2009年11月07日更新

#427 『ファイナル・デス・ゲーム』


ファイナル・デス・ゲーム

『ファイナル・デス・ゲーム』

11/7より銀座シネパトスほか全国にて順次公開
配給会社:ブロードメディア・スタジオ




“マンバ”という怪しいゲームを手に入れプレイした若者たちが、
次々と不可解な死を遂げるファンタジー・ホラー。


『ジュマンジ』と「ファイナル・デスティネーション」シリーズを足した様な作品だが、
残念ながら両作の良いところをまるでパクれていない。


まずゲームがつまらないというか、
ゲームのルール自体がようわからん。


勝てば願い事が1つだけ叶い、
負ければ死ぬということは分かるけど、
どうすりゃ勝ちなんだよって。


最後までゲームやらないし。


で、ゲームの敗者がカードの示す内容通りに死んでいくんだけど、
ゲームに負けた順に死んでいくので、
次に誰が死ぬのか判るし、その死に様も今一歩衝撃的じゃない。


死の兆候が見えてからも結構引っ張るから、
“さっさと殺せ。つぎ行こ、つぎ”ってなる。


「ファイナル・デスティネーション」シリーズは、
“いきなりここで!”という突然死の災いが登場人物たちに降りかかったり、
おおよそ死とかけ離れたアイテムが死をもたらしたりする。


そこがシリーズの醍醐なんだけど、
『ファイナル・デス・ゲーム』にはこの要素が皆無なんだよね。


安い役者としょぼい特撮(蟹さんによる目玉ブチブチのゴアシーンは良い)。
グダグダな脚本。
緊迫感のかけらもないショッパイ演出。


驚きのカケラもない。


この手の未公開作品でよく見かける、
しょうもない完成度で、
この作品が日本で劇場公開されることが一番の驚きだ。


B、C級の作品だと判ったうえで楽しめる人なら良いけど、
そうじゃない人にはあまりお薦め出来ない一品。


「安うぅぅぅぅ」とか、「ちゃっちぃぃぃ」とか、「意味わかんね」とか、
いちいち文句良いながら見るのが、この手の作品の正しい鑑賞方法だと思うので、
そのつもりで見れば、そこそこ期待には応えてはくれるでしょう。


作品の出来としては【裏部屋】行きクラスなんだけど、
個人的には、突っ込み入れながら見られちゃう方なんで、
ギリギリセーフ。


あと、エリカという作品のキーになる女性を演じたエリザ・ドゥシュクが綺麗だったのも、
【裏部屋】行きを免れた理由の一つかな。


でも、どうせB、C級に徹するのなら、
ガツンとラブシーンで一肌脱いで欲しいっす。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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