3/5より日劇3ほか全国にて 配給会社:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ二大スター初共演の話題作。
アメリカ人数学者フランクは、
パリからヴェネチアに向かう列車の中で美しい女性エリーズと出会う。
知的でミステリアスなエリーズに魅力されたフランクは、
彼女が宿泊する超高級ホテルへ誘われるがままにチェックインする。
豪華でロマンチックな時を過ごしたフランクだったが、
翌朝、目を覚ますとエリーズの姿がない。
更に突然、何者かの襲撃を受ける。
フランクは、エリーズの恋人で、
誰にもその正体を知られていない大物犯罪者アレクサンダーと同一視され、
捜査当局と巨大マフィアの双方から追われることになったのだ・・・。
と、ジョニー・デップ演じるフランクの視点で粗筋を書きましたが、
最初はアンジー扮するエリーズのパートから始まり、彼女の中心に物語が進行し、
暫くして、エリーズとフランクが出会い、双方の視点で描かれていく。
互いに謎めいたところがあり、
フランク主体の単純な巻き込まれ型サスペンスではない点が、本作の魅力だ。
しかし、そのバランスがちょっと悪いというか、
ジョニー・デップがアンジーに食われている。
フランクが凡人キャラだから仕方がないんだが、
ジョニーの印象があまり残らない。
じみぃぃぃ。
「この役、別にジョニー・デップじゃなくても良くね?」って。
一方でアンジーは、華麗だ。
あまり好みの顔立ちではないんだが、何度も「綺麗だなぁ〜」って思った。
ジョニー・デップがアンジーの引き立て役に成り下がっていることが、
二大スター共演のワクワク感をかなり削いでしまっているように感じた。
ジョニー・デップは、どんな役でも同化する。
アンジーは、例え地味な役でも華やかさが出る。
なので、ジョニーの役を派手にして、
アンジーの役の方を地味にするぐらいでないと釣り合わない。
アンジーとブラッド・ピットが共演した『Mr.&Mrs.スミス』みたいな、
双方が映える対等なキャラが登場する作品で、再共演して欲しい。
続いて、物語なんだけど、それなりに面白いです。
単純な巻き込まれ型サスペンスではないと書きましたが、
アルフレッド・ヒッチコックのようなクラシックなテイストは多分にある。
よって、荒唐無稽な描写も少なく、アクションも現実的だ。
往年のハリウッド映画を見て来た人たちは、そこに懐かしさや喜びを感じるでしょう。
でもCGバリバリのド派手な演出に慣れた若者たちは、ちょっと食い足りないかもしれない。
個人的には、「もうちょっとドンパチあってもいいかなぁ〜」って思った。
物語も登場人物もアクションもアンジー以外、全てにおいて地味なんで、
アンジーの華やかさが一番印象に残った。
まぁ、綺麗な女優さんを見るのも映画の大きな楽しみのひとつなんで、
それはそれで有りなんですけどね。