2010年05月21日更新

#479 『ローラーガールズ・ダイアリー』


ローラーガールズ・ダイアリー

『ローラーガールズ・ダイアリー』

5/22よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて順次公開
配給会社:ギャガ
(C) 2009 BABE RUTHLESS PRODUCTIONS,LLC All Rights Reserved.




テキサスの田舎町に住む女子高生ブリス。


保守的な母親から美人コンテストで優勝したら、将来幸せになると言われ続け、
コンテストに無理矢理参加させられていた。


そんな嫌気が差す毎日を送っていたブリスは、
“ローラーゲーム”の存在を知り、試合を観戦。


選手たちは女性。


年齢も仕事も多種多様で、
女らしさなんてかなぐり捨ててぶつかり合う。


ワイルドな彼女たちに完全に魅了されたブリスは、
親に内緒で、しかも年齢を偽って新人発掘トライアルに参加。


ずば抜けたスピードを評価され、入団が決定。
選手としての才能を開花させていくが・・・。


ローラーガールズ・ダイアリー


ドリュー・バリモア初監督作品。


『JUNO/ジュノ』のエレン・ペイジを主演に迎えて撮った青春映画。


つまらない毎日を送っていた普通の女子高生が、
ローラーゲームとそのゲームに参加する女性たちに影響を受け、
成長していく姿を描く。


もう36歳なんで、女子高生が成長する姿を自分と照らし合わせることはないんだが、
暗い顔していた女の子が、
生き甲斐を見つけて生き生きとしてくる姿を見るのは気持ちがいい。


いつも元気なドリュー・バリモアらしい映画になっている。


ローラーガールズ・ダイアリー


また“ローラーゲーム”のルールを知ることができたのも良かった。


そもそも“ローラーゲーム”の存在は、
ジェームズ・カーン主演の『ローラーボール』(75)という映画に出て来たので、
認知をしてはいたけど、細かいルールは知らなかったんだよね。


ローラースケートを履いた選手たちが、
リンクを走り回るスポーツで、接触プレーが多くかなり激しい。


格闘技の要素もあるので、それなりに危険を伴うわけだが、
本作では吹替え無しで、本当に役者さんたちがやっている。


『ボックス!』の時もそうだったけど、
やっぱり役者さんたちが本当にやるとリアルになるし、
「役者ってすげぇなぁ〜」って思う。


ローラーガールズ・ダイアリー


元々スタントウーマンであるゾーイ・ベルは別格として、
他のキャストは相当練習したに違いない。


特に主役のエレン・ペイジは、一番長く、一番熱心にトレーニングしたらしい。


そのエレン・ペイジは、ブリス役にぴったりだ。


『JUNO/ジュノ』の役柄に通ずるものがあるけど、
ジュノよりもブリスの方が、もう少し感情を露わにするし情熱的だ。


その情熱や喜びをローラースケートで滑りながら表現するのは、
結構なチャレンジだったはず。


ローラーガールズ・ダイアリー


他のキャストもはまっている。


保守的な母親役のマーシャ・ゲイ・ハーデンは、
なんだか最近こんな役が多いけど、毎度毎度凄まじい存在感だ。


お父さん役のダニエル・スターンは、
ダメそうだけど、憎めないパパという感じで良い味だしている。


1人、バンの中でビールを飲みながらスポーツ中継を見ている。
そんなオヤジがいじらしい。


続いて、久しぶりにその姿を見たジュリエット・ルイス。
今回は敵役だ。


ローラーガールズ・ダイアリー


注目を集めた『ケープ・フィアー』の時が18歳。
で、今はもう37歳ですか・・・。


相変わらず特徴のある唇が、
卑猥さ全快で素敵でございました。


エレン・ペイジVSジュリエット・ルイス。


なかなか粋な対戦カードですな。


ドリュー・バリモアの演出は、
小気味が良いし、変に凝っていないくて好感が持てた。


ドリュー・バリモアが女優としての魅力を最大限に発揮出来るのは、
多分、コメディだ。


かつてラブコメの女王と言われていたメグ・ライアンは、
40歳の時に出演した(撮影時は39歳かも)『ニューヨークの恋人』(01)以降、
その手の映画に出てもまるで冴えなくなってしまった。


危機感を覚えて、『戦火の勇気』(96)や『イン・ザ・カット』(03)といった作品で、
シリアスな演技に挑戦してはみたものの、
あまり高い評価を得ることは出来なった。


完全に方向転換失敗である。


ドリュー・バリモアは現在35歳。


ラブコメはやれてもあと5年。
シリアスな演技はあまりキャラじゃない。


ってな感じで、多分、それなりに考えていると思う。


『E.T.』出演後、
9歳で酒を覚え、10歳でマリファナ、12歳でコカイン。
14歳の時に自殺未遂。


19歳で結婚して、1ヶ月で離婚。


そんな私生活での乱れもあって、
1980年代中盤から1990年代半ばまでのフィルモグラフィーは、
かなり厳しい。


その後、見事に復活を果たすが、
まぁ、波乱万丈ですわ。


そんな経験をしてきたからこそ、
どうやったらこの業界で生き抜いていけるのか、判っているのだと思う。


自身の映画プロダクションも持っているし、
今後も映画監督業をやっていくに違いない。


本作を見る限り才能はありそうなので、
是非また作って欲しい。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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