前回の続き。
熱海のしなびたストリップ劇場に足を踏み入れたご一行。
井上陽水の「リバーサイドホテル」に乗って舞台に登場したのは、
なななんと、
チリチリパーマの大仏ヘアで小太りのおばちゃん。
い、いくらなんでも・・・
おばちゃんはスケスケのスリップを着けてはいるが、もう既に裸。
腹と二の腕の贅肉をブルンブルン揺すりながら踊り、スリップを脱いでいく。
度肝を抜かれた。
更に強烈なのはそのステージング。
まず舞台中央にどかりと座り、オマタを広げる。
後ろに手をつき腰を中に浮かせ、オマタを前に突き出す。
まぁ、モロ出し状態ってヤツですな。
オマタのお口に己の指を突っ込み、
「ほら、見てみい」と言わんばかりにバカッと開く。
そして、男である自分には、
どこの筋肉を使って、どう動かしているのか皆目検討がつかないんだけど、
指を外したオマタのお口が本当の口のように開いたり閉じたりして、
その都度、“ぶしゅ〜、ぶしゅ〜”と音を立てる。
そこでおばちゃんが一言。
「キスしたいかぁ?」
引きつりながらも笑う観客。
続いておばちゃんは、タバコを一本手にし、オマタのお口にくわえさせ、
チャッカマンで火を点ける。
すると、シュパ〜、シュパ〜とお口が動き、タバコからモクモクと煙が立ち上った。
オマタのお口がタバコ吸っているよ!!!
そして、腰を浮かせて「フンッ」と気合をいれると、タバコがオマタのお口を離れ、
ポーンと観客の方へ飛んできた。
次々にタバコをくわえさせては、飛ばす。
この一芸に、観客は驚きを歓声を上げた。
女なのにストリップにつきあわされたTも「スゲー」を連呼。
そのTの声を聞き取ったおばちゃんは、
「なんだ、おねーちゃんもいるのか?どうだ、一緒にやるか?ここさ、上がれ」と、
Tをリクルート。
普段はノリのよいTも流石に苦笑しながら“いや、いや、いや”と首を横に振る。
ストリップというよりは、一発芸を持った芸人と言った方が正しいおばちゃん。
最後にお捻りを要求。
一番前にいた我々は問答無用で¥1,000ふんだくられた。
おばちゃんがステージを去った後、
今度は「ランバダ」が流れ、
さっきのおばちゃんよりは若いけど、やっぱり中年の女性が同じくスリップを着ながら登場。
今度の人はかなり痩せていて、
こう言っちゃなんだけど、貧相で、幸が薄そうな感じだ。
おばちゃんというよりはおばさん。
そのおばさんも踊りながらスリップを脱ぎ、
ステージ中央に腰を下ろし、オマタを広げる。
おばさんは生理用品のタンポンを取り出し、オマタのお口に入れると、
タンポンの紐の先を舞台下にいるTに持たせた。
そして、リンゴをタンポンの紐の下に置き、
腰を浮かせガッチリタンポンをオマタのお口で挟み、
「おねえさん、紐引っ張ってね」とTにお願い。
ピ〜ンと張った紐を、巧みな腰使いで上下させ、リンゴを切り出した。
ザクッ、ザクッとリンゴが切れ、食べやすいサイズに。
そのオマタのお口の締める力強さに、場内はどよめいた。
ひとしきり切り終えると、その切ったリンゴを手にし、Tに向かって、
「食べる?」とのたまうおばさん。
Tはそれを手に取り、パクリと食べる。
おばさんも凄いが、Tも凄いよ・・・
続いておばさんは、さっきのおばちゃんと同じ様にタバコを取り出し、
オマタのお口にくわえさせた。
「これで火傷しちゃうこともあるのよねぇ〜。
股の火傷って擦れて痛いのよ」
と愚痴りながらマッチでタバコに火を点ける。
すると、タバコからモクモクと煙が立ち上った。
ここまではおばちゃんと同じなのだが、
おばさんは一捻り加えた芸を持っていた。
中国舞踊のように足を曲げた形で逆立ちし、
煙突のようにオマタからタバコの煙を吐き出した。
「おぉぉ!!すげぇ〜!!」と大いに盛り上がる。
で、やっぱり最後にお捻りを徴収。
また¥1,000支払う羽目になり、入場料を値切った意味がなくなった・・・
おばちゃん、おばさん共に持ち時間が短かったので、
もう一人ぐらい出てくるだろうということで、場内に居座ったが、
流石にまた¥1,000取られたらたまらないので、後方の席に移動した。
次はどんな見世物が・・・と期待と不安を胸に待っていると、
また井上陽水が・・・
おばちゃん再登場!!!
同じ様な動きで、ステージのセンターで腰を浮かせ、
オマタのお口を見せびらかすおばちゃん。
我々が後方に移動したため、前の方は空いている。
おばちゃんは「おーい、後ろのお兄ちゃん、見えるかぁ?」と、
一緒に見ていた観客に聞いてきた。
お兄ちゃん「見えます!」
おばちゃん「そーかぁー、じゃぁ、これ何色だ?」
オマタのお口を指でグイッと広げる。
お兄ちゃん「ピンクです!」
おばちゃん「ピンクじゃないよ、赤だよ。ほら見えてないんだから、前さ来なっ!」
強引にお兄ちゃんご一行を前方に移動させ、満足げに会場を見渡すおばちゃん。
するとおばちゃんはTの姿を発見。
「なんだおねーちゃんまだいたのかぁ〜。そんなに気に入ったんなら、
遠慮しないでここさ上れって。
いいぞぉーここは。セクハラないし、リストラもないぞ。定年もないからぁ」
定年ないのかい!!!!!
ネタは前回と全く同じだったんだけど、おばちゃんのトークが冴え渡り、
退屈はしなかった。
やっぱり芸人だよ。おばちゃん。
最後のお捻りは回避できたが、さっきのお兄ちゃんはしっかりお支払を済ませていた。
またおばさんのステージを見るのもどうかと思い、
おばちゃん終了と共に会場の外へ出たんだが、
我々がおばちゃんから喰らったダメージは予想以上に強烈だったようで、
みんなグッタリ。
宿に戻った一行は、
ストリップ劇場の隣にあった酒屋にて購入したワインで飲み直すことに。
話の内容はもちろんおばちゃんとおばさんだ。
「いやー、強烈だったなぁー」
「絶対に夢に出てきますよぉ!」
「ジュパ〜、ジュパ〜って、音してましたよね」
「Tはあんなこと出来るの?」
「出来るわけないじゃないですか!!」
そんな会話を繰り広げていると、後輩のGが胸のポケットから1本のタバコを取り出した。
「ジャジャーン!!」
「そ、それはもしかして・・・・・」
よせば良いのにGは、
おばちゃんがオマタのお口を使って飛ばしたタバコを持ち帰ってきたのだ。
今は吸っていないけど、当時はタバコを吸っていた伊藤Pを含め、
5人全員が喫煙者。
「ジャンケンで負けた人が、これを吸いましょう!」
なんと酷いゲームだ!
絶対にそんなタバコを口にくわえたくない!!!
しかしゲームに参加しないなどということが、許されるわけもなく強制参加。
「最初はグー!ジャンケンポン!!」
か、勝った!!!!!!!
残ったのはY先輩と後輩のG。
結局、Gが負け、恐れおののき、うずくまり、頭を掻き毟る。
こういうのは大概、言い出しっぺが負けるんだよね。
ということで、後輩Gは目に涙を浮かべながら、震える手で恐る恐るタバコをくわえる。
「はぁーい、火をお付けしますわぁ」と点火。
「お味のほどは?」
「お、美味しいです・・・」
その日はそんな感じで終わり、寝たんだけど、
予想通り、夢の中におばちゃんが登場。
「や、やめてくれぇ・・・」
朝、目覚めた時は二日酔いも手伝って、最悪の寝起きだった。
みんな同じ様におばちゃんが夢に出てきたようで、酷い顔をしていた。
恐るべし、おばちゃん!
旅行2日目は、ノープラン。
とりあえず、伊豆方面に南下することに。
で、二日酔いといえば、いつもコーラなので、
出発前にコンビニに立ち寄り、ダイエットコークのペットボトルを購入。
車の中で飲もうと、キャップを捻ると、
プッシュ!!!
瞬時におばちゃんのオマタのお口が蘇る!!
「やめてください!!!!!」
昨晩、おばちゃんのオマタに挟まったタバコを吸った後輩Gが頭を抱えて叫んだ。
その後も、炭酸が抜けず、キャップを開ける度に、
プシュ〜、プシュ〜と音を出すダイエットコーク。
当然、おばちゃん降臨!
すまん、ダイエットコークを買った俺が悪かった・・・
そうこうしているうちに辿り着いたのが城ヶ崎海岸。
吊橋に断崖絶壁、押し寄せる波と、
なかなかスリリングな観光スポットだった。
続いて、降り立った地は白浜。
美しい真っ白い浜で無邪気に戯れる。
せっかく綺麗な浜と海だし、
みんなで写真を撮ろうということに。
普通に撮ってもつまらないから、何かしら味付けをしようと試行錯誤していると、
「秘宝館、ストリップと破廉恥な旅行ですね。
丁度、男4人女1人ですし、これでいきましょう!」
後輩Gがナイスアイディアを考え出した。
通行人にシャッター切るのをお願いし、一列に並ぶ5人。
「破廉恥戦隊、ハレンジャー!!!!」
全員で卑猥なポーズを撮って写真に納まりました。
オフシーズンで誰もいないまっさらな白浜に、
「破廉恥戦隊ハレンジャー 参上!」と書き残しておきました。
その後、破廉恥戦隊ハレンジャーは、下田の先にある爪木崎へ行き、
伊藤Pがいつも夏にお世話になっている海の家のおばちゃんに挨拶。
季節外れの訪問におばちゃんもビックリ。
「どうしたらぁ〜」
と、方言かましながら、人数分のコーヒーとジュースをくれた。
ありがとうおばちゃん!
爪木崎を後にした破廉恥戦隊ハレンジャーは、伊豆高原駅へ。
お父さんの還暦のお祝い会があるというTと別れを告げる。
さらばピンクハレンジャー。
4人となった破廉恥戦隊ハレンジャーは、悲しみを乗り越え長岡の温泉へ。
野郎4人で、チ○コを見せ合う。
やっぱり破廉恥戦隊ハレンジャーだ。
温泉に漬かりながら話す会話にもおばちゃん登場。
おばちゃんの怨念も洗い流したい・・・
風呂の次は飯だ。
破廉恥戦隊ハレンジャーは、沼津へと向かう。
沼津の漁港にある有名な飲食店街で、掻揚げ丼やら刺し身やらを堪能し、
帰路に着いた。
暫く、この旅行自体思い出す事もなかったけど、
『THE ダイエット』の中年おばちゃんの裸体を見て、記憶が蘇ってきた。
映画の主人公関口さんとストリッパーのおばちゃんの裸体が思いっきり重なったのだ。
もう10年近くも前の旅行なのに、これ程鮮明に覚えているのは、
やっぱりおばちゃんが要因だろう。
凄いなぁ〜
あれから10年。
あの時、恐らく50歳前後だった思うんで、今はもう還暦を迎える頃か?
果たして現役でステージに立っているのだろうか?
そもそもあのストリップ劇場は、まだ営業しているのだろうか?
リストラなくても、定年なくても、
披露する場がなくなったら流石のおばちゃんも働けない。
仮にそうであったとしても、
あのおばちゃんなら逞しくどこかで生き抜いているに違いない。