4/3よりK’s cinema、シネ・リーブル池袋ほか全国にて順次公開 配給会社:リベロ (C)青空大地(講談社刊「モーニングKC」)/昆虫探偵製作委員会 |
虫の依頼を請け、虫たちの浮気調査や虫探しをする。
そんな虫と会話することの出来る昆虫専門の探偵ヨシダヨシミの活躍を描いた作品。
監督はクソつまらないマスターべーション映画『平凡ポンチ』を撮った佐藤佐吉。
『平凡ポンチ』の記事で、
“佐藤佐吉監督の他の作品を見たいとは思わない”と書いたが、
今もその思いは変わらない。
でも、今回はくだらないアイドル映画ではなさそうだし、
なんといっても哀川翔が主演だ。
昆虫と話が出来る探偵という設定も面白い。
佐藤佐吉監督作品ということで、
一抹の不安を抱きつつも、見ることにした。
冒頭、カブトムシの交尾から始まる。
カブトムシにはアフレコで声が当てられており、
雄のカブトムシが言葉いじめをし、
雌のカブトムシが喘ぎ声を出す。
どうやら不倫の関係らしい。
そこに探偵ヨシダヨシミが現れる。
雄のカブトムシの奥さんを伴って・・・。
ここのやり取りは、なかなか面白かった。
その後、5年前の新宿大爆発事件のくだりがインサートされる。
『平凡ポンチ』よりは予算があったようで、
爆発シーンもきちんとCGで描かれているし、
テンポも悪くない。
こんな感じの導入部だったらそこそこ楽しめるかもしれないと期待したのも束の間、
この後は「やっぱりねぇ・・・」の展開に。
『平凡ポンチ』同様、最初だけ快調であとは息切れだ。
テンポわりぃ・・・ってね。
ヨシダヨシミと昆虫の会話が多いのだが、
動きが少ないし、単調なので途端に飽きがくる。
限られた撮影日数で、予定を消化しなくちゃいけないから、
カットを割る時間がないのは判るけど、
もう少し工夫が欲しい。
セリフが多い分、哀川翔の滑舌の悪さも余計に目立ってしまい、
哀しい気分になってしまった。
物語の大筋も面白味を感じなかった。
虫専門の探偵という設定は面白いのに、それがあまり活かされていない。
ヨシミが大爆発で記憶を無くしていると告げるヨシミの元恋人・小名浜マリの存在とか、
もうちょっと上手い絡ませ方とか出来ないのかなぁ・・・。
クライマックスはややテンポを取り戻すんだけど、
佐藤佐吉監督の“脱力感”に見ているこちらが既に“脱力”しちゃってて・・・。
元々、せっかちな性格なんで、
佐藤佐吉監督ののんびりとした“間”とか、肌に合わないのかもしれない。
一方で知らなかった昆虫の生態を知ることが出来たのは良かった。
特にトンボの交尾は興味深かったな。