10/24よりシネマサンシャイン池袋ほか全国にて 配給会社:ブロードメディア・スタジオ (c)2009 CASTELAO PRODUCTIONS, S.A. |
配給の方から「『REC/レック2』を見て下さい!」と言われた。
「一作目の『REC/レック』を見ていない」と返答したところ、
有難いことに『REC/レック』のDVDを貸してくれた。
役得、役得。
最近だと『クローバーフィールド/HAKAISHA』で注目されたポイント・オブ・ビュー(主観撮影)で、
全編撮影されたスペイン産ホラー映画。
テレビ番組の取材で消防署に訪れていた女性レポーターとカメラマン。
緊張出動に同行して辿りついたアパートで地獄のような体験に遭ってしまう。
「怖い!」、「面白い!」、「良く出来ている!」
そんな評判を耳にしていたので、期待して見たんだけど、全然怖くなかった。
つまらなくはないけど、別にそれほど面白いとも思わなかった。
本作が作られたのは、2007年。
まだ主観撮影が目新しかったのかもしれないが、
『クローバーフィールド/HAKAISHA』、『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』 、
『リダクテッド 真実の価値』と主観撮影の作品を既に見た後だったからか、
もう新鮮には感じられなかった。
撮影方法を抜きにしても、まるで怖くないのは、
ホラー映画としていかがなものかと。
「怖い!」と言っていた人たちはどこが怖いと感じたのかな?
リアリティを追求するあまり、
感情移入出来るキャラクターを配置しなかったのは致命的だと思う。
特に主人公となる女性レポーターは、
やかましいだけで、「早く死ね!」って感じ。
『エスター』の時に、ホラー映画にはイライラ要素が重要って書いたけど、
『エスター』とはまるで次元の違うイライラが全編を覆い尽くしている。
イライラの先にあるべき安堵と開放感もないからストレスが溜まるばかり。
で、『REC/レック2』。
やっぱり続編なだけあって、進化していたよ。
ダメさ加減がね。
出てくる人間は、バカばかり。
「任務がある!」といって他人の迷惑を考えず独断で勝手に突き進むオッサン。
ついてけないよ・・・。
そして、かなりレベルの低いSWAT隊員たち。
撃つべき時に撃たず、撃ったら撃ったで当たらない。
史上最強に使えないSWATだ。
ネタバレになるから書かないけど、
一作目ではきちんと語られなかったこの事件の原因が明らかになる。
でもその瞬間、完全に萎えた。
とにもかくにも、
一人でも良いから感情移入出来るキャラクターがいなきゃ駄目だよ。
死んでも憐れみの感情すら湧かないもん。
これじゃ、サバイバル・ホラーとして成立しない。
だたの殺戮物語だよ。
しっかりとした整合性の取れたストーリーはあるんだけど、ドラマがない。
出演者たちが全員驚異的な迫真の演技をしているだけに、
ドラマの不在が残念だった。