ある朝、通勤での出来事。
地元の駅から総武線に乗車。
下車駅は東京駅なので、中央線の方が早いのだが、
中央線は混雑しているし、よく遅れるし、よく止まるので避けている。
総武線は中央線ほど混雑、遅延、運転見合わせが少ないし、
新宿駅で大量に乗客が下車するので、途中からほぼ確実に座れる。
よって、総武線を利用している。
その日、乗り込んだ総武線の座席は、いつものことだが全て埋まっており、
車両中ほどの適当な位置に立つ。
時間を有効に使いたいので、本ブログの原稿を携帯電話で書いていたんだが、
自分の前に座っていた乗客が中野駅で降りたので、
いつもより早く座ることが出来た。
ラッキ〜。
座ると、左隣に座っていた20代とおぼしき男性のヘッドフォンから、
シャカシャカと結構な音が漏れていた。
気が散るので、自分もいまやクラシックと化したボロボロのiPodを鞄から取り出し、
音楽を聴きながら原稿に取り掛かった。
しばらくすると右隣に座っていた恰幅の良い30代後半から40代半ばぐらいの男性が、
肩をドンとぶつけてきた。
明らかに故意。
男性を見ると思いっきり睨みを利かせながら、自身の耳を指で指し示した。
どうやら音が漏れているから、音量下げろということらしい。
音漏れは、自分が不愉快に思うぐらいだから、普段から注意していて、
人様の迷惑にならないような適度な音量を心がけているんだが、
ちょっと大きかったかなということで、素直にペコリ。
頭と音量を下げた。
しかも、これなら絶対に音漏れしないってぐらい少音量にした。
しかし、数分後、また右隣の男性が肩をドンとぶつけてきたので、
右を向くと男性が「うるせぇっていってんだろう!」と言っているのが、
イヤフォン越しに聴こえた。
流石に殴られはしなかったが、舌打ちと共に拳を振り上げてきた。
ちゃんと音量下げたのにおかしいなぁと思いつつ、
イヤフォンを外しながら「音漏れていましたか?」って男性に聞いたら、
「音漏れていましたか?じぇねぇよ」という。
「音下げたんですけどね・・・すみませんでした」と謝ると、
「すみませんじゃねぇよ!さっきからうるせって言ってんだろう!馬鹿野郎」
と声を荒げる。
謝っているのにも関わらず、馬鹿野郎といわれ、
こちらも少々ムッとしたんだが、
こういう激昂型には冷静に対処した方が良い。
耳から外したイヤフォンを確認してみると全く音楽は聴こえてこない。
漏れているはずがない。
やっぱりおかしい。
そして、左隣に座っている男性のヘッドフォンから、
相変わらずシャカシャカシャカシャカと音漏れが・・・。
どうやら怒っている右隣の男性は、
左隣の男性の音漏れが、伊藤Pの音漏れだと勘違いしていたようだ。
おぉ〜!とんだとばっちり!
ということで、反論。
「あの、音が漏れているのは僕じゃなくて、この方だと思うんですけど」
と穏やかな口調で言いながら、左隣の人を指差すと、
右隣の男性は、
「うるせぇんだったら、テメェが注意しろよ、この野郎」と言ってきた。
意味不明の発言に思わず苦笑しながら、
「なんであなたが腹を立てていることで、代わりに僕が注意しなくちゃいけないんですか?
自分でしてくださいよ」というと、
流石に男性もばつが悪いと思ったのか押し黙った。
アホか、こいつと思いながら、
ヘッドフォンを耳に戻して、原稿作業に取り掛かる。
この光景を他の乗客たちは、もちろん、傍観していたんだが、
みなさん怪訝そうな目線を勘違い野郎の方に注いでいた。
その後は何事もなく新宿駅に到着。
どうやら右の勘違い野郎は下車するようで、
降りる準備を始めた。
車内は降りる人、乗り続ける人が、順序良く互いに譲りあう必要があるぐらい混んでおり、
立ち上がった勘違い野郎は、なかなか前に進むことが出来ずにいた。
すると、彼の目の前にいた若い女性に向かって、
「どけよ!コラァ!」と恫喝し、
押しのけて出口へと向かって行った。
それに対して、
若い女性は、「はっ?なんにあんた、バッカじゃない!」と啖呵を切る。
一部終始を見ていたが、その若い女性が身動き取れる状態でなかったので、
彼女に非はない。
若い女性は、音漏れの一件で腹を立てていたうえに、
思うように下車できなかった勘違い野郎の鬱憤の捌け口になってしまったわけだ。
彼女もとんだとばっちりって、ヤツですネェ。
彼女に対する態度を見て、その勘違い野郎が、
己の愚行によって自分がバカだということを露呈してしまう憐れな人だってことが、
よくわかった。
相手にしないほうがよい。
本当、冷静に対処してよかった。
しかし、電車の中にはいろな人がいますね。
これ以外にも不快に思う経験をたくさんしているけど、
あの狭い空間に、あれだけの人が密集しているんだから、
当然といえば当然か。
「伊藤さんはツイッターやらないの?」ってよく聞かれるのですが、
「ツイッターやったら、電車での不愉快な出来事ばかりつぶやきそうだからやらない」って、
答えたことがあったなぁ。
友達の光武蔵人監督が靭帯を損傷して松葉杖を突きながら電車に乗り、
優先席の前に立ったものの、
優先席に座っていたサラリーマン風の男性3人は、全員ゲームをしていて、
全く席を譲ってくれなかったとぼやいていた。
困ったものだ・・・。
そんな自分も酔っ払って乗車して、寝てしまった時とか、
迷惑をかけてしまっているのかもしれない・・・。
気をつけねば。