10/9よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて 配給会社:20世紀フォックス (C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX |
平凡な女性ジューンは、空港で出会った素敵な男性ロイに胸をときめかせる。
しかし、ロイはある組織に追われており、
ジューンはその戦いへと巻き込まれてしまう・・・。
トム・クルーズ、キャメロン・ディアス2大スター共演のお気楽ロマンティック・アクション大作。
男女ビッグ・スター共演で、2枚看板。
コメディ色のあるロマンティック・アクション。
今や絶滅危惧種となりつつあるジャンルだ。
最近のアクション大作は、主人公が完全無欠なヒーローではなく、
トラウマを抱えていたりして、生身の人間として描かれることが多い。
また世相を取り入れたりして、シリアスでリアリズムを目指す傾向強い。
「ジェイソン・ボーン」シリーズとか、
ダニエル・クレイグの「ジェームズ・ボンド」シリーズとかね。
お気楽という点では、
『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』みたいなのもあるけど、
これはタイトル通り、“野郎映画”だ。
(まぁ、ロマンスもあるっちゃあるが・・・)
そんな中、『ナイト&デイ』は時代に逆行するかのように、
能天気な映画だった。
トム・クルーズ演じるロイは、どんなピンチになっても冷静沈着。
激しい攻撃を受けてもスルリとかわす。
頭脳明晰、運動神経抜群、ユーモアのセンスもある、
穴のない男だ。
様々な異国の地であっても、高級車をポンと用意するし、
重火器も完全武装。
自分だけの島を持ち、そこにはヘリコプターまである。
キャメロン・ディアス演じるジューンが、
危機的状況に陥るとどこからともなく現れて、救出する。
国から国へと瞬間移動。
その移動能力はジャック・バウアー以上。
一方、ジューンは、ロイに一瞬ときめくも、
どうやら普通の人じゃないと気が付き動揺する。
しかし、行動を伴にするうちにロイを信用し始め、
また恋心が芽生えてくる。
さらに日常から掛け離れたスリルを経験をしていくことで、
今まで気付かなかった快感を得ていき、
最初はキャー、キャーわめいているだけだったが、
やがて“使える人”へと変貌を遂げる。
まぁ、定石通りの展開ってヤツですね。
完璧に近いヒーローと、分りやすいヒロイン。
低学年の小学生でも理解できそうな単純なストーリー。
危機感皆無のド派手なアクション。
世の中の情勢なんて糞食らえ。
シリアス要素、リアリティーともにゼロ。
本当にいまどき珍しいほど、
オーソドックスな内容で、驚いちゃいました。
でもね、決してこういうテイスト嫌いじゃないんです。
マイケル・ダグラス&キャスリン・ターナーの
『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』とか大好きだったし、
メル・ギブソン&ゴールディ・ホーンの『バード・オン・ワイヤー』とか、
公開当時スゲー楽しみにしていた。
他にも
『マーヴェリック』メル・ギブソン&ジョディ・フォスター
『6デイズ/7ナイツ』ハリソン・フォード&アン・ヘッシュ
『ザ・メキシカン』ブラッド・ピット&ジュリア・ロバーツ
とかがこの手のジャンルとして挙げられる。
割と最近だとブラピ&アンジーの『Mr.&Mrs.スミス』かな。
といっても『Mr.&Mrs.スミス』の製作年度は2005年だから、
もう5年も前。
そんなわけで『ナイト&デイ』は、
久しぶりに毒にも薬にもならない、
王道のロマンティック・アクション映画なのですよ。
深く考える必要もないんで、
息抜きやデートに最適な映画でしょう。
さて、『ナイト&デイ』ですが、
アメリカでは思いっ切りコケちまいました。
トム・クルーズの人気が低下していると言われて久しいが、
キャメロン・ディアスを投入してもダメとなると、
ちょっと厳しい。
『タップス』、『エンドレス・ラブ』含め、
トム・クルーズが出演している日本公開作品を全部見ている者として、
この低迷振りは悲しい限り。
まぁ、『ナイト&デイ』で、
「これでもかっ!!」ってぐらいの軽薄なニヤケ面を披露していて、
トム・クルーズ原理主義者の伊藤Pでさえ、ちょっとお腹一杯感は否めず、
人気低下も致し方ないのかな・・・。
下手に小じわとか隠そうとせず、
「そんなの全く気にしないわ!」ってな感じで、
バンバンアップで撮らせるキャメロン・ディアスは、
演技派としても認められているし、
トムと違って、小規模な作品にも出るから生き抜いていくような気がするが、
トムは・・・。
次回作は『ミッション・インポッシブル4』。
人気シリーズとはいえ、
『M:i:III』の成績があまりよくなかっただけに、
ちょっと心配だけど、頑張って欲しい。