2010年10月07日更新

#520 『ナイト&デイ』


ナイト&デイ

『ナイト&デイ』

10/9よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて
配給会社:20世紀フォックス
(C)2010 TWENTIETH CENTURY FOX




平凡な女性ジューンは、空港で出会った素敵な男性ロイに胸をときめかせる。
しかし、ロイはある組織に追われており、
ジューンはその戦いへと巻き込まれてしまう・・・。


トム・クルーズ、キャメロン・ディアス2大スター共演のお気楽ロマンティック・アクション大作。


男女ビッグ・スター共演で、2枚看板。
コメディ色のあるロマンティック・アクション。


今や絶滅危惧種となりつつあるジャンルだ。


最近のアクション大作は、主人公が完全無欠なヒーローではなく、
トラウマを抱えていたりして、生身の人間として描かれることが多い。


また世相を取り入れたりして、シリアスでリアリズムを目指す傾向強い。


「ジェイソン・ボーン」シリーズとか、
ダニエル・クレイグの「ジェームズ・ボンド」シリーズとかね。


お気楽という点では、
『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』みたいなのもあるけど、
これはタイトル通り、“野郎映画”だ。
(まぁ、ロマンスもあるっちゃあるが・・・)


そんな中、『ナイト&デイ』は時代に逆行するかのように、
能天気な映画だった。


ナイト&デイ


トム・クルーズ演じるロイは、どんなピンチになっても冷静沈着。
激しい攻撃を受けてもスルリとかわす。


頭脳明晰、運動神経抜群、ユーモアのセンスもある、
穴のない男だ。


様々な異国の地であっても、高級車をポンと用意するし、
重火器も完全武装。


自分だけの島を持ち、そこにはヘリコプターまである。


キャメロン・ディアス演じるジューンが、
危機的状況に陥るとどこからともなく現れて、救出する。


国から国へと瞬間移動。
その移動能力はジャック・バウアー以上。


ナイト&デイ


一方、ジューンは、ロイに一瞬ときめくも、
どうやら普通の人じゃないと気が付き動揺する。


しかし、行動を伴にするうちにロイを信用し始め、
また恋心が芽生えてくる。


さらに日常から掛け離れたスリルを経験をしていくことで、
今まで気付かなかった快感を得ていき、
最初はキャー、キャーわめいているだけだったが、
やがて“使える人”へと変貌を遂げる。


まぁ、定石通りの展開ってヤツですね。


完璧に近いヒーローと、分りやすいヒロイン。
低学年の小学生でも理解できそうな単純なストーリー。
危機感皆無のド派手なアクション。
世の中の情勢なんて糞食らえ。
シリアス要素、リアリティーともにゼロ。


本当にいまどき珍しいほど、
オーソドックスな内容で、驚いちゃいました。


ナイト&デイ


でもね、決してこういうテイスト嫌いじゃないんです。


マイケル・ダグラス&キャスリン・ターナーの
『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』とか大好きだったし、
メル・ギブソン&ゴールディ・ホーンの『バード・オン・ワイヤー』とか、
公開当時スゲー楽しみにしていた。


他にも


『マーヴェリック』メル・ギブソン&ジョディ・フォスター
『6デイズ/7ナイツ』ハリソン・フォード&アン・ヘッシュ
『ザ・メキシカン』ブラッド・ピット&ジュリア・ロバーツ


とかがこの手のジャンルとして挙げられる。


割と最近だとブラピ&アンジーの『Mr.&Mrs.スミス』かな。


といっても『Mr.&Mrs.スミス』の製作年度は2005年だから、
もう5年も前。


そんなわけで『ナイト&デイ』は、
久しぶりに毒にも薬にもならない、
王道のロマンティック・アクション映画なのですよ。


深く考える必要もないんで、
息抜きやデートに最適な映画でしょう。


ナイト&デイ


さて、『ナイト&デイ』ですが、
アメリカでは思いっ切りコケちまいました。


トム・クルーズの人気が低下していると言われて久しいが、
キャメロン・ディアスを投入してもダメとなると、
ちょっと厳しい。


『タップス』、『エンドレス・ラブ』含め、
トム・クルーズが出演している日本公開作品を全部見ている者として、
この低迷振りは悲しい限り。


まぁ、『ナイト&デイ』で、
「これでもかっ!!」ってぐらいの軽薄なニヤケ面を披露していて、
トム・クルーズ原理主義者の伊藤Pでさえ、ちょっとお腹一杯感は否めず、
人気低下も致し方ないのかな・・・。


下手に小じわとか隠そうとせず、
「そんなの全く気にしないわ!」ってな感じで、
バンバンアップで撮らせるキャメロン・ディアスは、
演技派としても認められているし、
トムと違って、小規模な作品にも出るから生き抜いていくような気がするが、
トムは・・・。


次回作は『ミッション・インポッシブル4』。


人気シリーズとはいえ、
『M:i:III』の成績があまりよくなかっただけに、
ちょっと心配だけど、頑張って欲しい。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.t-shirt-ya.com/blog/cgi/mt-tb.cgi/1881

この一覧は、次のエントリーを参照しています: #520 『ナイト&デイ』:

» ナイト&デイ Knight and Day 主演2人が生き生き+良いテンポ=おもしろくないわけがない 送信元 日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜
トム・クルーズとキャメロン・ディアスがバニラ・スカイ(2001年)以来、久々の共演ということで話題になっている最新スパイアクション映画、「ナイト&... [詳しくはこちら]

» 映画「ナイト&デイ」劇場の椅子に座れば上質なミステリー&アクションを楽しめる 送信元 soramove
「ナイト&デイ」★★★☆ トム・クルーズ、キャメロン・ディアス出演 ジェームズ・マンゴールド監督、109分 、2010年10月9日日公開、2010,アメ... [詳しくはこちら]

» 【DVD】ナイト&デイ 送信元 映画鑑賞&洋ドラマ& スマートフォン 気まぐれSEのヘタレ日記
JUGEMテーマ:洋画 過去、見に行ったときの感想です。 トム・クルーズ作品をまともに映画館で見たのは「コラテラル」以来、でした。予告... [詳しくはこちら]

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)




リンク

プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
Powered by
Movable Type