4/17より全国にて 配給会社:東宝 (C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2010 |
まず、原作者の臼井儀人先生が非業の死を遂げてしまったにも関わらず、
こうしてシリーズ第18作目が製作されたことが、
作品の出来、不出来に関係なく、重要だ。
製作に関わった皆さん、遺族の方々に感謝したい。
そんな思いもあり、毎年「劇場版クレヨンしんちゃん」を楽しみにしているが、
特に今年はその有り難味を強く感じながら鑑賞させて頂きました。
過去にタイムスリップすることが多いしんちゃんですが、
今回は未来に行く。
ある日、タイムマシンに乗ってしんのすけの未来の花嫁タミコがやって来る。
大人になったしんのすけがさらわれ、助けるためには5歳のしんのすけの力が必要だという。
未来のチョコビに釣られたしんのすけとカスカベ防衛隊の面々は、
タミコと未来へ向かうが、
そこは隕石の衝突によって塵が空を覆った光の差さない暗闇の世界だった。
一向は大人のしんのすけを探すが、そこに花嫁(希望)軍団が襲い掛かる。
果たして、しんのすけたちは大人のしんのすけを見つけることが出来るのか?
傑作だった『オタケベ!カスカベ野生王国』の監督しぎのあきらが続投。
前作はギャグとアクション、キャラクターの活躍など、
トータルのバランスが完璧だったが、今回はややそれが崩れていて、
ギャグが少ない印象を受けた。
例年通り子供たちにまみれて見たかったので、
東宝の方にお願いをして一般の試写会で鑑賞したんだけど、
“ドカン!”と来る笑いはあまり多くなかった。
おまけに前半はスローペースな立ち上がりで、
子供たちが退屈しないかと余計な心配をしてしまった。
しかしながら、中盤以降はアクションも多く、
カスカベ防衛隊や年を取ったひろしとみさえが、ほど良く活躍してくれる。
(ひまわりの出番が少ないのはちょっと残念)
大人になった風間くん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃんたちも登場し、
一同に会するシーンがあったりして、なかなか面白い。
カスカベ防衛隊の面々がどのような大人に成長しているのかも見物だ。
そして、普段は家族愛や友情で涙を誘う「クレしん」ですが、
本作ではしんのすけのセリフに泣けた。
“オラは死なない!”
そう「クレヨンしんちゃん」は死なないのである。
原作者の死を乗り越え、「クレヨンしんちゃん」は生き続ける。
漫画の連載も、テレビアニメも、劇場版も。
今回、しんのすけは未来に行った。
前を向いて突き進む。
それが関係者たちの“「クレしん」を続けます!”という決意の表れだと思い、
何度か涙が出てしまった。
2010年は漫画の連載開始20周年!
2011年はテレビアニメが20周年!
2012年は劇場版が20周年!
記念yearが続く訳ですが、
30周年、40周年、50周年を目指して、
「クレヨンしんちゃん」を世に送り出し続けて欲しい。