2009年08月26日更新

#405 『南の島のフリムン』


南の島のフリムン

『南の島のフリムン』

8/29より角川シネマ新宿ほか全国にて
配給会社:角川映画
(C)2009 USEN CORPORATION All Rights Reserved.




沖縄の養豚場で働く青年・栄昇は、ある日、ゴザにあるポールバーで、
新人ダンサーのオレンジに一目惚れしてしまう。


しかし、そこに傍若無人でマッチョな黒人米兵マックスが現れひと悶着。
栄昇とマックスは、オレンジを賭けて戦うことに・・・


『南の島のフリムン』は、大ヒットを記録した『ドロップ』の品川ヒロシに続き、
吉本興業のお笑い芸人を監督に迎えて製作された作品。


今回の監督はガレッジセールのゴリ。


『ドロップ』と違う点は、原作がなくオリジナルであることと、
品川ヒロシが監督に専念したのに対して、ゴリは主演を兼ねていること。


そして、ゴリの出身地沖縄を舞台にしているからか、
ウチナーの俳優さんを多く起用しており、
成宮寛貴、水嶋ヒロといった看板俳優は出演していない。


原作もない、有名なイケメンも出ていない。
となると、今の日本の映画界では、『ドロップ』に比べると興行的に不利。


そんな状況だけど、是非、頑張って欲しいな。


『ドロップ』も良く出来ていたいけど、
『南の島のフリムン』だって負けていない。


ゴリは日大芸術学部の映画科出身で、過去に短編を手掛けたこともある。
その短編を見たプロデューサーが、ゴリの才能を見込んで本作の企画を立てたという。


そして、プロデューサーの先見の目は間違っていなかった。


脚本もゴリが書き、演出もやり、自ら主演も兼ねていながら、
決して自己満足映画になっておらず、
沖縄の方言で“愛すべきアホ”という意味のフリムンが繰り広げる恋と戦の物語は、
万人が楽しめるはず。


そのストーリーはなんてことのない在り来たりのものなんだけど、
随所に笑いが散りばめてあり、まったりしたり、飽きるようなことはない。


南の島のフリムン


栄昇(ゴリ)、栄昇の友人ヒトシ(諸見里大介)、
栄昇の隣に住む親代わりのマサル(照屋政雄)、
この3人のフリムンのやり取りがなかなか面白い。


特に諸見里大介は強烈で、下ネタのところでは、
何度か声を出して笑ってしまった。


マサルの娘で栄昇と幼馴染みのりみを演じたのはAKINA。
気が強くて粗暴だけど、どこかいじらしさを感じさせる役柄を好演。


南の島のフリムン


そして、ウチナー映画といえばこの人の平良とみは、
いつも強烈なインパクトを残しているけど、
今回、楽しそうに“悪ノリ”しているのが可愛らしい。


栄昇が恋するオレンジを演じた外人女性は、どっかで見たことがあると思ったら、
TBSの深夜番組「アイチテル!」に出演していたレイラだった。


敵役のマックスを演じたボビー・オロゴンも、
ふてぶてしい態度がはまっていた。


これらのキャラクターたちの個性が良いアクセントになっていて、
本作の見所になっている。


あと、カンフー時代のジャッキー・チェン映画のオマージュもあり、
ゴリ監督とほぼ世代が一緒な伊藤Pとしては嬉しい限り。
(ゴリ37歳、伊藤P35歳)


ということで、まず映画として普通に面白いし、
まるで害がない正統派の映画といえる。


そして、もうひとつ応援すべき点は、
【伊藤Pの部屋】を置かせてもらっているT-SHIRT-YA.COMで、
本作のコラボティーシャツを作ったこと


フリムンTシャツ


ティーシャツを作る際に、伊藤Pが何したわけではないが、
やっぱりT-SHIRT-YA.COMで映画コラボがあるのは嬉しい。


これは何かの縁に違いない。
と勝手に思う今日この頃。


そして、沖縄映画を見る度に、
やっぱり沖縄に行きたくなる・・・


いきてぇー!
いけなぇー!


『南の島のフリムン』には、グルクンのから揚げ、ラフティ、チャンプルといった、
沖縄料理が出てくる。
しかも、庭先にあるテーブルで食卓を囲む。


南の島のフリムン


くいてぇー!!


って、実は沖縄を渇望させる、
ストレスが溜まる映画だったりして・・・


■『南の島のフリムン』
※ゴリ監督 インタビュー テキスト
※ゴリ<ガレッジセール>監督 取材記

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コメント (1)

tom@:

伊藤さん、いつも楽しく読ませてもらっています  ありがとう

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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