チャンドラー・カンタベリー。
名前だけだと「誰?」って感じですよね。
かく言う伊藤Pもインタビューのお願いをされた時、誰のことか分かりませんでした。
『ノウイング』でニコラス・ケイジの息子を演じた男の子と言われて、
「あぁ、あの子か〜」と、認識出来た次第。
7月10日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて 配給会社:東宝東和 (C) 2009 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. |
このところ、諸事情により映画を見る時間すらなく、
インタビューをお願いされても不本意ながら「ごめんなさい」するケースが増えている。
ネームバリューからすると、今回も同じケースかな・・・。
しかしながら、宣伝側の立場になって考えると、
ネームバリューがないキャストのインタビュー枠を埋めるのは、相当しんどい。
それは自分も経験してきたことだから良く分かる。
『ノウイング』のパブリシストであり、インタビューの話を持ちかけてきたOさんには、
日頃、こちらからの細かくて面倒くさいオーダーに対して、迅速に対応して頂いているうえ、
今までも念願だったジャッキー・チェンやメリル・ストリープといった
大物のインタビューをブッキングしてくれている。
かなりお世話になっているわけで、こういう辛い取材だけを蹴っ飛ばしては男が廃る。
幸い『ノウイング』は見ていたし、結構好きな作品でもある。
様々な要素を鑑みた結果、インタビューをすることにした。
話が決まってから数日後、
「カンタベリーくんは10歳なので、場馴れしておらず、
インタビューをスムーズに進めるため、予め質問案を提出して欲しい」
とお願いされた。
質問案を提出することは頻繁にあるので、まったく構わないんだけど、
問題なのはその理由だよね。
要するにカンタベリー君は喋らないってこと。
今回に限らず、子役の取材はなかなか厄介だ。
最近だと『コドモのコドモ』の甘利はるなちゃんや、
『地球が静止する日』のジェイデン・スミスがそうだったように、基本、喋らない。
喋っても、「クールだったよ」とか、「楽しかった」とか短い返答が多い。
先に質問案みせて、答を用意させたとしても、なかなか難しいでしょう。
まぁ、仕方ないよね。自分も10歳ぐらいのときは、同じようなもんでしょう。
(今だったら聞かれてもないことまでベラベラ喋るのだが・・・)
これが16、17歳ぐらいだったら、「話せよ!コラッ!」てなるけど、
まだちびっ子だからね。
と、ある程度の覚悟はしていたんだけど、
取材当日の朝、Oさんから届いたメールを見て、甘利はるなちゃん取材時の悪夢が蘇った。
「今までの取材では、想像以上に喋らない。イエス、ノーだけのこともあった」
Oさんもこれはマズイと思い、事前に知らせてくれたってわけだ。
さらに日本でプロ野球観戦するとかどこの店に行ったとか、
他の媒体さんがぬいぐるみをプレゼントとした時は大いに喜んだ等々、
会話のきっかけとなるような情報も明記されていた。
その心遣いに感謝しつつも、このメールを読んだのは取材現場へ向かう10分前。
プレゼント出来るようなグッズなど持ち合わせていない。
クレヨンしんちゃんのストラップとかならあるけど、
アメリカ人の子供がしんちゃんを知っているとは思えん。
今回の取材はムービーカメラ入っていないし、
「なんとかなるだろう!」ってことで、何も用意せず取材現場へと赴いた。
マスコミ待機部屋に行くと、Oさんがいた。
「今日は昨日より話しています」と言うことで安堵しつつ、インタビュールームへ。
直ぐにカンタベリーくんが目に入った。
小さい。背も小さいが、顔も小さい。
身体の線も細い。
チョコンとそこにいるって感じ。
そんなカンタベリーくんはご両親と話していたのですが、
お母さんがなかなかの恰幅でして・・・
失礼ながらジョン・キャンディかと思っちゃいました。
男の子は母親に似るケースが多いから、
今は枝みたいに細いカンタベリーくんも将来巨大化しちゃうんじゃないかと、
余計なお世話以外の何物でもない心配をしつつ、
インタビュアー用のソファに腰を下ろした。
インタビューが始まる前に、
Oさんと同じ会社に勤めているパブリシストのIさんが、
Oさん同様、気を遣ってくれて、
カンタベリーくんは野球が好きという話をしてくれた。
Iさん「野球が好きで、明日、広島巨人戦見に行く予定なんです」
伊藤P「みたいですね。Oさんから聞きました」
Iさん「なかなか熱いカードですよね」
伊藤P「いや、僕は阪神ファンなんで」
Iさん「知ってます」
知っていならがわざとそんな話を振るIさん。
いつもそんな感じだ。
そもそも今年はダメ虎なんで、もうどうでもいいです。
Iさん「彼はヒューストン出身なんですよ」
伊藤P「じゃ、アストロズ・ファンですか?」
Iさん「いや、分からないです」
だったらなんでヒューストン出身という情報を提供するのだ!
やっぱりIさんはそんな感じだ。
ちゃんと調べておきましょうよ!
情報として役立つのか疑問な会話をしていたのだが、
なかなかカンタベリーくんがこちらにやってこない。
だから、通訳の鈴木小百合さんとも雑談。
鈴木小百合さんの通訳はいつも本当に素晴らしいので、
難攻そうなカンタベリーくんを攻略するうえでかなり心強い。
と思っていたが・・・
鈴木さん「一言で終わってしまうことが多くって・・・喋らせるの難しいです」
鈴木さんをもってしても、攻めあぐねるカンタベリーくん。
ツワモノだな。
そして、やっとそんなツワモノ・カンタベリーくんがやって来た。
じっくり見つめてみると、瞳がブルーアイズで美しい。
それこそ、『ノウイング』のビジュアルとなっている、
青き地球のようだ。
「誰かに雰囲気が似ているなぁー」と、
思いつつまずは恒例のご挨拶。
伊藤P 「Nice to meet you.」
カンタ「Me too.」
伊藤P 「My name is Kazuyuki Ito.」
カンタ「・・・・・・・・・・・・・・・」
かなりゆっくり名前を言ったのですが、カンタベリーくんはポカーン。
どうやら伊藤Pの英語はダメらしい・・・
見かねた鈴木さんが「Ito」と言ってくれて、
ようやく「Ito,Ok!」となった。
初っ端からつまづいたが、気を取り直して一問目。
普段だったら時間が勿体無いから直ぐに映画に関する質問をするんだけど、
なにせツワモノ・カンタベリーくんなので、
「10歳ですが、日々どんなことに興味があるの?」というジャブな質問を投げかけてみた。
が、
カンタ「・・・・・・・・・・・・・・・」
無言かい!!!
10秒以上の沈黙の末、カンタベリーくんが出した答えは、
カンタ「レゴ」
やっぱりワンワードだよ・・・
しかしながら伊藤Pも幼少の頃はレゴにはまった口なんで、
レゴの話を引っ張ってみることにした。
伊藤P 「レゴでどんなものを作っているの?」
カンタ「船、車、家とかです」
まぁそんなもんだろうなぁ。
伊藤P 「最近のレゴはハリー・ポッターとか、インディ・ジョーンズとかあるよね?」
カンタ「僕も持っています」
話膨らまねぇー。
仕方ないので矛先を変える。
伊藤P 「野球が好きだって聞いたんだけど」
カンタ「はい。そうですね。でも、一番好きなスポーツはバスケです」
まんまとIさんにガセネタつかまされたぜ・・・
伊藤P 「そうかぁー、バスケはちょっと疎いんで、野球のことを聞くよ。どこのファン?」
カンタ「ヒューストン出身なんですけど・・・」
と、言いながら両親の方を見るカンタベリーくん。
カンタ「ヤンキースです」
するとお父さんがご立腹。
どうやらアストロズのファンのようだ。
まぁ、伊藤Pは東京出身で、オヤジが巨人ファンだったにも関わらず、
阪神ファンになったんで、カンタベリーくんの気持ちはちょっと分かる。
伊藤P 「じゃぁ、松井稼頭央じゃない松井を応援しているのかな?」
と、松井秀喜ネタで盛り上げようとしたんだけど・・・
カンタ「よく選手のことは知りません」
ズコッ!!
引き続きポンコツ井川の話とかしようと思ったけど止めたよ。
いまいち話が続かないので、映画の話に切り替えた。
ニコラス・ケイジと共演できることが何よりも嬉しかったというので、
ニックに関する質問をいくつかしてみた。
伊藤P 「元々ニコラス・ケイジに対して、どのような印象を持っていたのかな?」
カンタ「大好きな俳優さんでした。僕の周りの友達も大好きです」
伊藤P 「どの辺が好きなの?」
カンタ「優雅だし、演技がリアルなところ」
ということは、ニックの映画をそれなりに見ていると踏んで、
一番好きなニックの出演作品を尋ねてみると、
『ゴーストライダー』と即答。
数あるニック出演のポンコツ映画の中でも上位に食い込む『ゴーストライダー』。
それをトップに挙げるとは・・・
この後もニックや『ノウイング』に関する質問をしたんだけど、
思いの外、結構喋ってくれた。
どうやら事前にちゃんと考えてきていたようだ。
質問案提出の効果テキメン!
それでも時々考えるときがあって、
ちゃんと答えられたかどうか、チラチラ両親の方を見て確認したりして、
なかなか可愛らしいかった。
「パパ、ママ、これでいいよね?」って感じで、
サムアップしたりもしていた。
この調子なら事前に提出した質問案以外の質問をしても大丈夫そうだと思い、
好きな俳優さんとか聞いてみた。
カンタ「ニコラス・ケイジ、リーアム・ニーソン、ブラット・ピット、ウィル・スミス」
ウィル・スミスは分かるが、リーアム・ニーソンとは・・・
渋いチョイスだ。
男優さんばかりだったので、「憧れの女優さんは?」と問うと、
カンタ「ケイト・ブランシェット、ケイト・ウィンスレット」
演技派の2人を列挙するカンタベリーくん。
とても10歳とは思えん。
10歳のちびっ子だったら、マイリー・サイラスとか、ザック・エフロンとか、
ヴァネッサ・ハジェンズとか、シャイア・ラブーフとか、
ダニエル・ラドクリフ、エマ・ワトソンとかじゃないのか?
そう思ったんで、「若手では?」と聞いてみると、
カンタ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
無言!
まぁ、別に良いんだけどね・・・
最後に日本の人たちに向けてのメッセージをもらった後、
写真撮影。
数枚撮って、握手をして終了。
部屋を出るときに「Thank you!」って言ったのに、
まるっきり無視されたけど、まぁ、なかなか楽しいインタビューだったよ。
で、会社に帰る途中で、
撮った写真を改めて確認した。
その時、「誰かに雰囲気が似ているなぁー」の“誰か”が分かった。
ダ、ダミアン!!!!
コメント (2)
腹かかえて笑ろた!
ぐひゃひゃひゃひゃひゃ〜!!!
Iさんもナイス過ぎるwww
投稿者: ぶちょ | 2009年07月02日 23:04
見てきました〜
気持ちよかったです!!
投稿者: inability.☆ | 2009年07月12日 18:22