9/4よりシアターN渋谷(レイト)にて 配給会社:DHE |
神父の父と優しい母と一緒に暮らしていた普通の女の子ユキは、
ある日、突然、謎の5人組に襲われる。
父は足の自由を奪われ、
母親に至っては、無情にも殺されてしまう。
なぜ母親は殺されたのか?
なぜ自分は生き残ったのか?
悲しみという感情が怒りに転化したユキは、
漆黒のゴスロリドレスを身にまとった“ゴスロリ処刑人”となり、
復讐の道へと突き進むが・・・。
主人公ユキを演じるのは秋山莉奈。
秋山莉奈といえば『平凡ポンチ』。
『平凡ポンチ』といえば、
【伊藤Pの部屋】2008年ワースト3位を記録する超ウルトラ駄作。
作品のデキの悪さは監督の佐藤佐吉の責任で、
秋山莉奈はなんも悪くないんだが、
ポンコツ映画に出ていた女優さんというイメージが刷り込まれてしまった。
本作は、そんな秋山莉奈の映画主演第2作目なんだが、
『平凡ポンチ』より、数段良いではないか!
なんとなく幸の薄そうな顔立ちだなぁ〜って、
前から思っていたんだけど、
今回はそれが役柄にバッチリ合っていた。
ユキが抱いている怒りと悲しみ、
そして、復讐したところで母は戻ってこないという寂しさ、虚しさが、
その薄幸の顔から滲み出ている。
その寂しげな佇まいと鮮血がこれまたマッチしていて、
なんともいえない退廃的な雰囲気を醸し出している。
元気溌剌で、健康的なグラビア・アイドルがやっていたら、
ちょっと違ったキャラクターになってしまったと思う。
また、本作の監督は、『DEATH TARANCE』など数々の作品でアクション監督を務め、
『芸者対忍者』で監督デビューを果たした小原剛。
アクション大好き監督ということで、本作にもアクションがバリバリ入っており、
秋山莉奈も吹替え無しで、果敢にアクションにチャレンジ!
と言いたいところですが、
残念ながらかなりスタントを使っている。
でもこれは仕方がないことだと思う。
小原剛監督は香港アクション、特にジャッキー・チェンの影響を強く受けている。
故にアクションの技術も高度なものを要求してくるはず。
一朝一夕で、そんなアクションが出来る分けないし、
出来ても困る。
小原監督は、(悪い意味ではなく)アクションが出来ない女優を主演に迎え、
見る人が見れば分ってしまうんだけど、スタントを巧みに使って、
アクションを成立させている。
今までもアクションをメインにした低予算の日本映画はたくさんあったけど、
その中でも『ゴスロリ処刑人』のアクションは、
なかなか面白いし、良く出来ている。
この辺は小原監督の面目躍如だろう。
特に敵対するレディ・キルを演じた桃瀬美咲のアクションがずば抜けて良い。
調べたら極真のアスリートなのね・・・。
どおりで動きが良いわけだ。
秋山莉奈と桃瀬美咲。
アクションの出来る人と出来ない人を戦わせる。
それはそれでアクションの演出大変でしょうね。
そんなこんなで、秋山莉奈やアクションは良いのですが、
苦言を呈するとすれば、ストーリーかなぁ・・・。
ちょっと単調になってしまっている。
戦いを見せるためのストーリーではなく、
もうちょっとストーリーありきの戦いにしないと、アクションの羅列になってしまう。
あと、この手のジャパニーズ・スプラッタの中では、
比較的スプラッタ度は低い。
十分凄い!?
より過激なものを求めると物足りないかもしれないけど、
逆にその分、間口が広がったとも言える。
主演も秋山莉奈だし、アクション大目だし、
グロも少な目。
よって、この手の映画がちょっと苦手という人でも、
比較的ライトな感覚で接することのできる作品になっていると思う。
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