12/18より丸の内ピカデリーほか全国にて 配給会社:ワーナー・ブラザース映画 (C)2009 GOLD CIRCLE FILMS LLC. ALL RIGHTS RESERVED. |
2000年10月にアラスカ州ノームで起きた不可解な出来事。
65時間以上に渡る記録映像と音声の抜粋、
そして、再現ドラマでその真実を探っていくというちょっとユニークな作品。
『ブレアウィッチ・プロジェクト』+『ノロイ』+
『未知との遭遇』+「奇跡体験!アンビリバボー」みたいな感じ。
“信じるかどうかは、あなた次第”ってな宣伝文句ですが、
どちらにしても良く出来ている。
夫を何者かによって殺害された心理学者のアビゲイル・タイラー博士は、
ノームの多くの住民が不眠症に悩まされている原因を探る。
彼らに共通するのは記憶の欠如。
アビゲイル博士は退行催眠療法で、記憶を呼び起こそうとするが、
彼らは激しく脅えるばかりで、要領を得ない。
やがて、アビゲイル博士自身も悪夢と記憶の喪失に見舞われるようになり、
想像を絶する事態へと陥って行く。
アビゲイル博士が残した記録映像や、
事件後に本作の監督であるオラトゥンデ・オスンサンミが行った
アビゲイル博士へのインタビューといったドキュメンタリー映像と、
再現映像を組み合わせるという構成がなかなか斬新だったし、
記録映像は何が飛び出すか分からない不気味さが漂っていた。
既に本作の宣伝として記録映像の一部が様々なメディアで公開されているけど、
伊藤Pが見た時は、まだそれらの映像が出回る前だったので、どれも初見。
冒頭でミラが言う通り、その記録映像の内容は衝撃的で、
びっくりしたし、気持ちが悪いと思った。
『リング』で呪いのビデオの中身を見せられた時にも感じた、
“見てはいけないものを見ている”という妙な高揚感に包まれた。
またナビゲーターと博士役の二役を担ったミラ・ジョヴォヴィッチの存在がデカイ。
『ブレアウィッチ・プロジェクト』や『クローバーフィールド/HAKAISHA』といった作品は、
あえて無名の俳優をキャスティングすることで、リアルさを出していたが、
本作はその逆を狙っている。
有名な女優を配置することによって、安っぽさが排除され、
“ミラが言っているんだから・・・”ということで、信憑性もより高まる。
脇を固めるイライアス・コティーズやウィル・パットンたちの渋い演技も、
信実味を持たせるのに一役買っている。
決して気持ちの良い映画じゃないけど、
今までにない独創的な作品で、完成度も高いと思う。
世の中には、科学で証明できないような不可思議な出来事が多々ある。
事実か嘘かは分からないけど、そこにロマンを感じるタイプの人間なので、
個人的には十分に楽しめた。
アビゲイル博士が体験した出来事は哀しくも凄まじく、
彼女の心理的な部分も興味深く見ることが出来た。
で、本当に“アレ”が存在するのかもしれない!
なんて思わされた。
伊藤Pが本作を見た時点では、アメリカでの公開もまだだったし、
今ほど作品の情報がなかったんだけど、
鑑賞後、ネットで色々と検索してみて、ある確信を得た。
何を確信したのか?
本当の意味でのネタバレになるので、ここでは書きません。
【裏部屋】で書きました。
なんにしても、まずは先入観を持たずに、
受身の姿勢で見た方がより本作を楽しめると思う。