4/15より丸の内ピカデリーほか全国にて 配給会社:ワーナー・ブラザース映画 (C)2010 WARNER BROS. ENTERTAINENT INC. AND LEGENDARY PICTURES |
精神医療施設に収容された5人の女性(少女とは言えないような・・・)が、
自由を手に入れるために、異世界で様々な戦いを繰り広げるファンタジー・アクション。
随分前に某サイトで本作の存在を知って以来、ずっと見たいと思っていた。
有名な女優は出ていないけど、異空間で女の子たちが、
変な人(ゾンビ?)や物体と派手に戦うそのビジュアルは、
アクション好きであるオイラのハートをガッチリ掴むのに十分なインパクトだったのだ。
しかも監督は『300<スリーハンドレッド>』、『ウォッチメン』で、
オタクのこだわりを存分に発揮しつつ、アクションを丁寧に撮ったザック・スナイダーだ。
その後、余計な情報を得ないよう心がけ、
ストーリーもほとんど知らないまま見た。
冒頭、主人公のベイビードールが、継父の策略で施設送りになるまでの過程が描かれる。
映像は独特だが、物語は現実的。
主人公のベイビードールも普通の女の子だ。
果たして、この状況からどうやって、
サイトで見たファンタジックな展開にもっていくのだろうか?と思っていたら、
突然、それが始まった。
も、妄想ですか?
強引なのか、斬新なのか良く分りませんが、
この発想は凄いですね。
正直、あまりの急展開に戸惑ったんだけど、
ひとつの戦いを終えた段階で、「なるほど、そういうことか」と納得。
空想世界と現実世界がリンクし、
アイテムをゲット。
全て揃った自由を手に入れることが出来る。
アクションRPGを映画にした感じ。
で、その見たこともないような空想世界の数々で繰り広げられるアクションが、
本作の最大の見所なわけですが、
空想世界もアクションもよく出来ている。
ビジュアルに懲りすぎて、
肝心のアクションがおろそかになる映画をたくさん見てきたが、
『エンジェル ウォーズ』はビジュアルも美しく、
アクションもカッコイイ。
様々なコシュチュームに身を包んだ女の子たちが、
刀を振り回し、銃をぶっ放し、ロボットや飛行機を自在に操り、
いちいち見得を切る。
た、たまりません・・・。
アクションそのものは『300<スリーハンドレッド>』を彷彿とさせるが、
「ディス・イズ・スパルタァ!!」な筋肉ムキムキな野郎どもより、
可愛い女の子たちの戦いの方が、オッサンには好ましいのであります。
パツキンのおねぇーちゃんが、日本のセーラ服みたいな服着て、
暴れまくる。
制服フェチでは全くないので、そこにあまり萌えることはなかったけど、
たまらん人にはとてつもなくたまらないのでしょう。
あと、刀やセーラ服が登場することからも分るとおり、
日本文化の影響がそこかしこに見受けられる。
鬼武者のようなサムライ型の武装ロボットも登場する。
ザック・スナイダー監督は、日本のアニメを見て育ち、
本作では『攻殻機動隊』や『AKIRA』を意識したと述べており、
「ディス・イズ・スパルタァ!」な『300<スリーハンドレッド>』や、
アメコミの映画化である『ウォッチメン』では盛り込むことが出来なかった
ジャパンカルチャーを今回は好き放題ぶち込んでいる。
何せ、原案・脚本、ザック・スナイダーですからね。
で、そのジャパンカルチャーの捕らえ方は、
よくありがちな「なんちゃってな日本」ではない。
というか、吸収→昇華されている。
日本の文化を上手く使ってくれて嬉しい限りです。
あと、ザック・スナイダーは『ウォッチメン』の時に、
ジミヘンやボブ・ディランの名曲を巧みに取り入れていたけど、
本作でも唸らせてくれた。
ユーリズミックスの「スウィートドリームス」、
ジェファーソン・エアプレーンの「ホワイト・ラビット」
クィーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」
ビートルズの「トゥモロー・ネバー・ノウズ」
といった楽曲をメッチャかっこよくアレンジしてバンバンかけます。
『アクロス・ザ・ユニバース』でのビートルズの楽曲の使用方法に通ずるものがありました。
壮大な空想世界、ド派手なアクション、重厚な音楽。
映画館で見るべき作品ですね。
ザック・スナイダーの作品は、『ガフールの伝説』以外全部見ていますが、
今のところナンバー1です。