8/21よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて 配給:アスミック・エース (C)2010『NECK』製作委員会 |
大学院生の杉奈は、
子供の頃に聞いた「怖がっているから、お化けが出るんや」という言葉を信じて、
“ネックマシーン”なる装置を開発する。
それは、箱の中に入り首だけ突き出した人物の怖い想像によって、
お化けが生まれるというもの。
杉奈は自分の仮説を実証するために、
杉奈へ想いを寄せる熱血スポーツマンの首藤を実験台にするが・・・。
覆面作家の舞城王太郎の原案を基にして、
舞台と平行して企画された“胸キュン・ホラー”エンタテインメント作品。
“胸キュン・ホラー”というが、
あまりに酷い内容に、胸がキュンとするどころか胸がギュッと締め付けられ、
怖いのではなく、そのお寒い内容にブルブル震える。
そんな作品だった。
“胸がキュン”としない理由は、
杉奈を初めとした主要のキャラクター造詣が曖昧だからに他ならない。
特に杉奈の性格はよく分らん。
幼馴染の作家・越前との関係。
杉奈に愛の告白をする首藤との関係。
この関係がボヤケ過ぎ。
どこで胸キュンしろというのだ!
まぁ、この“胸キュン”に関しては、百歩譲ったとしても、
“ホラー”の部分は譲れない。
「ホラーと謳ってくれるな」ってぐらい酷い。
いや、世の中には全く怖くないホラー映画はたくさんありますよ。
それはホラー・コメディというジャンルに分類されるか、
ホラーとして成立していないかのどちらかなんだけど、
残念ながら『NECK ネック』は、ホラー・コメディとしても、
単なるホラーとしても成立していない。
笑えないし、怖くもない。
要するにつまらない。
“ないない”尽くしだ。
とにかく全てにおいて寒い。
コメディ的な演出も寒いし、
ホラー的な演出も寒いし、
何よりも役者の芝居が寒い。
こんな芝居を俳優にさせるな!!ってぐらい寒い。
特に細川茂樹は、ウルトラ損な役で登場。
結構好きな役者さんなので、こんな酷い姿を見るのは辛い。
結構終盤にスペシャルゲスト的な感じで登場するんだが、
それまでに散々、寒い世界を見せ付けられていたから、
細川茂樹の登場はトドメの一撃だった。
その殺傷能力はゴキジェット級。
失笑を通り越して、虚脱した。
なんか内輪だけで楽しんでいる感じが、
スクリーンからバンバン漂ってくるし、
見ているこちらが恥ずかしくなったよ。
中高生向けの映画だから、
36歳のオッサンは楽しめなかったのかなぁ〜。
自分が高校生の時に、この映画を見たらどんな感想を抱くんだろう。
コメント (1)
全国公開作品と思えない程に寒くて酷い作品には同感です。
たまたま劇場券を貰ったので息子にやったら、友人らと見に行った感想も同じように酷いものでしたから評価は年齢は関係ないように思います。
”ないない”満載に加え、ストーリー途中で都合良くキャラクターの設定を無視したり、復活させたりする部分が更に輪を掛けて酷さを増幅してましたね。
作品の元になった舞台版がどうだったのか、逆に気になってます(笑)。
投稿者: 映画マニア | 2010年09月05日 18:55