10/17より新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて 配給会社:アスミック・エース エンタテインメント (C)ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009 |
富士急ハイランドにあるアトラクション「戦慄迷宮」が映画になる!
監督は『呪怨』の清水崇!
しかも3D!
み、見たい!!
徒歩距離約700メートル、所要時間約50分、延床面積約3000平米。
全てにおいて世界最大級のお化け屋敷で、ギネスにも認定されている「戦慄迷宮」。
廃病院というコンセプトで、その建物や小道具の徹底した造形は勿論のこと、
お化け(ゾンビ?)に扮した生身の人間(キャスト)が驚かすため、
そのあまりの恐ろしさに途中退場者が後を絶たないという。
元々怖いもの好きなので、血が大いに騒ぎ、
1999年のオープン当初から是非トライしてみたいと思っていた。
しかしながら、流石は人気アトラクションなだけあって、
富士急ハイランドに行っても毎回整理券をゲット出来ず、未体験の状態が続いていた。
そして、今から約2年前、遂に念願が叶い、チャレンジすることが出来た。
入って直ぐの待合室みたいなところに座っていると、
“キャー!!!”という叫び声が聞こえてくる。
更には泣きながら途中退場する人たちの姿が・・・
“本当にやばそうだ・・・”という不安を抱くと共に、
“楽しみだ!”という真逆な期待も抱いてしまった。
そして、「戦慄迷宮」は、そんな両極端の期待を裏切ることのない、
スリリングで楽しいお化け屋敷だった。
多くのお化け屋敷を経験してきたが、これは別格。
他のお化け屋敷は制覇出来て当たり前という感覚なんだけど、
「戦慄迷宮」はクリア出来たという達成感と安堵があった。
そんな「戦慄迷宮」が、
清水崇監督の手によってどのように料理されているのか!?
飛び出す3D映像で怖がらせ、驚かせてくれるのか!?
アトラクション同様、映画への期待も高まるばかり!
10年前、ある遊園地の“巨大な廃病院”で行方不明になった一人の少女が、
突然、姿を現し、事件当時一緒にいった4人の男女を再び“廃病院”へと引きずり戻す。
そこで、4人は10年前に起きた事件の真相を知る・・・。
というオリジナル・ストーリーなのだが・・・
まるで怖くないじゃないか!!!
直接的な恐怖描写もないし、
心理的に追い込まれるような恐ろしさもない。
おいおい、どうしちまったんだぁ!
でもね、鑑賞後に資料を見て納得した。
資料のどこにも本作がホラー映画であると明記されていない。
『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』は【3D立体ソリッド・アトラクション・スリラー】であり、
ホラー映画ではないのである。
プロデューサーによるプロダクション・ノートには、
「お化け屋敷が舞台だか、幽霊も亡霊も殺人鬼も出てこない。
首も飛ばないし、顎も外れない、血も一切出さない映画にしたかった」
という明確な作品コンセプトが書かれていた。
恐怖のお化け屋敷を題材にして、
Jホラーを牽引してきた清水崇監督が撮ったというだけで、
勝手にホラー映画だと思ってしまったのがまず失敗だった。
入り口間違えちゃったよ・・・
鑑賞後、
「そういえば、清水崇監督はホラーから脱却したがっていたなぁー」
ってことを思い出した。
以前、何度か清水監督にインタビューさせてもらったんだけど、
その都度、清水崇監督は、
「『呪怨』ばかりで、早く『呪怨』の呪縛から開放されたい」とボヤいていた。
『呪怨』ではないにしろ、
恐らく、ホラー映画監督として、同じような企画ばかり持ち込まれていたに違いない。
清水崇監督としても、次のフィールドに進みたかったのでしょう。
ということで、時間軸をバラバラにして、物語を構成するという演出はあるものの、
かつての清水崇監督作品の恐怖テイストは『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』にはありません。
よって、ホラー映画として見るのは止めた方が良いでしょう。
伊藤Pみたいにがっかりするだけです。
逆に、ホラーが苦手という人でも、気軽に見ることが出来るということだ。
でも、ホラー云々抜きにしても、ちょっと物語が頂けないかなぁ・・・。
スリラー要素も弱いし、ミステリーとしても吸引力に欠ける。
ターゲットは若年層だと思うので、
あまり凝った話しにするよりは、このぐらいが丁度良いと判断したのかも知れない。
あと、本作のウリの一つである3Dだけど、
3Dってこういうものなの?
3D映画は『ナットのスペースアドベンチャー 3D』しか見たことがない。
この作品では3D映画に対するイメージ通り、立体映像を意識して見ることが出来た。
対して『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』は、物が浮かび上がるというよりは、
映像に奥行きがあるという風に感じた。
人形とかが、立体的になって目の前に迫ってくるシーンもあるっちゃあるが、
あまり頻度は多くない。
ショック・スリラーなんだから、
もっとバンバン目の前に飛び出してくるようなシーンを増やした方が、
良い様な気がするし、
本作が3D映画である意味も増すように思うのだが・・・
そういった“脅かし”的の部分も期待していた分、すかされた気分になったかな。
3D映像をそういう風にした意図は不明だけど、
何かしら狙いがあるのかな?
9月に開催された第66回ヴェネチア国際映画祭で、
本作のフッテージ(本編の一部)が上映され、
大いに話題になったというから、3D映画として斬新だったのかね?
『戦慄迷宮3D THE SHOCK LABYRINTH』は、
日本どころかアジア圏で初となる長編デジタル3D映画だから、
個人的には、トライアル的な部分があったと思っている。
なので、挨拶代わりのジャブってところで由としますかね。
この手のアトラクション・ムービーは、引きがあると思うし、
個人的にはウェルカムなので、3D映画にマッチした企画内容+きちんとした脚本で、
引き続き作り続けて欲しい次第であります。
コメント (1)
ホラーじゃないんですね…
ファイナル・デッドサーキットを見ようかな
投稿者: Q | 2009年10月17日 08:07