8/29より角川シネマ新宿ほか全国にて 配給会社:角川映画 (C)2009 USEN CORPORATION All Rights Reserved. |
沖縄の養豚場で働く青年・栄昇は、ある日、ゴザにあるポールバーで、
新人ダンサーのオレンジに一目惚れしてしまう。
しかし、そこに傍若無人でマッチョな黒人米兵マックスが現れひと悶着。
栄昇とマックスは、オレンジを賭けて戦うことに・・・
『南の島のフリムン』は、大ヒットを記録した『ドロップ』の品川ヒロシに続き、
吉本興業のお笑い芸人を監督に迎えて製作された作品。
今回の監督はガレッジセールのゴリ。
『ドロップ』と違う点は、原作がなくオリジナルであることと、
品川ヒロシが監督に専念したのに対して、ゴリは主演を兼ねていること。
そして、ゴリの出身地沖縄を舞台にしているからか、
ウチナーの俳優さんを多く起用しており、
成宮寛貴、水嶋ヒロといった看板俳優は出演していない。
原作もない、有名なイケメンも出ていない。
となると、今の日本の映画界では、『ドロップ』に比べると興行的に不利。
そんな状況だけど、是非、頑張って欲しいな。
『ドロップ』も良く出来ていたいけど、
『南の島のフリムン』だって負けていない。
ゴリは日大芸術学部の映画科出身で、過去に短編を手掛けたこともある。
その短編を見たプロデューサーが、ゴリの才能を見込んで本作の企画を立てたという。
そして、プロデューサーの先見の目は間違っていなかった。
脚本もゴリが書き、演出もやり、自ら主演も兼ねていながら、
決して自己満足映画になっておらず、
沖縄の方言で“愛すべきアホ”という意味のフリムンが繰り広げる恋と戦の物語は、
万人が楽しめるはず。
そのストーリーはなんてことのない在り来たりのものなんだけど、
随所に笑いが散りばめてあり、まったりしたり、飽きるようなことはない。
栄昇(ゴリ)、栄昇の友人ヒトシ(諸見里大介)、
栄昇の隣に住む親代わりのマサル(照屋政雄)、
この3人のフリムンのやり取りがなかなか面白い。
特に諸見里大介は強烈で、下ネタのところでは、
何度か声を出して笑ってしまった。
マサルの娘で栄昇と幼馴染みのりみを演じたのはAKINA。
気が強くて粗暴だけど、どこかいじらしさを感じさせる役柄を好演。
そして、ウチナー映画といえばこの人の平良とみは、
いつも強烈なインパクトを残しているけど、
今回、楽しそうに“悪ノリ”しているのが可愛らしい。
栄昇が恋するオレンジを演じた外人女性は、どっかで見たことがあると思ったら、
TBSの深夜番組「アイチテル!」に出演していたレイラだった。
敵役のマックスを演じたボビー・オロゴンも、
ふてぶてしい態度がはまっていた。
これらのキャラクターたちの個性が良いアクセントになっていて、
本作の見所になっている。
あと、カンフー時代のジャッキー・チェン映画のオマージュもあり、
ゴリ監督とほぼ世代が一緒な伊藤Pとしては嬉しい限り。
(ゴリ37歳、伊藤P35歳)
ということで、まず映画として普通に面白いし、
まるで害がない正統派の映画といえる。
そして、もうひとつ応援すべき点は、
【伊藤Pの部屋】を置かせてもらっているT-SHIRT-YA.COMで、
本作のコラボティーシャツを作ったこと。
ティーシャツを作る際に、伊藤Pが何したわけではないが、
やっぱりT-SHIRT-YA.COMで映画コラボがあるのは嬉しい。
これは何かの縁に違いない。
と勝手に思う今日この頃。
そして、沖縄映画を見る度に、
やっぱり沖縄に行きたくなる・・・
いきてぇー!
いけなぇー!
『南の島のフリムン』には、グルクンのから揚げ、ラフティ、チャンプルといった、
沖縄料理が出てくる。
しかも、庭先にあるテーブルで食卓を囲む。
くいてぇー!!
って、実は沖縄を渇望させる、
ストレスが溜まる映画だったりして・・・
■『南の島のフリムン』
※ゴリ監督 インタビュー テキスト
※ゴリ<ガレッジセール>監督 取材記
コメント (1)
伊藤さん、いつも楽しく読ませてもらっています ありがとう
投稿者: tom@ | 2009年08月28日 13:14