2010年04月05日更新

DVD#015 『ビッグ・バグズ・パニック』

ビッグ・バグズ・パニック

『ビッグ・バグズ・パニック』

4/7 DVD セル【\3,980円(税込)】&レンタル
販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
TM & (C)2009 Waner Bros.Entertainment Inc.All rights reserved.




巨大化した昆虫と人間との戦いを描いたパニックアクション。


巨大生物モノは古くからあるジャンルであり、
今でもレンタル店で多く見かける。


そんな今更なジャンルなのに、日本で劇場公開されたということは、
それなりの“何か”があるはずだと期待をして見た。


驚くほどの“何か”が本作にあったかといえば、
残念ながらなかったんだけど、
それでも1時間半、十分に楽しめる作品になっていた。


まず、テンポが中々良い。


主人公クーパーがどうしようもない男であることを冒頭5分で説明し、
直ぐに異変発生。


クーパー覚醒後、いきなり巨大昆虫登場。
オフィスでの激闘の末、昆虫退治に成功したクーパーは、
生存者たちと共に逃避行を開始する。


ここまで10分チョイ。
タイトルロールを入れれば7分ぐらいか?


変にもったいぶるのではなく、ガツガツ行くので気持ちが良い。


そして、この手の映画ではセオリーだが、
登場人物たちにはそれぞれ物語に必要なキャラクター設定がなされている。


これと言って意外な人物は出てこないが、
“ここでコイツを殺すんかい!”という外しが結構ある。


昆虫に殺される人と人間の手によって殺される人の数に、
あまり大差がないのも笑える。


新鮮なジャンルではない分、
製作陣があの手この手を使って、観客を楽しませようとしているのが判る。


巨大昆虫のビジュアルは、普通に昆虫を大きくしただけの直球勝負だけど、
『蝿男の恐怖』、『エイリアン』、『遊星からの物体X』、『ミミック』といった、
過去の怪物君たちへのリスペクトを感じさせるシーンがいくつかあった。


それからクーパーの冴えない原因が、父親にあり、
今回の巨大昆虫との戦いで、父と子が歩み寄るという人間ドラマもある。


更には親子の絆だけでなく、
クーパーとリストラを宣告した上司の娘サラとの恋物語まで入れてしまう。


まぁ、こんな危機的な状況下で、
恋だ何だと浮かれているクーパーのアホさ加減に、
感情移入する余地はまるでないし、
親子の部分も“安い話”ではある。


それでもドラマを入れて、単なるパニックアクションから脱却したいという、
製作側の心意気は評価したい。


とはいっても、
巨大昆虫との戦いによって、リーダーシップが覚醒するクーパーに対して、
最後まで共感できないぐらいチープな人間ドラマなんだけどね・・・


まぁ、ダメな野郎がダメなままで終わるというのも有りっちゃ有りだ。


幾らでも突き抜けられるジャンルなのに、
そうならないのは作り手が真面目だからか?


パッと見はアホらしそうな作品だけど、
実は正統派な作りになっているのを善しとするか悪しとするか。
その辺は好みの問題かな。


もう少し昆虫との息詰まる死闘が見たかったという思いもあるが、
決してホラーではないので、これぐらいのライトなテイストが丁度良いのかも。

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作品情報 タイトル:ビッグ・バグズ・パニック 制作:2009年・アメリカ 監督:カイル・ランキン 出演:クリス・マークエット、ブルック・ネヴィン、レイ・ワ... [詳しくはこちら]

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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