7月25日よりアップリンクにて 配給会社:パンドラ (C)2007 Fat Productions, Philmsound and Film Finance Corporation Australia |
オーストラリア在住の女性映像作家関口が、
自身のダイエット経験を自らの手で記録したドキュメンタリー。
関口さんは50歳でバツイチの子持ち。
小さい頃から大柄で、全体的に細身の女性が多い日本で辛い思春期を過ごした後、
23歳の時にオーストラリアへ渡り、そのデブ大国っぷりに歓喜。
他人の目も気にならない、服のサイズにも困らない。
木を隠すなら森の中と言わんばかりに、デブなオーストラリア人と同化の道を突き進み、
気が付けば80キロ台に。
流石にこれはヤバイとなり、ダイエットを決意するが、
それはそれは過酷な試練が待ち受けていた・・・
まずこの作品のポイントは暗くないということ。
50歳の中年デブ女ということを逆手に取ってコメディにしてしまっている。
自虐ネタってやつだ。
ただ、ライトにした分、ダイエットへの取り組みに真剣さを感じることが出来ず、
“だからデブなんだよ”と内心思ってしまったりして・・・
でもシビアなダイエットものにしたら、多分本人だけでなく見ているこっちも辛いから、
方向性は間違っていない。
食欲に負けてしまう精神力の弱い人間なんてしこたまいるしね。
自分も夕飯後、夜中の12時に酒飲みながら豆腐一丁平らげちゃう暴飲暴飲派なので、
関口さんの気持ちは分からなくもない。
“どうだ〜!私は頑張ってこんなに痩せたぞ!あなたたちもやりなさい!”
という押し付けがないのも良い。
それからこのドキュメンタリーが面白いのは、デブになった原因を探っている点。
彼女の生い立ちを辿ることで、何故デブになったかが分かる。
“でもさ〜、それってやっぱり責任を他者に押し付けてないか?”って。
でもまだ7歳の子供がいるのに、
関口さんは「私には生き甲斐がない」って言っちゃうような無責任なところがあるんで、
他人に罪を擦り付けるのも無理ないか。
まぁ、そんな己のチブを曝け出しながらも、ダイエット始めたことによって、
自らを解放し、彼女なりの新たな生き甲斐を見つけるから良いんだけどね。
そもそもオーストラリアではテレビで放送されていて、尺も52分と短い。
だからなのか本作は、ダイエットを完了する前に終わる。
その後が気になるよ。
2008年の作品だから撮影時期は2007年ぐらいかな?
ダイエットを始めて今年で約2年。
ちゃんと続いているのであろうか?
全然体型が変わっていなかったら、オイラは本作における関口さんを全否定するね。
やっぱり映画を作るぐらいなんだからさ、ちゃんと全うして欲しい。
しかし、皮下脂肪の固まりと化した中年おばちゃんの身体といったら・・・
この映画でその醜い体系を見ること自体、ダイエットが効果あるんじゃない?って。
なにせ、乳房とアンダーヘアをワンカットだけど見せちゃうしね。
このシーンもオーストラリアではテレビで流したのかな?
放送事故になるよってぐらいキツイ。
おばちゃんのヌードを見せられた時の、
なんとも言えない気まずさというか、座りの悪さったらないね。
そして、この感覚、かつてどこかで経験したような・・・
暫くして、それが十年近く前に、
大学時代の仲間と行った熱海旅行での出来事であることを思い出した。
これ書くと長くなるから、また別途書きますわ。