2/25より丸の内ピカデリーほか全国にて 配給会社:パラマウント ピクチャーズ ジャパン (C)2010 Paramount Pictures. All rights reserved. |
勤めていたテレビ局から突然リストラされたベッキーは、
必死な売り込みによって、NYにある放送局ibsのモーニングショーのプロデューサーに採用される。
しかし、それは局から見放された超低視聴率番組「デイブレイク」だった。
ベッキーは手始めに、伝説的な報道キャスターのマイクを番組に担ぎ出すことに成功するが、
プライドの高いマイクは、ベッキーの要望をことごとく無視。
もう一人のお局MCコリーンとマイクの関係も最悪。
更に上司からは視聴率を上げなければ、番組を打ち切ると宣告される。
仕事に忙殺するベッキーは、
せっかく良い仲になった女性社員憧れのプロデューサー、アダムとの関係もギクシャクしてしまう。
果たしてベッキーは仕事と恋を成功させることが出来るのか!?
仕事や恋を成就するために奮闘する女性の姿を描いたサクセス・ストーリー。
頑張り屋さんだけど、ちょっと不器用な主人公という設定は、
サクセスものの常套手段だし、物語の筋も最後まで見えている。
いわば「水戸黄門」みたいなもんだ。
でもそれは決してマイナスではなく、
王道ならではの安心感、わかっちゃいるけどの面白さが本作にはある。
で、この手の映画で最も重要になってくるのが、ヒロインなんだが、
ベッキー役のレイチェル・マクアダムスがとても魅力的。
本作の成功に、かなり貢献しているように思う。
一生懸命さが空回りしてしまい、ちょっと痛いんだけど、
愛嬌あるベッキーを表情豊かに演じている。
笑顔だけでなく、むくれっ面や怒った顔も可愛いッス。
同性がレイチェル演じるベッキーに対してどんな感情を抱くのかは分からないけど、
オイラは大いに共感し、応援したくなったぞ。
調べたらレイチェルは、もう32歳なのね。
まだ20代かと思っていた。
どうやらこのぐらいのお年頃が、自分のストライクゾーンなのかもしれない。
マイクとコリーンをそれぞれ演じたハリソン・フォード、
ダイアン・キートンも良い味出している。
マイクは、偏屈なクソジジィだ。
頑固なハリソンといえば、『モスキート・コースト』を思い出すんだけど、
当たり役のインディ・ジョーンズもちょっと堅物だ。
一見、らしくないキャスティングのように見えるけど、
ハリソンは貫禄もあるし、しっくりくる。
そういや、
同じようなサクセスものの『ワーキング・ガール』にも出ていたっけ。
懐かしいなぁ。
ダイアン・キートンは、コリーン役を楽しみながら演じているのが見て取れる。
ダイアンのコメディエンヌぶりをもっと堪能したいのであれば、
『赤ちゃんはトップレディがお好き』がお薦めです。
タイトルに「恋」とついてはいるが、
本作は「恋」よるも「仕事」のウェイトの方が重くなっていて、
それゆえにベッキーの恋人アダムを演じたパトリック・ウィルソンの存在感がやや薄い。
でもバランス的には、これぐらいが丁度いいかな。
あまり恋愛パートに時間を割くと甘ったるいラブ・コメディになっちゃうからね。
男にあまり依存しないベッキーがまた良いわけですよ。
あと、本作は今のテレビ(特に報道、情報系の番組)の在り方、
置かれた立場を何気なく指し示していると感じた。
テレビがメディアとして、全国に伝えるべき内容は、
それなりの質を保たなければならない。
それが従来の報道・情報系番組のあり方であり、マイクがその代弁者的な存在だ。
対して、ベッキーが打ち出した番組の方向性はもっと身近であり、ややげせわだ。
極端に言うと面白い映像を見ることが出来る動画投稿サイトに近い。
敷居を低くしている。
テレビの王国時代を生き抜いてきたマイクと、
時流に乗ったベッキーのジェネレーションギャップは、
昔のテレビと今のテレビの違いと合致する。
マイクが時折見せる悲しそうな表情が、
テレビの役割の変化を如実に表しているような気がした。
てなゴタクはどうでも良くって、純粋に楽しめる作品です。
このところローな気分の日々が続いていたんだけど、
この映画を見て、ちょっとテンション上がりました。
いい年こいて単純明解な映画見て、気分が向上するとは思いもよらず、
自分自身にびっくりしてしまった。
清涼飲料みたいな映画でした。