11/28より新宿ピカデリーほか全国にて 配給会社:アスミック・エース、角川映画 (C)2009 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED. |
昨年の秋に全米で公開され大ヒットを記録した『トワイライト〜初恋〜』の続編。
1作目は、17歳の少女ベラとセレブ・ヴァンパイア、エドワードの禁断の恋、
そして、ヴァンパイア同士の戦いが描かれていた。
見る前はさほど興味を引かれなかったけど、見たら意外と面白かったので、
結構、この続編を楽しみにしていたんだけど、前回【取材記】で書いた通り、
本作の特番制作に携わったため、当時まだ未完成だった本編を見る前にフッテージを鑑賞することになった。
フッテージとは、映画の完成と公開日が近くて、
マスコミ関係者に本編を見てもらえない場合などに上映されるダイジェスト版のこと。
特に期待値の高い大作で上映されることが多く、
最近だと『2012』、『アバター』といった作品でフッテージ上映が行われた。
これに合わせて作品の関係者が来日して、プレゼンしたり、
フッテージを見たマスコミとディスカッションを交わすこともある。
で、このフッテージ上映なんだけど、
個人的には、なるべく避けたい代物なんだよね。
以前、『キング・コング』のフッテージ上映を見たことがあった。
ピーター・ジャクソン監督が産み出したミラクルな映像を目の当たりにして、
メチャクチャ興奮した。
「こりゃ、本編が楽しみだ!」って、期待も膨らんだ。
しかし、いざ本編を見てみたら・・・。
フッテージにはかなりの見せ場が入っていたようで、
更なる衝撃を受けることはなかった。
鑑賞中も、鑑賞後も、
「フッテージを見ていない状態で『キング・コング』を見たら、
もっと楽しめただろうなぁ〜」という気持ちを拭い去ることが出来なかった。
以来、フッテージは見ないようにしていたんだけど、
今回ばかりは致し方なしということで、
『ニュームーン/トワイライト・サーガ』のフッテージを見た。
これが結構面白かったんだけど、
後日、本編を見て、面白くて当たり前だと思った。
20分のフッテージだけで物語の90%ぐらいが語られており、
見せ場もほぼ押さえられていたからだ。
つまりフッテージ以上のものが、本編にはなかったってことだ。
あ〜、やっぱりフッテージはアカン・・・。
フッテージを面白く見られたということは、
見ないで本編を見たら確実に楽しめたってことだ。
2時間11分もある作品の20分間だけで、
ストーリーと見せ場のほとんどが分かっちゃう。
そんなフッテージってどうなん?
しかしながら、世の中的にはフッテージを見ている人は、
マスコミ関係者あんまりいないと思うので、
同じ様な状況で本編を見る人は殆どいないよね。
だとしたら、普通に楽しめる作品になっていると思う。
前作で結ばれたベラとエドワードの哀しい別れの物語に、
狼族、そして、最強のヴァンパイアが絡む。
クリステン・スチュワートとロバート・パティンソンがそれぞれ演じたベラとエドワードは、
この続編で互いに新たな窮地に立たされる。
更にベラの幼馴染みで、1作目では出番が少なかったジェイコブが、
今回は大暴れする。
ジェイコブ役のテイラー・ロートナーは、役柄に合わせてムキムキマッチョに大変身。
前作では野暮ったい感じだったけど、ガラリとイメージチェンジを果たしている。
このジェイコブが、エドワードとの別離で失意のどん底にいるベラを慰める。
ベラもジェイコブを拠り所にするが、やっぱりエドワードを忘れられない。
そんな時、ジェイコブにも異変が起きて・・・。
と、この3人の三角関係が中々面白いんだけど、
男としてベラに一言いいたい。
ジェイコブを振り回すんじゃない!!!
あそこまで親しくなったら男は友達以上だと思うぞ!!!
気を持たせるような態度を取るな!!
凄い仲良くなって、相談にも乗って、色んなところに一緒に遊びに行って、
こりゃ間違いなく告白しても大丈夫!!って思って、告ってみたら、
「えっ、でも私は友達だと思っていたから・・・」
って言われる男の悲しみが君に判るか!!!!
と、思わず実体験を露呈してしまいましたが、
10代の揺れ動く少女の気持ちなんてこんなもんなのかね?
てな感じで(どんな感じだ・・・)、本作はかなりベラの心情に焦点を当てる一方で、
大規模なイタリアロケを敢行して、前作以上のスケール感を出している。
また、新たにダコタ・ファニング、マイケル・シーンという演技派も参加していて、
2人とも貫禄の演技を披露している。
特にマイケル・シーンは上手いね。
VFXシーンも数はそれ程多くないけど、
その分、印象的になっている。
『ライラの冒険/黄金の羅針盤』で熊同士を戦わせたクリス・ワイツ監督は、
今回、狼VS狼をマッチメイク。
余程アニマル・バトルが好きらしい。
あと1作目で笑いを誘ったヴァンパイアの動きもかなり改善されており、
あまり気になることなく見ることが出来た。
ということで、見所満載の本作ですが、
全4巻のベストセラー小説の映画化であり、
その第二部にあたるので、前作同様、バチッ!とは終わりません。
当然、次が気になるわけですが、
この『ニュームーン/トワイライト・サーガ』は、11月20日に全米公開され、
メガヒットを記録している。
初日の興行収入は7270万ドル(約64億7000万円)を記録し、
『ダークナイト』の6716万ドルを上回り、歴代1位となった。
全米だけでなく、イギリス、オーストラリア等、
世界各国でも大ヒットを記録している。
シリーズ第3作目となる『The Twilight Saga: Eclipse』は、既にポスプロに入っており、
2010年6月10日の公開が決定しているんだけど、
この勢いだったら第4弾の『The Twilight Saga: Breaking Dawn』も作られるでしょう。
当初三部作を想定したいたものの興行的な失敗のため、
尻切れトンボ状態のまま終焉を迎えた『ライラの冒険/黄金の羅針盤』で痛手を受けたクリス・ワイツ監督も、
ホッとしたことでしょう。
■『ニュームーン/トワイライト・サーガ』
※ロバート・パティンソン インタビューテキスト
※クリス・ワイツ監督 インタビューテキスト
WOWOW「最新シネマジャック」特集『ニュームーン/トワイライト・サーガ』11/26(木)よる10:40放送
■『トワイライト〜初恋〜』
※クリステン・スチュワート インタビューテキスト
※テイラー・ロートナー インタビューテキスト
※クリステン・スチュワート&テイラー・ロートナー 取材記