2010年11月09日更新

#529 『ラスト・ソルジャー』


ラスト・ソルジャーズ

『ラスト・ソルジャー』


11/13より渋東シネタワーほか全国にて
配給会社:プレイディオ
(C)2010 JACKIE&JJ PRODUCTIONS LTD




戦国時代の中国。
激しい戦いをずる賢く生き延びた「梁」の歩兵は、
両軍ともに全滅した戦場で、敵国「衛」の傷を負った若き将軍を捕らえる。


報酬がもらえると踏んだ歩兵は捕虜として連れ帰ることにするが、
謎の女、山賊グループ、野生の熊、過酷な大自然が立ちはだかる。


そして、遂には将軍の救出ではなく暗殺を謀る「衛」の捜索隊が現れ・・・。


ジャッキー・チェンが20年間に渡り企画を温め続け、
原案・主演・製作・武術指導と、一人四役を買って出た入魂作。


ジャッキー・チェン主演作の中で、
中国歴代No.1ヒットを記録した大作という触れ込みだが、
そもそも甲冑モノがあんまり好きじゃないので、
それ程期待値は高くなかった。


ジャッキーの甲冑ものでは、『THE MYTH/神話』という珍作もあったしね。


恐らく、ジャッキー主演でなければ見なかったと思うんだけど、
逆に言えば、それだけ“ジャッキー主演”ということがアピールしているわけで、
やっぱりジャッキーはスターなんだなぁ〜と改めて認識。


で、中身ですが、話の筋はとても良くできていて、
見ている最中、飽きることはない。


ジャッキーお得意のユーモアとアクションのバランスも、
ボチボチな感じ。


最近、好んで入れる“泣き”の要素もキチンと入っている。


トータル、手堅くまとまっており、そつがないんだけど、
決めのアクション、もしくはスタントがないのは、やはり物足りない。


そもそもジャッキー演じる主人公が、
弱っちい役柄だったりすると、アクションそのものが守りになってしまうので、
ギャグに走る傾向が見られる。


やっぱりジャッキー演じる主人公が強い方が攻めるし、
強敵と対峙したときの高揚感も違ってくる。


あるいはジャッキー初期主演作のように、
最初は弱くても、鍛えて強くなるパターンが望ましい。


とまぁ、あれこれと言ってしまうのですが、
これもジャッキー好きの裏返しなんだよね。


もう年齢的に全盛期の頃のアクションを望むことは、
間違っていると分っているんだけどついついね・・・。


ジャッキーはもう56歳だもんね。


ジャッキーの主演作(主演というところが重要)が、
作られ続け、未だに日本で公開され、見ることが出来る。


それだけでも満足。
という気持ちもあるっちゃある。


しかも、今年は『ダブル・ミッション』、『ベスト・キッド』、
『ラスト・ソルジャー』と3本も公開された。


ジャッキー主演作が3本公開されたのは、
1999年以来のこと。
(あくまでも主演作であり、助演やドキュメンタリー作品は除く)


しかも、『ダブル・ミッション』は、ジャッキー映画の定番で軽いノリ。
『ベスト・キッド』は、やさぐれたオッサンを演じて新境地開拓。
『ラスト・ソルジャー』は、コミカルとシリアスを融合。
と全て違うテイストのジャッキーを楽しむことが出来る。


2010年は贅沢な年だったといえる。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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