける」
うーん・・・わかんねぇ。
ふれあえる時間がわずかだと思うのなら、
自分は猫を追わず、仲間や愛する人たちとふれあっていたいと思う。
例え煩わしかったり、面倒くさいと思うことがあったとしてもね。
そもそも人付き合いよりも猫をストーキングしていることに喜びを感じる人とは、
思考回路がまるで違うと思う。
そういう人を否定するつもりはない。
ただ、わからないだけ。
でもね、役者は良かった。
長回しを多用している分、ほぼ出ずっぱりの星野真里は、
より自然な演技をしなくてはならない。
芝居をしない芝居ってやつだ。
とても上手いと思った。
そして、やっぱり星野真里、江口のりこ、坂井真紀が、
同じ“絵”に収まっているのは、見ていて楽しかった。
また、徳井優(古本屋の主人)や品川徹(猫仙人)、諏訪太朗(猫好き仲間?)といった、
普段割りとセリフも少なく、出番もちょっとの役者さんが、
たくさん喋っているのが嬉しかった。
(諏訪太朗は出番こそ少ないけど、いつもよりセリフが多い)
ちゅうことで、俳優さん以外なかなかしんどい映画だった。
冒頭に猫アレルギー以外、アレルギーはないって書いたけど、
内容によっては、映画に対してアレルギーがあるってことを、
今更ながらに認識させてくれた1本でありました。
※『私は猫ストーカー』の公式サイトに、
「猫ストーカー度診断フローチャート」ってのがあったんでやってみたんだけど、
案の定、結果は「10%:もっと猫に興味をもちましょう」でした。