4/7 DVD セル【\3,980円(税込)】&レンタル 販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ TM & (C)2009 Waner Bros.Entertainment Inc.All rights reserved. |
巨大化した昆虫と人間との戦いを描いたパニックアクション。
巨大生物モノは古くからあるジャンルであり、
今でもレンタル店で多く見かける。
そんな今更なジャンルなのに、日本で劇場公開されたということは、
それなりの“何か”があるはずだと期待をして見た。
驚くほどの“何か”が本作にあったかといえば、
残念ながらなかったんだけど、
それでも1時間半、十分に楽しめる作品になっていた。
まず、テンポが中々良い。
主人公クーパーがどうしようもない男であることを冒頭5分で説明し、
直ぐに異変発生。
クーパー覚醒後、いきなり巨大昆虫登場。
オフィスでの激闘の末、昆虫退治に成功したクーパーは、
生存者たちと共に逃避行を開始する。
ここまで10分チョイ。
タイトルロールを入れれば7分ぐらいか?
変にもったいぶるのではなく、ガツガツ行くので気持ちが良い。
そして、この手の映画ではセオリーだが、
登場人物たちにはそれぞれ物語に必要なキャラクター設定がなされている。
これと言って意外な人物は出てこないが、
“ここでコイツを殺すんかい!”という外しが結構ある。
昆虫に殺される人と人間の手によって殺される人の数に、
あまり大差がないのも笑える。
新鮮なジャンルではない分、
製作陣があの手この手を使って、観客を楽しませようとしているのが判る。
巨大昆虫のビジュアルは、普通に昆虫を大きくしただけの直球勝負だけど、
『蝿男の恐怖』、『エイリアン』、『遊星からの物体X』、『ミミック』といった、
過去の怪物君たちへのリスペクトを感じさせるシーンがいくつかあった。
それからクーパーの冴えない原因が、父親にあり、
今回の巨大昆虫との戦いで、父と子が歩み寄るという人間ドラマもある。
更には親子の絆だけでなく、
クーパーとリストラを宣告した上司の娘サラとの恋物語まで入れてしまう。
まぁ、こんな危機的な状況下で、
恋だ何だと浮かれているクーパーのアホさ加減に、
感情移入する余地はまるでないし、
親子の部分も“安い話”ではある。
それでもドラマを入れて、単なるパニックアクションから脱却したいという、
製作側の心意気は評価したい。
とはいっても、
巨大昆虫との戦いによって、リーダーシップが覚醒するクーパーに対して、
最後まで共感できないぐらいチープな人間ドラマなんだけどね・・・
まぁ、ダメな野郎がダメなままで終わるというのも有りっちゃ有りだ。
幾らでも突き抜けられるジャンルなのに、
そうならないのは作り手が真面目だからか?
パッと見はアホらしそうな作品だけど、
実は正統派な作りになっているのを善しとするか悪しとするか。
その辺は好みの問題かな。
もう少し昆虫との息詰まる死闘が見たかったという思いもあるが、
決してホラーではないので、これぐらいのライトなテイストが丁度良いのかも。