8/22よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国にて 配給会社:20世紀フォックス映画 (C) 2008 Europacorp - M6 Films - Grive Productions |
本作はリュック・ベッソン印(製作・脚本)なのに全米初登場1位を記録し、
その後も8週間に渡りベストテンに留まり、最終的に1億4500万ドルを稼ぎだした。
(因みに製作費は2500万ドル)
英語が出来ない知人がノンスーパーで見て、面白かったと言っていたし、
方々から好評価を耳にしていた。
となると、例え、駄作かそこそこの出来が多いリュック・ベッソン印作品だとしても、
アクション好きの血が騒ぐ。
で、見たんだが、いや〜、面白かった。
リュック・ベッソン!やれば出来るじゃないか!
と言いたいところだが、相変わらずトレードマークの突っ込みどころは満載。
その穴を埋めるに十分な働きをしたのが、リーアム・ニーソンだ。
はっきり言って、話の内容はメチャクチャだ。
パリに遊びに行き、人身売買組織に拉致されてしまった娘を助けるべく、
単身フランスに渡ったリーアム・ニーソン演じる父親ブライアンは、
異国の地でもうやりたい放題。
一体、直接&間接的に何人の人間を殺めたのか?
娘を拉致した犯罪者たちへの制裁は、“そこまでやるか?”というぐらい容赦ない。
相手がフランスの警察であってもお構いなし。
“えっ、その人撃っちゃっていいんですか!?”って。
しかもブライアンは強過ぎ。
多分、ジェイソン・ボーンより強い。
それでもリアリティがあるのは、リーアム・ニーソンのお陰。
リーアム・ニーソンでなければ絶対にこの映画は成功していなかったと断言出来る。
演技派でおおよそアクションなんてやらなさそうなリーアム・ニーソンが、
格闘技を駆使して肉弾戦を繰り広げ、車を爆走させ、銃を撃つ。
これが新鮮なんだけど、感情面の演技がいつもの様に素晴らしいから、
全てにおいて説得力が生まれる。
ブライアンはかつて政府の機密要職に就いていて、家族を顧みることが出来ず、
家庭を失ってしまった。
愛する一人娘は、義父と母親と共に暮らしており、
遠くから見守ることしか出来ない。
そうなってしまったことへの自責の念と償いの思い。
それがかえって、娘に対して過剰なほどの愛情へとなってしまい、
ブライアンは過保護ってぐらい娘を心配する。
娘の成長を近くで見ていないが故、
いつまで経っても娘を子供扱いしてしまっている節が伺える。
そして、娘を奪われた時に見せる苦悩と怒り。
リーアム・ニーソンはそんな様々な感情を見事に体現し、
作品に深みを与えている。
この功績はかなり大きい。
タイトルにある「96時間」は娘を救い出すまでの限られた時間を示している。
タイムリミットものとしては、時間経過をあまりスリリングに描いていないのが、
ちょっともったいないと思ったけど、
原題は「Taken」(拘束される、生け捕りにされる、麻薬をもられるなどの意)なので、
そもそもそこにあまり重きを置いていないのかも。
「24」とかの人気にあやかって、
タイムリミットものとして日本独自の宣伝展開を繰り広げたのでしょう。
「Taken」よりも分かり易いしね。
まぁ、何にしても展開はスピーディーだし、
一体この窮地をどう打開して行くのか?という面白さが常にあるので全く飽きない。
アクションとドラマのバランスも良いし、演出も悪くない。
上映時間も93分とナイスな感じ。
ちょっとバイオレントな内容だけど、誰もが楽しめる娯楽作品になっている。
PG12ということで、小学生までは親同伴鑑賞だけど、
世の小学生にも是非見てもらいたいな。