11/13より渋東シネタワーほか全国にて 配給会社:プレイディオ (C)2010 JACKIE&JJ PRODUCTIONS LTD |
戦国時代の中国。
激しい戦いをずる賢く生き延びた「梁」の歩兵は、
両軍ともに全滅した戦場で、敵国「衛」の傷を負った若き将軍を捕らえる。
報酬がもらえると踏んだ歩兵は捕虜として連れ帰ることにするが、
謎の女、山賊グループ、野生の熊、過酷な大自然が立ちはだかる。
そして、遂には将軍の救出ではなく暗殺を謀る「衛」の捜索隊が現れ・・・。
ジャッキー・チェンが20年間に渡り企画を温め続け、
原案・主演・製作・武術指導と、一人四役を買って出た入魂作。
ジャッキー・チェン主演作の中で、
中国歴代No.1ヒットを記録した大作という触れ込みだが、
そもそも甲冑モノがあんまり好きじゃないので、
それ程期待値は高くなかった。
ジャッキーの甲冑ものでは、『THE MYTH/神話』という珍作もあったしね。
恐らく、ジャッキー主演でなければ見なかったと思うんだけど、
逆に言えば、それだけ“ジャッキー主演”ということがアピールしているわけで、
やっぱりジャッキーはスターなんだなぁ〜と改めて認識。
で、中身ですが、話の筋はとても良くできていて、
見ている最中、飽きることはない。
ジャッキーお得意のユーモアとアクションのバランスも、
ボチボチな感じ。
最近、好んで入れる“泣き”の要素もキチンと入っている。
トータル、手堅くまとまっており、そつがないんだけど、
決めのアクション、もしくはスタントがないのは、やはり物足りない。
そもそもジャッキー演じる主人公が、
弱っちい役柄だったりすると、アクションそのものが守りになってしまうので、
ギャグに走る傾向が見られる。
やっぱりジャッキー演じる主人公が強い方が攻めるし、
強敵と対峙したときの高揚感も違ってくる。
あるいはジャッキー初期主演作のように、
最初は弱くても、鍛えて強くなるパターンが望ましい。
とまぁ、あれこれと言ってしまうのですが、
これもジャッキー好きの裏返しなんだよね。
もう年齢的に全盛期の頃のアクションを望むことは、
間違っていると分っているんだけどついついね・・・。
ジャッキーはもう56歳だもんね。
ジャッキーの主演作(主演というところが重要)が、
作られ続け、未だに日本で公開され、見ることが出来る。
それだけでも満足。
という気持ちもあるっちゃある。
しかも、今年は『ダブル・ミッション』、『ベスト・キッド』、
『ラスト・ソルジャー』と3本も公開された。
ジャッキー主演作が3本公開されたのは、
1999年以来のこと。
(あくまでも主演作であり、助演やドキュメンタリー作品は除く)
しかも、『ダブル・ミッション』は、ジャッキー映画の定番で軽いノリ。
『ベスト・キッド』は、やさぐれたオッサンを演じて新境地開拓。
『ラスト・ソルジャー』は、コミカルとシリアスを融合。
と全て違うテイストのジャッキーを楽しむことが出来る。
2010年は贅沢な年だったといえる。