4/16よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて 配給会社:日活 (C)2010 KIM PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED. |
1950年代の西テキサスの田舎町。
保安官助手のルーは、娼婦のジョイスと出会い、
長年封じ込めてきたある衝動に駆られる。
それは内に秘めた陰鬱な殺意だった。
ルーは、かつて義兄を死なせた疑いのある地元の大物に復讐するため、
ある計画を実行するが・・・。
一言で、しかも乱暴に言ってしまうと、不快な映画。
なにが不快って、ジェシカ・アルバが、ボコボコに殴られるのだよ!
しかも、腫れ上がった顔もしっかり映しちゃうのさ。
見てらんないって。
こんなの序の口です・・・
更に、ケイト・ハドソンまでも酷い目に・・・。
すっかり貫禄がついちゃって、
『あの頃ペニー・レインと』の初々しさは皆無に等しいけど、
好きな女優さんのひとりなんで、
不幸な役回りは辛いっス。
二人とも濡れ場があるんだけど、
濡れ場よりもバイオレンス・シーンの方が、印象に残ってしまう。
そして、不快感の元凶は、ルーの存在だ。
内なる殺意だかなんだかしらないけど、
計画的に暴力へと走るルーの行動は全く理解できない。
当然、共感もできない。
幼少時代のトラウマが、その後の人格形成に影響を与えているんだけど、
これっぽちも同情出来ないね。
そんなルーをケイシー・アフレックが演じているんだが、
もう、これが、キモイいのだ。
『ジェシー・ジェームズの暗殺』での暗殺者ロバート・フォードを髣髴とさせる、
ネッチョリした演技なんだよね。
ネチョネチョした喋り方、何を考えているのか分らない眼差し、
キモイ過ぎるぞ。
なんでこんな気持ちの悪い男が、
住民から頼られているのだ!
娼婦のジョイスと瞬く間に恋に落ちるのだ!!
彼を心底愛する恋人がいるのだ!!!
まるで納得がいかなかったぞ。
(誤解しないで欲しいのだが、ケイシーがキモイのではなく、
ケイシー演じるルーがキモイんだよ)
で、完全犯罪をもくろんだルーだが、
次第にルーが怪しまれるようになる。
普通の映画だったら、見る者は、
主人公が犯罪者なのに感情移入して応援してしまうのだが、
ルーに関してはそれが皆無だった。
逆に早く捕まれこのアンポンタン!!と思ってしまった。
内なる殺意?
他人を殺める動機としては、あまりにも脆弱すぎる。
バイオレンス・シーンは、好きな方だけど、
無意味なバイオレンス・シーンは、不快なだけだ。
監督はマイケル・ウィンターボトム。
レズビアンのロードムービー、コスプレ、SF、社会派、
人間ドラマ、ノンフィクションドラマ、音楽映画など、
あらゆるジャンルの作品を手掛けてきたなんでもござれの監督だけど、
今回ばかりは、「なんで撮ったの?」って首を傾げたくなった。
混沌とした時代だから、わけの分からん主人公なのかもしれないけど、
映画の場合は、それだけじゃダメだと思う。
こんな出来栄えでは、熱演したジェシカも、ションベン垂らしたケイトも浮かばれんわ。
【裏部屋】送りにしたいところだが、
ジェシカ・アルバとケイト・ハドソンのハミチチと尻に免じて、
それは見送ることにした。