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新約聖書のヨハネの黙示録に倣った連続猟奇殺人事件を追う
刑事の姿を描いたサスペンス映画。
この手の作品は好きなので、公開当時も見たいと思っていた。
白銀の中、木こりが何かを発見するプロローグから、
次の遺体発見ぐらいまでは中々良い出足だったんだけど、
既に起きてしまった事件に振り回されてばかりで、
次の惨劇を阻止するという緊迫があまりない。
サスペンス映画なのにハラハラしないで気楽に見られるのは、
良いのか悪いのか?
そして、どうしてもあの傑作が思い出される。
聖書、連続猟奇殺人、刑事といえば『セブン』だ。
また比較的早い段階で正体を現す犯人のミステリアスな発言をヒントに
捜査を進める流れは、『羊たちの沈黙』を彷彿させる。
そして、『ホースメン』は、残念ながらどこを取っても、
この2本の名作を上回ることが出来ていない。
被害者を吊す拷問も『セル』で以前やっていた。
どれも既視感があるんだよね。
物語の構成もあまり良くないと思う。
突然、後半に新たな登場人物が出て来て、重要な役割を果たすんだけど、
伏線も何もないから唐突だ。
しかもかなり早い時点で、
最終的に主人公の行き着く先が想像出来てしまうミステリーの甘さもある。
この手の作品にしては、ちょっとパンチ力がないんだけど、
全編を通して漂う寒々とした世界観は悪くない。
雪と連続殺人は良く似合う。
あとデニス・クエイドが良い味出していた。
70年代からコンスタントに主演作があるしぶとい男優だ。
華やかさはないけど、その分、人間ぽい。
今回も家族と仕事に板挟みされて苦悩する男が良く似合っていた。
事件の鍵を握る人物を演じたチャン・ツィイーも悪くなかった。
(留置所にいるのにしっかりメイクしているのはご愛嬌)
あと、本作のセリフはアフレコなんだけど、
どうもセリフの質感がシーンと合っておらず、浮いた感じがした。
リップのズレもちょっと気になった。
アフレコはかなり難しいらしいので、仕方がないのかな。
で、最後に。
散々、猟奇殺人を題材としたサスペンス映画と書きましたが、
本作のメインテーマはそこじゃないってことが、見れば分かります。