5/14より新宿バルト９ほか全国にて 配給：ティ・ジョイ、CJ Entertainment JAPAN (C)Junji Ito (C)2011東映ビデオ |
伊藤潤二の漫画を映画化した『富江』が製作されたのは1999年。
その後、シリーズ化され、2007年までに7本もの作品が世に送り出されている。
「富江」シリーズの歴代出演者を見てみると、
菅野美穂、山口紗弥加、宝生舞、酒井美紀、宮崎あおい、
松本莉緒、あびる優と結構な顔ぶれ。
男優陣も窪塚洋介、妻夫木聡、忍成修吾、國村隼などが出演しており、
「へっ〜出てたんだ」って。
こんな風に意外に感じるのには理由があって、
実は「富江」シリーズを一本も見たことがないのだ。
ということで、シリーズ第8弾『富江 アンリミテッド』で
初めて「富江」に触れたわけですが、もう大爆笑でした。
井口昇監督×西村善廣特殊造型監督×鹿角剛司VFXスーパーバイザーという
『片腕マシンガール』、『ロボゲイシャ』のトリオが揃いぶみということで、
ある程度、作品の方向性は予測できたんだけど、
案の定でしたね。
残酷描写は良くも悪くもチープで、全く怖くない。
むしろ、富江を演じた仲村みう、妹の月子役の荒井萌、
月子の友達・佳恵にはAKB48の多田愛佳といったアイドルたちが、
確信犯的にいじられまくり、やられまくる姿が、失笑を誘う。
演技もあまり上手いとは言えないんで、滑稽さに拍車がかかり、
余計に笑ってしまう。
ストーリーもあるんだかないんだかわかんないし、
登場人物の人間関係や行動パターン、心理描写など、どれもこれも温い。
そんなんだから、ツッコミたくなるシーンもかなりある。
荒井萌演じる月子は、写真部に所属していて写真撮影が上手いという設定だが、
柔道部員を撮るシーンでのシャッターの切り方とか、
「それはないだろう！！」ってぐらい下手。
それがまた笑える。
あの撮り方じゃ、写真ブレブレだろうなぁ・・・
安易過ぎる劇判のつけ方とか、かなり酷いんだけど（特に恋モードのシーン）、
これも確信犯に違いなく、思わず吹き出してしまった。
序盤は、ホラー映画として見ていたんで、
正直、「やっぱり、こんなもんかぁ〜」ってな感じでイマイチ乗れなかったんだけど、
何度も確信犯的なことをやられるにつれ、
見方が変わってきて、「製作者の意図を汲んで、とにかく笑えばいいんだ！」って思えるようになった。
そして、中盤以降、『富江 アンリミテッド』はタイトル通り、
リミッターが外れて大暴走する。
数々の失笑が積み重なり大爆笑となる。
お父さん役の大堀こういちに髪の毛をメロメロ舐められる仲村みう、
首だけの仲村みう、ゴミ箱からこんにちはって出てくる仲村みう、
仲村みうの顔がおかずの富江弁当、
「『トワイライトゾーン』っか！」ってな感じのドアを空けたら巨大な仲村みうの目、
仲村みうの顔が連なったムカデ。それが何匹も！
仲村みうのファンにはたまらないのか！？
あっ！タンクトップだ！！
変なニョロニョロを口に突っ込まれ、富江弁当の餌食になる多田愛佳、
肩にベロの化物をつけながら、「キスしてぇ〜」っていう多田愛佳、
首チョンパで走りまくる多田愛佳。
多田愛佳のファンにとっては垂涎なのか！？
『バーニング』っていうホラー映画を思い出しますなぁ
そして、仲村みうと多田愛佳に追いかけられ、攻撃され、右往左往する荒井萌。
荒井萌のファンは萌えるのか！？
ファンじゃないオイラとしては、
もうただただ大爆笑でした。
この手の映画に理解のある人と一緒に、
酒を飲みつつ、要所要所で「ばっかじゃなぇ〜の」って突っ込み入れながら見たら、
もっと楽しかっただろうなぁ。
でも、彼女たちの熱烈なファンはどう感じるのかな？
仲村みうと荒井萌の入浴キスシーンとかは、
ファンにとって嬉しいプレゼントなのかもしれないが、
血まみれ、グログロになるアイドルたちを見て何を思う？
サドの要素があるファンは、受け入れられるかもしれないけど、、
本当に好きで好きでたまらないファンとかは、
「ぼくの○○ちゃんに何をするんだ！！」って切れちゃったりして。
それぐらいメッチャクチャってことです。
さて、最後にちょっと余談ですが、
随分前にプロデューサーとして携わっていた映画情報番組で、
『富江 最終章〜禁断の果実〜』を取り上げた。
紹介した映像に、安藤希と宮崎あおいのキスシーンが入っていた。
それを見たアシスタントプロデューサーの女性が、
「こういうのって、男の妄想ですよね。きもい」って言っていた。
仲村みうと荒井萌のキスシーンを見ながら、
9年前のそんな出来事を思い出しました。
中々素敵なポスターです
