7/31より丸の内ピカデリー1ほか全国にて 配給会社:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
アンジェリーナ・ジョリー主演のスパイ・アクション映画。
ストーリーはあまり触れない方が良いと思うので書きません。
既におすぎさんナレーションによるテレビCMを見てしまったのなら仕方がないが、
何も知らないで見た方が、より一層楽しめる類の作品。
まぁ、仮にある程度知ってから見たとしても、
十二分に楽しめるクオリティであることは間違いない。
先日、ロシアの美人スパイ等がアメリカで拘束され、
米露間でスパイ交換がなされるというニュースが話題になったばかり。
今時、アメリカとロシアのスパイを扱った映画なんて珍しいと思ったけど、
それなりにタイムリーな作品となった。
そんなちょっとリアリティのある設定(スパイ育成や他国への潜伏)と、
映画ならではの荒唐無稽さ(主人公のソルト強すぎ、丈夫すぎ)が、
ほどよい加減でブレンドされている。
さて、本作の見所は物語の面白さとアクションなんだが、
前述の理由からここでは物語には触れず、アクションに言及したいと思う。
アクション・シーンの大半を担ったのは、
もちろんアンジェリーナ・ジョリー。
過去に「トゥームレイダー」シリーズや『Mr.&Mrs.スミス』、『ウォンテッド』で、
数々のアクションをこなしてきただけあって、見ていて安心。
抜群の安定感と説得力がある。
演技力もあって、これだけのアクション・シーンをこなせる女優さんはなかなかいない。
ただ、格闘シーンに目新しさは感じられず、
一本調子になってしまったのが勿体無い。
『アイアンマン2』のスカーレット・ヨハンソンみたいな
アクロバティックな動きとかにすればもっと良かったのに。
あと、明らかにCGでございますというシーンがある。
他のアクションシーンがリアル志向な分、かなり目立ってしまっているのが残念。
まぁ、ソルトとCIAの追っかけっこは見応えあるし、
アンジーが拳銃をぶっぱなす姿だけでもカッコイイんで、
これ以上求めるのは贅沢か。
二転三転する物語とアクションを手堅くまとめたのは、
『今そこにある危機』、『パトリオット・ゲーム』のフィリップ・ノイス。
久しぶりのアクション映画だけど、その腕は衰えていなかった。
2000年以前アクション映画を見て来た者としては、
凝った演出のないオーソドックスなスタイルがまたツボにはまる。
崇高さや奥深さなんていらない。
1時間40分間頭空っぽにして見て、“あっ〜面白かった”って満足して映画館を出て、
瞬く間に忘れる。
そんな娯楽に徹した作品。