2/13よりシアターN渋谷(レイト)ほか全国にて順次公開 配給会社:キングレコード、iae (C)2009 MIHO FILM AS All rights reserved |
バカンスを楽しむために極寒の冬山へ出掛けたノルウェイ人医学生8人が、
冷凍ゾムビ化したナチス兵団と死闘を繰り広げるホラー映画。
※資料には“ゾンビ”ではなく、“ゾムビ”と表記されている。
随分前に「ZOMBI手帖ブログ」で紹介されていて、
“面白そうだなぁー”と興味を持ったが、
監督も出演者も無名なノルウェー産のホラーなんて日本で公開されないだろうと思っていた。
それがまさかの劇場公開。
流石!キングレコード!
流石!シアターN渋谷!
さる高名なる霊媒師様からの厳格な忠告により、
マスコミ試写会を開催しないというリリースが出されていたが、
なんとか見ることが出来た。
ド頭、ホラーとはミスマッチなクラシック音楽、
「ペールギュント」第一組曲第4曲「山の魔王の宮殿にて」がかかり、
とぼけた演出をかます。
この絶妙にズレた感覚に、
ピーター・ジャクソンの大傑作『ブレイン・デッド』を思い出す。
何せ、米ケーブルテレビ局、スパイクTVが主催する、
ホラー、ファンタジー、SFなどの映画やTV番組に賞を贈る「2009スクリーム・アワード」で、
最優秀ホラー映画賞、最優秀外国語映画賞、最優秀切断シーン賞、
最優秀死闘賞の4部門にノミネートされたと言うではないか。
“こ、これはもしや『ブレイン・デッド』の再来!?”
と期待が否応無しに含む。
しかし、時々、効果音“バァーン!”の反則攻撃で脅かすものの、
20分以上が経過しても、望んでいるようなゴアシーンが一向に登場しない。
“やっと来た!”
と思っても、それ程インパクトのある残酷描写でもないうえ、
単発で終わってしまう。
うーん、なかなかのじらせ上手だ。
そして、トイレでいきなりファックを始める男女2人。
“セックスをするカップルは殺される”というホラー映画の鉄則があるんで、
“いよいよか!?”と身を乗り出したら、
セオリー通り、ここから物語は急激に動き出す。
まずはファックをした女が殺され、
山小屋にいる残りの医学生たちにナチス・ゾムビが襲い掛かる。
顔面真っ二つ、内臓ボトボト、手首切断と、
B級テイスト溢れるゴアシーンが連発する。
このお兄ちゃんのTシャツ「ブレインデッド」だ
このまま篭城が続くのかと思いきや、
夜じゃなくて白昼の雪山で、
人間VSナチス・ゾムビの死闘が繰り広げられる。
この闘いが結構練られている。
あの手、この手で観客を楽しませようという作り手の良心を感じた。
ゾムビ相手に素手で闘ったりして、
“無謀だなぁー”なんて思っていたら、
案外、ゾムビが弱っちくて・・・。
このゾムビたちは、知能があるんだけど、
かなりバカで、ちょいちょい笑わせてくれる。
やらっれぷりも人間以上に豪快なのが、
また愛らしい。
それでも多勢に無勢で、人間は劣勢を強いられるが、
ただやられているわけじゃない。
武器になるアイテムをゲットし、
決死の復讐劇が展開する。
ハチャメチャな殺戮シーンで、
白銀が、血みどろの世界へとなるんだけど、
これがとてつもなく爽快!!
なるほど死闘賞にノミネートされるだけのことはある。
このシーンだけでも一見の価値がある。
でも、そんな爽快感は、長くは続かず、
今度はゾムビの“有り得ない”反撃が待っていた・・・。
あんまり書くとオチまで書いちゃいそうなんで、
この辺で止めておくけど、
音楽も流石ブラック・メタルのお膝元なだけあって、
ヘビーメタルでゴリゴリしていて良いね。
ノルウェイ語なので、なんかこれも可愛らしかったりする。
チープな映画かと思っていたら、
意外としっかりとした作りになっている。
『ブレイン・デッド』とまでは行かないけれど、
恐怖とバカバカしさが程よくブレンドされた快作でした。