2010年09月16日更新

#514 『nude』


nude

『nude』

9/18よりシネマート新宿ほか全国順次
配給会社:アルシネテラン、ハピネット
(C)2010「nude」製作委員会




2002年にヌード写真集を発売し、2005年にAV女優デビュー。
以降、AV女優としてトップの座をキープし続け、
今年の6月にAV女優を引退したみひろ。


みひろ


AV以外でも、『SR サイタマノラッパー』など一般映画に出演し、
女優として高い評価を受けているうえ、歌手やバラエティ番組でも活躍。


本作はそんなマルチな才能を持つみひろが、
2009年5月に出版した私小説「nude」の映画化。


新潟の高校を卒業後、上京した彼女がAV女優の道を選んだ理由、
そこに秘められた不安や葛藤が赤裸々に語られる。


地元の親友からの絶縁、恋人の反対といった周囲からの不理解、
AVに出演しないという中途半端な自分。


しかし、日に日に強くなる女優として成功したいという夢を叶えるため、
様々な試練を乗り越えていこうとする。


“AV女優としてやっていくんだ”という覚悟の部分に、
もう少し説得力が欲しかったけど、
AV業界に身を投じた一人の若い女性の生き様が、至って真面目に描かれている。


特殊な世界の話ではあるが、
恋や仕事の悩みなんてのは誰もが持っているだろうから、
自分と重ね合わせて見ることも出来るでしょう。


絡みのシーンもあるにはあるが、
やらしいというよりは、綺麗に撮っているので、
女性も抵抗なく見ることが出来ると思う。
(やらしさを求めて見に行くと、逆に肩透かしを食らうかも)


また、普段あまり目に触れることのない、
AVビデオの撮影現場の描写もなかなか興味深い。


例えば台本。


AVにだって台本があって当たり前なんだけど、
改めて「あぁ、そうか台本あるんだよねぇ」って。


女優さんたちが台本に書かれた卑猥やきわどい言葉を覚えて、
性行為をしながらその“セリフ”を発していると思うと、
それはそれで大変な仕事だなぁ〜って。


あくまでも演技なんだもんね。


女優さんの顔や結合部分が映る様に、
顔や身体の位置を確認したりもする。


もちろん、そんなことイチイチ気にしないで撮影するAVもあるんだろうけど、
みひろクラスとなるとそれなりに現場もしっかりしてないとマズイのでしょう。


そんなAV撮影シーンも含めて、みひろを体当たりで演じたのは渡辺奈緒子。


nude


どっかで見たことある女優さんだなぁーと思っていたら、
『上島ジェーン』で上島竜兵がサーフィンそっちのけで恋しちゃう女の子役の子だった。

ヌードはもちろん、絡みのシーンもあるので、
それなりに難しい役柄だったと思うんだけど、頑張っています。


濡れ場だけでなく、感情表現もなかなか上手。
彼女の表情ひとつひとつにも注目して欲しいところ。


こういう役にチャレンジする女優さんは大好きなので、
今後も陰ながら応援していこうと思う。


あと、やっぱりピカイチなのは、
みひろのマネージャー役の光石研。


もしも光石研が出ていなかったら、、
この作品の印象はかなり変わってしまうように思う。


低予算で適当に作ってみましたという作品が多い中、
本作は作り手の誠意が伝わってきた。


■『nude』
※みひろ インタビュー テキスト
※【取材部屋】みひろ
みひろ

前の記事: 矢田亜希子
次の記事: 2010年9月25日 公開映画

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.t-shirt-ya.com/blog/cgi/mt-tb.cgi/1860

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)




リンク

プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
Powered by
Movable Type