12/3よりTOHOシネマズ有楽座ほか全国にて 配給会社:ギャガ (C)2010 Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved. |
失恋の傷を癒すため南フランスにやって来たジェンは、
ハンサムで逞しい体を持つ男性スペンサーと出会う。
瞬く間に恋に落ちたふたりは、デートを重ねた後ゴールインするが、
スペンサーにはある秘密があった・・・。
彼は元CIAの凄腕スパイだったのだ。
結婚を機に、完全に足を洗ったはずのスペンサーだったが、
彼の命を狙う敵が現れ・・・。
トム・クルーズとキャメロン・ディアス共演の『ナイト&デイ』みたいなお気軽デートムービーだが、
個人的には『キス&キル』の方が面白かった。
理由は幾つかあるんだけど、
一番はキャサリン・ハイグルかな。
『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』や『男と女の不都合な真実』で、
「今時こんなことやる女優はおらん」と思わせるような大胆な演技を披露しているが、
『キス&キル』でもキャサリン・ハイグルのらしさが炸裂している。
本作も含め、一歩間違えると卑猥になりかねない下ネタやギャグも、
キャサリン・ハイグルのフィルターを通すと下品にならない。
上品でもない。
その辺のバランスが絶妙。
一歩間違えると嫌な女になりかねない仕草やセリフも、
キャサリン・ハイグルのフィルターを通すとそれがチャーミングになる。
嫌味がない。
そこまで美人だとは思わないけど、
それがまた逆に良いんだよねぇ。
メグ・ライアンがロマコメの女王として君臨した後、
リース・ウィザースプーンとか、アン・ハサウェイとかが、
ロマコメの女王扱いされていたけど、
キャサリン・ハイグルが一番シックリくる。
日本での知名度が低いのが残念だ。
本当に良い女優さんなのになぁ〜。
『キス&キル』によって、日本での知名度が上がることを切に願う!
そして、キャサリン・ハイグルに対するのはアシュトン・カッチャー。
デミ・ムーアの旦那として有名で、
そっちの方ばかりクローズ・アップされがちだし、
なんかイマイチ役者としてパッとしない感じだったけど、
本作のアシュトン・カッチャーは、結構輝いていた。
筋肉ムキムキだし、アクションにもキレがあった。
何よりもキャサリン・ハイグルとの相性が良い。
『キス&キル2』を作って欲しいぐらいだ。
あと、物語のテンポも気持ちよかった。
かなり疲労困憊モードで、
「寝ちゃうかなぁ〜」と心配しながら鑑賞したんだけど、
一度も眠くならなかった。
ちゅうか、逆に元気になったね。
しかしながら、元気になった、面白かったということは覚えているんだけど、
細かいシーンとか描写とか、何故かあんまり印象に残っていないんだよね・・・。
でも、まぁ、この手の映画はそんなもんかなぁーって。
見ている最中、ワクワク、ドキドキして、
時にゲラゲラ笑って、「あぁー楽しかった」って言って、劇場を出た瞬間に忘れる。
何度か使ったことのある表現だけど、“鶏ムービー”だね。
まさに王道。
今年の正月映画は、誰もが楽しめるようなオールラウンド・ムービーがあまりないので、
そういった意味でも『キス&キル』は貴重な作品のような気がする。