『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』 9/11よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて 配給会社:20世紀フォックス映画 ▽X-Men Character Likenesses TM & (c) 2009 Marvel Characters, Inc. All rights reserved. TM and (c) 2009 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. |
「X-MEN」シリーズの人気キャラクター、ウルヴァリンの出生の秘密を描いたスピンオフムービー。
アメリカ公開時、あまり芳しい評判を聞かなかったけど、かなり面白かったぞ。
まず、ウルヴァリンが如何にして誕生したのかがとても興味深かったし、
記憶を失った理由も判明する。
そして、ストライカー将軍との因縁など、
既存のシリーズに繋がるエピソードなど見所満載。
これらはシリーズのファン向けの要素だけど、なんも知らないで見ても十分に楽しめると思う。
先まで味方だったのに、急に戦いだしたり、かと思えば助太刀したりと、
敵と味方が二転三転して入れ変わるのが面白いし、
ウルヴァリンと恋人ケイラのエピソードは結構泣ける。
そして、随所に散りばめられたアクションシーンも良い。
明らかにバリバリCGなんだけど、流石にハイクオリティ。
そもそもミュータン同士の荒唐無稽な戦いなので、
CG的なヴィジュアルでもそこはあまり気にならないし、
キャラクターの特性を活かした戦いを見せてくれるので、戦いそのものが楽しい。
ウルヴァリンを演じるのは勿論、ヒュー・ジャックマン。
行く先々で悲劇に見舞われる悲しき男の運命を悲壮感溢れる演技で表現している一方、
野生味溢れる風貌とマッチョな肉体が男っぺーぞ。
女は勿論、男も惚れる。
ウルヴァリンの兄貴ビクター(セイバートゥース)を演じたのは、リーヴ・シュレイバー。
あまりこの手の作品に出るタイプの俳優じゃなかったけど、流石の貫禄。
ムカつくほどふてぶてしいし、何をしでかすか分からない威圧感と不気味さが漂っている。
その他、本作で映画初登場を果たすキャラクターたちもユニーク。
刀を使う戦士ウェイド・ウィルソン(デッドプール)が特に良い。
口がない理由も爆笑だった。
そして、監督も大注目だ。
「X-MEN」シリーズは、ブライアン・シンガー(1、2作)、
ブレット・ラトナー(3作)といった既に知られた監督たちが撮ってきたので、
キャヴィン・フッドの名前を耳にした時は、最初、“誰?”って思った。
調べたら『ツォツィ』(06)の監督。
確かにアカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品の監督だけど、驚きの人事だ。
まさか、南アフリカで『ツォツィ』を撮っていた時、
後々、自分がこんなビックバジェットの作品を手掛けるなんて思ってもいないんだろうな。
アメリカン・ドリームはまだ存在していたようだ。
『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』も本作も意味深な終わり方をする。
両方とも気になるんで、それぞれ続編なり、スピンオフなりをまた作って欲しい。
そんな期待を抱かせる作品でした。