4/23よTOHOシネマズ日劇ほか全国にて 配給会社:東宝東和 (C)2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED. |
1891年イギリス。
兄を何者かによって殺され、25年ぶりに帰郷したローレンスは、
母の死をきっかけに疎遠となっていた父のジョンから冷たく出迎えられる。
満月の夜、兄殺しの真相を探るべく、流浪民の群れを訪ねたローレンスは、
そこで殺人鬼に襲われ重傷を負ってしまう。
驚異的な早さで回復したローレンスは、以前の自分と違うことに気が付く。
ローレンスは、満月の夜になると野獣へと変身してしまうウルフマンになっていたのだ・・・。
1941年に製作されたクラシックホラー『狼男』(未)を
2大オスカー俳優ベニチオ・デル・トロとアンソニー・ホプキンス共演でリメイク。
『ジュマンジ』、『ジュラシック・パークIII』のジョー・ジョンストン監督が、
手堅くまとめているけど、ちょっとパンチに欠ける作品だった。
物語は先が読めるし、意外な展開が全くない。
多分、一番重要であろうローレンスと兄のフィアンセだったグエンとの悲恋も、
イマイチ盛り上がらない。
となると、見所はやっぱりウルフマンへの変身シーンだ。
VFXを誰が担当しているのかを確認しないまま見たんだけど、
変身シーンを見てリック・ベイカーだと確信した。
リック・ベイカーといえば、
マイケル・ジャクソンの「スリラー」のゾンビメイクが有名だが、
『グレイストーク -類人猿の王者- ターザンの伝説』のチンパンジー、
『マイティ・ジョー』のゴリラ、
『PLANET OF THE APES/猿の惑星』の猿人など、
毛むくじゃらメイクをやらせたら右に出る者はいないメイクアップ・アーティストだ。
そして、なんといってもリック・ベイカーの名を世に轟かせたのは、
ジョン・ランディス監督作『狼男アメリカン』の狼男変身シーンでしょう。
リック・ベイカーはこの作品で、
新設されたアカデミー賞メイクアップ賞の初代受賞者となった。
1981年の作品だけど、今見ても鑑賞に十分堪えるハイクオリティーなSFXだ。
『ウルフマン』の変身シーンは、
その『狼男アメリカ』の狼男変身シーンを彷彿させる。
最新技術を駆使しているのだろうが、
それはあくまでも従来の特殊メイクを補足する使用の仕方であり、
懐かしさを感じさせる変身シーンになっていた。
特殊メイクをリック・ベイカーが担当するのなら、
大失敗作『ブルース・ブラザース2000』以降、
まともな映画を撮っていなかった盟友ジョン・ランディスに本作を撮って欲しかった。
というのは無理な話か・・・。
(ジョン・ランディスは、今年新作を撮っている)
で、リック・ベイカーの手によって、ウルフマンと化したベニチオ・デル・トロですが、
元々毛むくじゃらだから、全く違和感がない。
はまり過ぎ。
ネタバレになるのであまり書けないんだけど、
もう一匹ウルフマンが登場する。
(誰がそうなのかは、すぐわかっちゃうけどね)
そのウルフマンの顔がかなり「スター・ウォーズ」のチューバッカにそっくり。
可愛くて笑ってしまった。
終盤のウルフマンVSウルフマンの肉弾戦が、
変身シーンに続く本作最大の見せ場でしょう。
あと印象に残ったのが、
銃のマズルフラッシュを多様した古典的なびっくり脅かしショット。
バーン!ピカッ!バン!グッシャ!グエ〜!
ってな感じ。
わかり難い?
見ればわかるさ。
これ以外にもビックリショットが満載なんで、
音響設備の整った劇場で見たら、体がビクンビクン動いてしまうかもしれない。
と、なんとか文章にすることが出来たぞ。
1時間42分間退屈することなく見ることが出来たので
娯楽映画としては及第点なんだろうけど、
鑑賞後5分で忘れるタイプの作品なんだよね。
約2ヶ月前に見たんで、内容を思い出すのに一苦労でした。