2009年12月18日更新

裏#77 『THE 4TH KIND フォース・カインド』ネタバレ


フォース・カインド

『THE 4TH KIND フォース・カインド』

12/18より丸の内ピカデリーほか全国にて
配給会社:ワーナー・ブラザース映画
(C)2009 GOLD CIRCLE FILMS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.




前回紹介した『THE 4TH KIND フォース・カインド』


“信じるかどうかは、あなた次第”ということですが、
果たしてどっちらなのか?


以下、ネタバレありです。
読まれる際はご注意ください。
いつもながら、本作を見てから読むことをお勧めします。


まず、本作を鑑賞してまず一番に抱く疑問は、
「宇宙人っているの?」ってことだ。


本作では、アビゲイル博士やノームの住民を襲った出来事は、
未知の知的生命体が引き起こしているという風に結論付けている。


宇宙人の存在を信じさせるためのアイテムが、記録映像と音声だ。


・博士が不眠症に悩む住民に行った退行催眠術を記録した映像。
・博士自身が退行催眠を受けた際の映像。
・パトカーの車載カメラでたまたま撮影された映像。
・事件後に行われたオラトゥンデ・オスンサンミ監督によるアビゲイル博士へのインタビュー映像。
・レコーダーに残された音声。


見る前から“実際に起きた事件である”という風に謳われていたし、
更にはミラ・ジョヴォヴィッチまでもが、真実かのようなコメントを冒頭に発する。
そして、上記の“実際”の記録をバンバン見せられる。


よって、2000年10月にアラスカ州のノームで起きた不可解な出来事は、
実際に起きたことだと思い込んでしまう。


だから観客は、“事件そのものの存在”ではなく、
“宇宙人の存在”を信じるか信じないか?という疑問にまずぶつかる。


でも、“宇宙人の存在”以前にまず疑問視しなくちゃいけないのが、
本当に2000年10月にアラスカ州ノームでこんな出来事が起きたのか?ってことだ。


フォース・カインド


まず、今の情報化社会において、これほど凄い出来事で、
映像まで残っているのにも関わらず、世に出回っていないのがおかしい。


ガッチリセキュリティが施されているはずのハリウッド大作の本編が、
公開前にインターネット上に流出しちゃう世の中だよ。


劇中、不眠症の住民の一人が発狂し、
妻子を射殺した後、自殺する。


幾らアラスカでの出来事だとしても、
こんな衝撃的なニュースがここ日本で報道されないはずがない。


アビゲイル・タイラーという心理学者自体存在しない。


伊藤Pが本作を見たのは、アメリカ公開前の段階。


見た直後に試しに“Abigail Tyler”で検索してみたけど、
映画にリンクした検索結果しかなかった。


夫を殺され、娘を誘拐され、
それが宇宙人によるものだと訴えかけるのだったら、
映画化される前に、何かしら世に訴える行動ぐらいするでしょう。


それらの痕跡がまるでない。


フォース・カインド


『ブレアウィッチ・プロジェクト』の時は、
本編以上の製作費をかけてドキュメンタリー映像を作って、
本当であるかのように思わせる宣伝活動がなされた。


『ノロイ』も、劇中に登場するニセ作家のホームページを作り、
あたかも実在の人物かのようにみせた。


『THE 4TH KIND フォース・カインド』では、
映像やホームページを作る代わりに、監督がその役割を担った。


オラトゥンデ・オスンサンミ監督はインタビューで、


「本当にアビゲイルと会った」
「他の被害者にも会った」
「ネットで検索すれば、たくさんの証言が出ている」


といったようなコメントを残している。


映画を作った監督自身が、「本当だよ!」って言ってる。


更に、本作でミラにインタビューした田嶋真理さんによると、
ミラは本気で信じている様な口ぶりだったらしい。


いつもあっけらかんとインタビューに答えているミラが、
小細工をするとは思えない。


オラトゥンデ・オスンサンミ監督は、
「ミラはもちろん、キャスト陣にも記録映像を徹底的に見てもらった」
と述べている。


もしかすると、ミラも製作陣から欺かれているのかもしれない。
身内から騙して、リアルな映像を作ろう!ってね。


なんて、ゴチャゴチャ書いてきましたが、なんのことはない。
ウィキペディアで調べたら、一発で、嘘か本当かが分かる。


恐らく、本作を見ていないで本文章を読んでいる方も多いと思うので、
結論はここでは明記しません。
興味があれば、調べて頂ければと。


で、ですね、
本作で描かれている出来事が例え事実ではなかったとしても、
腹も立たないし、がっかりもしない。


何故なら見ている間、楽しむことが出来たし、
鑑賞後も「本当かな?嘘かな?」という好奇心が働き、
いろいろと調べたりする。


このリサーチ自体が楽しいんだよね。


フォース・カインド


しかし、オラトゥンデ・オスンサンミ・・・。
覚えられない・・・。
スラスラと名前を言えない・・・。



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.t-shirt-ya.com/blog/cgi/mt-tb.cgi/1547

コメント (5)

名無し:

世界のUFO目撃はどう説明するの?この映画は国が国民増してること言いたいんだよ チョン寄りマスゴミ 金無くなれば国民負担 国が事実隠ぺいなんて簡単なこと 欲の為なら 頭悪過ぎなんだよ

Anonymous:

いい記事でした。これからも頑張ってください!

Anonymous:

映画を見て現実にあったのかどうか考えることほど馬鹿馬鹿しいことはないな

伊藤P:

7年も前に書いた記事にコメントありがとうございます。
映画を見て現実にあったかどうか考えるのもおもしろいっすよ。

mu:

>>見た直後に試しに“Abigail Tyler”で検索してみたけど、映画にリンクした検索結果しかなかった

ま、。。。

名前は本名ではないと言ってます。バイラル・マーケティングの手法はとっているけど、映画の中で使用された本物ビデオと言われてる中で、発音されてるシュメル語が本物かどうか?これが知りたかったです。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)




リンク

プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
Powered by
Movable Type