9/18よりシネマート新宿ほか全国順次 配給会社:アルシネテラン、ハピネット (C)2010「nude」製作委員会 |
2002年にヌード写真集を発売し、2005年にAV女優デビュー。
以降、AV女優としてトップの座をキープし続け、
今年の6月にAV女優を引退したみひろ。
AV以外でも、『SR サイタマノラッパー』など一般映画に出演し、
女優として高い評価を受けているうえ、歌手やバラエティ番組でも活躍。
本作はそんなマルチな才能を持つみひろが、
2009年5月に出版した私小説「nude」の映画化。
新潟の高校を卒業後、上京した彼女がAV女優の道を選んだ理由、
そこに秘められた不安や葛藤が赤裸々に語られる。
地元の親友からの絶縁、恋人の反対といった周囲からの不理解、
AVに出演しないという中途半端な自分。
しかし、日に日に強くなる女優として成功したいという夢を叶えるため、
様々な試練を乗り越えていこうとする。
“AV女優としてやっていくんだ”という覚悟の部分に、
もう少し説得力が欲しかったけど、
AV業界に身を投じた一人の若い女性の生き様が、至って真面目に描かれている。
特殊な世界の話ではあるが、
恋や仕事の悩みなんてのは誰もが持っているだろうから、
自分と重ね合わせて見ることも出来るでしょう。
絡みのシーンもあるにはあるが、
やらしいというよりは、綺麗に撮っているので、
女性も抵抗なく見ることが出来ると思う。
(やらしさを求めて見に行くと、逆に肩透かしを食らうかも)
また、普段あまり目に触れることのない、
AVビデオの撮影現場の描写もなかなか興味深い。
例えば台本。
AVにだって台本があって当たり前なんだけど、
改めて「あぁ、そうか台本あるんだよねぇ」って。
女優さんたちが台本に書かれた卑猥やきわどい言葉を覚えて、
性行為をしながらその“セリフ”を発していると思うと、
それはそれで大変な仕事だなぁ〜って。
あくまでも演技なんだもんね。
女優さんの顔や結合部分が映る様に、
顔や身体の位置を確認したりもする。
もちろん、そんなことイチイチ気にしないで撮影するAVもあるんだろうけど、
みひろクラスとなるとそれなりに現場もしっかりしてないとマズイのでしょう。
そんなAV撮影シーンも含めて、みひろを体当たりで演じたのは渡辺奈緒子。
どっかで見たことある女優さんだなぁーと思っていたら、
『上島ジェーン』で上島竜兵がサーフィンそっちのけで恋しちゃう女の子役の子だった。
ヌードはもちろん、絡みのシーンもあるので、
それなりに難しい役柄だったと思うんだけど、頑張っています。
濡れ場だけでなく、感情表現もなかなか上手。
彼女の表情ひとつひとつにも注目して欲しいところ。
こういう役にチャレンジする女優さんは大好きなので、
今後も陰ながら応援していこうと思う。
あと、やっぱりピカイチなのは、
みひろのマネージャー役の光石研。
もしも光石研が出ていなかったら、、
この作品の印象はかなり変わってしまうように思う。
低予算で適当に作ってみましたという作品が多い中、
本作は作り手の誠意が伝わってきた。
■『nude』
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