2010年04月14日更新

#473 『アリス・イン・ワンダーランド』


アリス・イン・ワンダーランド

『アリス・イン・ワンダーランド』

4/17より丸の内ルーブルほか全国にて
配給会社:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C) Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.




1855年ロンドン。
19歳のアリスは退屈な男ヘイミッシュから求婚されるが、困惑して逃げ出してしまう。


すると彼女の前に懐中時計を持った白いうさぎが現れる。
うさぎを追いかけたアリスは、あやまってうさぎの穴に転がり落ちてしまう。


アリスがたどり着いた先は、アンダーランドと呼ばれるワンダーランド(不思議の国)。
そこは独裁者・赤の女王によって支配されており、
住民たちは暗黒時代を終わらせる救世主を求めていた。


そして、彼等はアリスこそがその救世主だという・・・。


アリス・イン・ワンダーランド


ティム・バートン監督&ジョニー・デップという“鉄板”コンビによるファンタジー映画。


ご存知、ルイス・キャロルの「不思議な国のアリス」の映画化だが、
ティム・バートン監督は一捻り加えている。


ルイス・キャロルが描いたのは6歳のアリスの物語だったが、
ティム・バートン監督は、
6歳の時の不思議な体験を忘れてしまっている19歳のアリスを主人公にしている。


要するにルイス・キャロルの「不思議な国のアリス」の後日談。
よって、完全なるオリジナル・ストーリーとなっている。


19歳といえば子供と大人の端境期。


ワンダーランドで様々な試練に遭遇しながら、
大人へと成長していくアリスの姿を描いている。


傍目にはジョニー・デップが主演の作品のように見えるが、
『アリス・イン・ワンダーランド』というタイトルからも判るとおり、
あくまでもアリスが主役だ。


アリス・イン・ワンダーランド


そのアリスを演じたのはミア・ワシコウスカ。
ダニエル・クレイグ主演の『ディファイアンス』等に出演しているオーストラリアの新星で、
戸惑いながらも成長していくアリスを美しく、力強く演じている。


ワンダーランドでは、アリス意外全員奇妙な格好をしていて、
それぞれが異彩を放っているため、下手するとアリスは埋もれてしまいかねないが、
ミア・ワシコウスカの魅力のお陰か、決して埋没することはない。


一方、容姿端麗なミアに対して、
ワンダーランドの住民たちは先述の通り、強烈だ。


ジョニー・デップは今まで何度も変人を演じてきているけど(特にティム・バートン作品で)、
今回のアリスを待ちわび、打倒赤い女王を目論むマッドハッター役は抜きん出ている。


アリス・イン・ワンダーランド


ド派手な衣装とメイクでデコレートされているのにも関わらず、
ジョニー・デップの個性が出ているのが、この俳優の凄さだ。


で、ジョニー・デップよりもインパクト大なのが、
赤の女王を演じたヘレナ・ボナム=カーターだ。


不気味なメイクと頭でっかちな容姿。


まさに怪演。


2001年『PLANET OF THE APES/猿の惑星』で、ティム・バートンに出会ってからのヘレナは、
ティム・バートン監督作は勿論のこと、
「ハリー・ポッター」シリーズや『ターミネーター4』などで、
奇天烈な役ばかりを演じるようになった。


普通だったら腰が引けてしまうような役でも、
臆することはない。


ティム・バートンは、ヘレナの女優人生を完全に変えてしまった。
私生活でもパートナーなので、ヘレナの人生そのものを変えたと言える。


そんな多大なる影響力を持つティム・バートン監督ですが、
今回も独創的なマイ・ワールドを構築している。


本当にこの人の頭の中はどうなっているんだろうか?


アリス・イン・ワンダーランド


それから、今回は3D版を見たので、3Dについても触れておこう。


元々3Dを前提にして製作されているから擬似3D作品とは違って、
ちゃんと立体的に見えるし、映像に奥行きもある。


ところどころ物が飛んできて、ぶつかりそうになったりと、
3Dならではの飛び出す映像も楽しめる。


吹替え版ではなく、字幕版で見たにも関わらず、
鑑賞後、疲労を感じることがなかったというのもあり、
もしも見るのであれば、3D版を推奨致します。


まぁ、疲れなかったのは、
3Dとか関係なく、作品自体が面白かったからかな。


正直、ティム・バートンとジョニー・デップが組んだ作品で面白いと思ったのは、
初タッグの『シザーハンズ』、『エド・ウッド』、『スリピー・ホロウ』までで、
2000年代に入ってからの『チャーリーとチョコレート工場』、『コープス・ブライド』、
『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』はあまり好きじゃない。


だから『アリス・イン・ワンダーランド』はあまり期待していなかったんだけど、
近年のコンビ作の中では群を抜いて楽しめた。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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