10/17よりシネマート新宿(レイト)にて 配給会社:クロックワークス (C)2008 HDNet Films,LLC. |
1977年、ニューヨークにラリー・レビンソンンという男が、
ナイトクラブ「プラトンの隠れ家」をオープンさせた。
入場料はたったの35ドル。
普通のカップルが集い、ダンスフロアで踊り、プールで泳ぎ、
そして、見知らぬ相手とフリーセックスを楽しむ。
この革命的なセックスクラブの実態と、
オーナーであるラリー・レビンソンの半生に迫ったドキュメンタリー映画。
当時、客として出入りしていた人々、従業員、ラリーの家族への証言、
そして、未公開だったクラブ内の映像で構成されている。
このナイトクラブの存在は、この作品で知ったわけだが、
劇中登場するクラブ内の映像や写真を見る限り、まぁ、正気の沙汰ではないね。
大勢の男女が、クラブ内のあらゆる場所で、
様々な性的行為を行っている。
まさに酒池肉林の乱キチパーティ。
映画なのでそこまでハードなシーンは無いけど、
未編集のオリジナル素材はもっとエグイ行為が記録されているに違いない。
インタビューに登場する元常連の多くは、
既にジジィ、ババァと化しているのだが、
「楽しかった」
「夢のようだった」
と当時を懐かしむ。
客観的に見たら異常としか思えないんだけど、
まぁ、楽しかったから何度も通ったんだよね。
ある意味中毒みたいなもんだね。
インタビューでは、
毛ジラミが発生したり、プールの水は汚かったり、
マットは体液だらけだったりと、
かなり不衛生だったというマイナス要素も語られる。
それでも通ったんだから、やっぱり中毒だな・・・。
で、そんな“裸の楽園”のオーナー、ラリー・レビンソンの人柄だけど、
それが倫理的に間違っていたとしても、
オーナーとして信念を持って「プラトンの隠れ家」を経営している点は、凄いと思うが・・・
微妙だよねぇ・・・
セックス大好き人間で、
単にセックスしたいだけなんじゃないの?って。
終いにゃ、脱税ですからねぇ・・・
そして、その末路たるや・・・
あまり共感できませんでした。
映画としても、前半部分の元常連の証言がくどくて、
ちょっと間延びしてしまうし、ラリー・レビンソンへの追究も甘い。
正直、ドキュメンタリー映画としては温い。
しかしながら、こういうナイトクラブが実在して、
世間を騒がせていたという事実を知ることが出来たのは良かった。
一つの時代の象徴だと思う。
エイズの出現によってセックスが安全ではなくなったのも、
フリーセックスの衰退の要因。
今じゃ、考えられないね。
そして、何よりも一番印象に残ったのが、
かつての常連さんたち。
どこにでもいそうなおじいちゃんやおばあちゃん、
おじさん、おばさんばかり。
とても30年前に、ナイトクラブにしけ込み、
フリーセックスを享受していたとは思えない。
もしも常連だったと知らずに、
「若い頃は、セックスクラブに入り浸って、やりたい放題やったんだよ」
と言われたら、絶対に信じないと思う。
どんな人にも意外な過去があるし、
人は見かけによらないってことを痛感いたしました。