5/7より新宿ピカデリーほか全国にて 配給会社:ワーナー・ブラザース映画 (C)2011 DARK CASTLE HOLDINGS,LLL |
リーアム・ニーソン主演のサスペンス・アクション。
リーアムが、異国の地で窮地に追い込まれならがらも孤軍奮闘!
といえば、『96時間』。
『96時間』は、“リュック・ベッソン製作なので期待しなかった割には”という前置きがあるけど、
面白いと思ったし、
リーアム・ニーソンの初めての本格的なアクションが、とても新鮮だった。
そして、『アンノウン』。
『96時間』二番煎じ的なポジション。
リーアムのアクションも免疫あり。
という圧倒的に不利な状況下ではあるが、
その面白さは『96時間』以上でした。
学会に出席するため、
妻と共にドイツ・ベルリンを訪れた植物学者のマーティン・ハリス博士は、
事故に遭い意識を失ってしまう。
事故から4日後、病院のベッドの上で目覚めたマーティンは、
次第に自分が誰で、なんの目的でドイツにいるのかを思い出す。
滞在予定だったホテルへと向かったマーティンは、
そこで妻との再会を果たす。
しかし、妻の発した言葉は「あなたは誰?」。
もうこの時点で十分ミステリアスなんだが、
『アンノウン』はさらに追い討ちをかける。
なんと、妻の傍には「自分がマーティン」だと主張する見知らぬ男性が!
ある男性が事故に遭い、記憶を失い、
身元不明人になるという内容ぐらいしか知らないで見たので、
妻だけでなく、もう一人のマーティンが現れ、かなり驚いた。
こいつは中々手ごわそうなサスペンス映画のようだ。
そして、その予測はことごとく的中した。
マーティンは、身分を証明するものは一切持っていない。
異国の地であり、頼れる人物は誰一人としていない。
所持金も心もとない。
こんな窮地をどう打破するのか!?
しかも、自分が本当のマーティンであることを証明しようとすればするほど、
もう一人のマーティンがマーティンであることを証明してしまう。
あなたがマーティンだったらどうしますか?
この宙ぶらりんで不安な展開がたまりません。
あんまり語りすぎると本作の面白さが激減してしまうので、
もうストーリーは言及しませんが、これぞサスペンスです。
ヒッチコックを彷彿させる巻き込まれ型サスペンスという、
クラシック的な要素が多分にありつつ、
現代的な“外しと捻り”も効いていて、単なる巻き込まれ型では終わらない。
監督は『エスター』のジャウム・コレット=セラ。
ジャウム・コレット=セラのことを書くにあたり、
改めて『エスター』の記事を読み返してみたんだけど、
「“セオリー”と“外し”が混在している」という記述があった。
うーん、『アンノウン』と同じようなを書いている・・・
(それは書き手に語彙力がないからかっ!!)
そして、当然、謎だらけの『アンノウン』には、オチがあります。
その『アンノウン』のオチが、『エスター』ほどの衝撃かどうかは分りませんが、
そこに至るまでの伏線の張り方は、やはり上手いです。
見ている最中、「おいおい、なんでやねん!」と思ってしまうシーンがいくつかあったんだけど、
そんな疑問もオチを知ると「あぁ、なるほど!」と納得してしまう。
小説で言うと「読み出したら止まらないイッキ読み」的な作品で、
感動したとか、深いところとかはないんだけど、
娯楽映画としては申し分のない出来。
ヒッチコック+『フランティック』+「○○」シリーズ。
そんな感じの映画でした。
「○○」には何が入るのかは、見てのお楽しみ。
ブルーの色彩を強調したジャン=ピエール・メルヴィルのような映像もカッコイイし、
ヒロインを演じるダイアン・クルーガーのノーブラも最高です!