2010年12月28日更新

#545 「2010年を振り返る【邦画編】」

前回に引き続き、2010年を振り返る。
今回は[邦画編]です。


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【ベスト5】


洋画同様、邦画も良かったと思う作品は、
ちょっと甲乙付けがたく1位〜5位まで同位です。


『おとうと』
おとうと
(C)2010「おとうと」製作委員会


死を扱った作品だが、
登場人物を強引に死なせて泣かせようとするペラペラなお涙頂戴映画とは一線を画している。
実は面倒くさい関係だったりする家族のあり方、人間の最期のあり方を考えさせられた。


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『告白』
告白
(C)2010「告白」製作委員会


奥深い映画だが、不快指数も高い問題作で、見ている最中も鑑賞後もイライラした。
多くの人が本年度ベスト1に挙げるんじゃないかな?


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『さんかく』
さんかく
(C)2010「さんかく」製作委員会


男の都合の良い勝手な解釈と、女の凄まじい執念と、十代の少女の無垢な故の怖さ。
鋭い観察眼を持った吉田恵輔監督らしい、滑稽で哀愁漂う人たちを描いた秀作。


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『悪人』
悪人
(C)2010「悪人」製作委員会


キャストとスタッフの気合と意気込みがスクリーンから伝わってくる重厚な作品。
しかし、切ない・・・。本当に、切ない・・・。


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『海炭市叙景』
海炭市叙景
(C)2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会


未だに完全に理解していないが、“答えが出ない映画”なのかもしれない。
噛めば噛むほど様々な感情が沸き出るスルメみたいな作品。


<総評>
選んでみて気がついたんだけど、どの作品も監督の作家性が出ている。
そして、どれも一筋縄ではいかない濃度の高い人間ドラマという点でも共通している。
お気楽に見られる作品が一本もないってのが、自分でも意外だったりする。
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【最優秀アニメ映画賞】
『カラフル』

カラフル
(C)2010 森絵都/「カラフル」製作委員会


洋画はアニメと実写を分けていないのに、なぜ邦画は分けるのだ!?
それは、5本選びきれないからだ!!
ということで、敬愛する原恵一監督のらしさが随所に見られた本作をチョイス。
タイトルに反して、派手さもないし暗めな映画ですが、多くの人に見て頂きたいです。


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【最優秀主演男優賞】
『ボーイズ・オン・ザ・ラン』:峯田和伸

ボーイズ・オン・ザ・ラン
(C)2010花沢健吾/「ボーイズ・オン・ザ・ラン」製作委員会


涙、鼻水、精液、血、尿、涎と人間が出すあらゆる液体を排出しながら、
全身全霊で無様なダメ男・田西敏行を演じた峯田和伸。素晴らしいです。
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【最優秀主演女優賞】
『ロストパラダイス・イン・トーキョー』:内田慈
ロスト・パラダイス・イン・トーキョー
(C)2009 Cine Bazar


ちょっとマニアックなチョイスだが、この賞で真っ先に思い浮かんだのが内田慈だった。
役者がキャラクターに息吹を吹き込むということがよくわかる。
作品そのものも傑作で、ベスト5に入れたかったが・・・。
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【最優秀助演男優賞】
『海炭市叙景』:加瀬亮
海炭市叙景
(C)2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会


数多の作品に出演している加瀬亮だが、本作での演技が現時点で最高なんじゃないかな?
と思ってしまった。
様々な感情を見事に体現している。そして、その感情の多くを自分も持っている・・・。
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【最優秀助演女優賞】
『ゴースト もういちど抱きしめたい』:芦田愛菜
ゴースト
(C)2010「ゴースト」製作委員会


どんな役者も子役と動物には勝てないというが、
わずかな出演シーンだけで、
主役の女優よりも演技が上手いことを知らしめる芦田愛菜は別格でしょう。
まだ6歳ですぜぇ。驚異だ・・・。
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【最優秀監督賞】
『悪人』:李相日
悪人
(C)2010「悪人」製作委員会


デビュー作からずっと追いかけてきた李相日監督の進化を目の当たりにした一本。
まだ36歳ですぜぇ。凄いよ・・・。
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【最優秀新人賞】
『nude』:渡辺奈緒子

nude
(C)2010「nude」製作委員会


AV女優を演じるわけで、
かなりきわどいシーンもあったが、果敢にも挑んだその勇気に拍手。
逆にこれでもう怖いものなしか?次回作に期待。
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【最優秀編集賞】
『海炭市叙景』

海炭市叙景
(C)2010佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会


それぞれ独立した5つのストーリーを海炭市という共通項で線にする。
それがあからさまじゃないのは、編集力によるところが大きいのでは?
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【最優秀撮影賞】
『ボックス!』

ボックス!
(C)2010 BOX! Production Committee


もともとスポーツ映画の撮影は難しいと思うのだが、
人間と人間が肉弾戦を繰り広げるボクシングは、特に難しいのでは?
迫力があってリアルなボクシングシーンだけでなく、
1ラウンドを1カットで撮っている点に注目したい。
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【最優秀嬉しいで賞】
『映画クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁』

クレヨンしんちゃん
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2010


映画の出来はそれほどでもないが、原作者の事故死を乗り越え、
劇場版のシリーズを続けてくれたことが嬉しくて、嬉しくて・・・。
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【特別賞】
シネマ歌舞伎『大江戸りびんぐでっど

大江戸リビングデッド
(C) 松竹株式会社


非映画コンテンツなので、特別賞。
歌舞伎をちゃんと見たことないが、恐らく歌舞伎役者たちが悪ノリしまくっているのでしょう。
役者が浮き浮きしながら演技している姿は、見ているこちらの気持ちも良くなります。


2011年も良い映画に出会えるといいなぁー。

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プロフィール

1974年、東京都生まれ。少年時代、ジャッキー・チェンの映画に魅了され、映画小僧の道を突き進む。大学卒業後、映画宣伝代理店に入社。『リーサル・ウェポン4』、『アイズ ワイド シャット』、『マトリックス』などを担当。

2000年、スカパー!の映画情報専門チャンネル「カミングスーンTV」転職し、映画情報番組の制作を手掛けたのち、2006年、映画情報サイトの運用に従事。その後、いろいろあって、2013年7月よりCS放送「エンタメ〜テレHD」の編成に携わっている。

本ブログは、多ジャンルの情報提供を志すT-SHIRT-YA.COMのオファーを受けて、2003年4月にスタート。2007年12月にブログ化。
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