人の死は、時として思わぬ経済効果をもたらす。
6月25日に急逝したマイケル・ジャクソンさん。
ロンドンで実施予定だったコンサート「THIS IS IT」の何百時間にも及ぶリハーサルと、
舞台裏の映像を編集して製作された映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』が、
10月28日(水)より2週間と3日限定で、世界同時公開される。
10/28より新宿ピカデリーほか全国にて 配給会社:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
9月28日より前売り券が発売され、世界各国で記録的な売れ行きをみせた。
日本もご多聞に漏れずで、
ローソンチケットでは、前売鑑賞券初日発売枚数の歴代1位となる56,746枚を記録(9/28現在)。
劇場では、東京の新宿ピカデリーを筆頭に、
先着300人限定でUS版ポスター付の前売鑑賞券を発売し、
新宿ピカデリーには500人以上のファンが早朝から駆けつけ、長蛇の列を作った。
全国296館の劇場で合計30,176枚の売上げを記録し(9/28現在)、
ローソンチケットと劇場窓口を合わせると、
発売日初日だけで約87,000枚という記録的な数字を叩き出している。
その後も勢い衰えずで、発売開始から1週間で、
ローソンチケットが80,195枚、
全国の劇場窓口が45,886枚、
合計126,081枚!!!
これは10月4日までのデータなので、現在ではもっと売れているでしょう。
たったの2週間限定上映、果たして劇場にお客さんは入りきるのだろうか!?
前売り券を買ったは良いが、劇場に行ったら入れなかった。
そんな状況になるような気がする・・・
秋の興行がかなり冷え込んでいる状況下、
マイケル・ジャクソンさんのこの映画が起爆剤になることは間違いない。
6月13日にリングの上で散ったプロレスラー三沢光晴選手。
個人的にもかなりの衝撃を受けた三沢さんの死。
三沢さんが逝ったから発売されたのか、
三沢さんが生きていても発売されたのかは知らないが、
三沢さんの激闘を記録したDVDBOX『三沢光晴 DVD-BOX〜緑の方舟〜』が、
9月16日にリリースされた。
発売4日間で4,745枚売れ、
9月28日付の“オリコン週間DVDランキング”で15位にランクインした。
格闘技系のDVDとしては、
「最高位記録」、「初動売上記録」、「累積売上記録」の“三冠”達成だったそうな。
死んでも三沢は三冠チャンピオンになった。
これまで格闘技系DVDの週間ランキングの最高順位は、
伊藤Pも観戦した『コロシアム2000 船木誠勝VSヒクソン・グレイシー』(2000年7月発売)が獲得した40位。
三沢さんのDVDは、25ランクも順位を上げたうえ、
9年2ヵ月ぶりに格闘技系DVDの歴代最高位記録を塗り変えたことになる。
プロレスDVDとしても、
『WWE DVD SPECIAL BOX COLLECTOR'S SET』(2002年10月発売)の最高位(46位)を大幅に更新した。
売上枚数記録においても、わずか発売1週目の売上で、
『WWE レッスルマニア20』(2004年6月発売)の累積売上枚数4,705枚を5年3か月ぶり抜いた。
初動記録でも『WWE レッスルマニア21』の過去最高記録2,673枚を、
4年2か月ぶりに更新。
初動売上(発売1週目の売上枚数)記録と累積売上記録を一度に更新している。
三冠どころじゃないね。
GHCとIWGPも奪取!って感じ?
しかも、このDVDは6枚組みのBOXで、
価格は19,740円(税込)。
東京と大阪で行われた追悼大会も超満員の大盛況だったようだし、
やっぱり凄いや、三沢さんは。
9月20日に崖からの転落死が確認された漫画家の臼井儀人さん。
(検視の結果、死亡したのは崖から転落した9月11日)
臼井さん原作といえばの「クレヨンしんちゃん」だけど、
有り得ない訃報後、映画『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』のDVDが、
10月5日付けの“オリコンDVDランキング”で、前週の104位からいきなり48位に急浮上した。
この作品は2003年11月のDVD発売時に、73位を記録し、
その後3週連続でTOP300内にランクインしたが、それ以降は圏外に。
その後、
実写リメイクとは言いたくない出来のポンコツ映画
『BALLAD 名もなき恋のうた』の製作が発表されると、
再びランクインし、公開まで100位前後で推移した。
そして、臼井さんの訃報後、なんと50位以上もランクアップし、
売上枚数は前週の764枚から1,809枚と急激に跳ね上がった。
更に、『戦国大合戦』と並び、名作と称される『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』も、
約7年ぶりにTOP300内にランクインした。
社会的に知名度があって、多くの人たちに影響を与えた人物がこの世を去ったとき、
現役ファンはもちろんだが、かつてファンだった人たちを呼び戻し、
今まで興味がなかった人たちまでもが新たなファンとなる。
そして、関連商品が売れる。
人柄やその功績が注目され、大きな経済効果をもたらすわけですが、
しかしながら、当の本人は既にこの世にいないという事実。
やりきれないですなぁ・・・
今回の死をキッカケに、新たなファンとなった人たちは、
マイケル・ジャクソンさんの新曲が聴きたい!ライブが見たい!
三沢選手の試合が見たい!
「クレヨンしんちゃん」の新刊を読みたい!
と思っても、叶わないわけだから・・・
先週の金曜日に久しぶりに、
テレビ朝日で放送されているアニメ「クレヨンしんちゃん」録画して見た。
番組の冒頭、臼井儀人さんの死を偲ぶと共に、
「クレヨンしんちゃん」のテレビ放送が続行されることが伝えられた。
ひとまず安堵した。
「クレヨンしんちゃん」を引き続き見られると思うと本当に嬉しかった。
でも反面、
今まであって当たり前だった「クレヨンしんちゃん」に対して、
改めて有り難味を感じたきっかけが、
臼井儀人さんの死であるということがなんとも悲しかった。
嬉しさと悲しみが入り混じった複雑な気持ちで見たんだけど、
やっぱり「クレヨンしんちゃん」は面白いと思った。
そして、劇場版に関しても続行されるというニュースを耳にした。
素直に喜びたいと思う。